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■■■ Leyton House CG901B ■■■


■■■ 背景 ■■■

 90年はエンジンパワーだけで押すマクラーレンMP4/5Bにベストマシンバランスとセミオートマで武装したフェラーリ640/2が襲い掛かった年でした。セナがドライバーでなかったらフェラーリのプロストがチャンピオンになっていたことでしょう。しかしフランスグランプリで大変なことが起きました。フラットな路面のフランス・マニクールでこのGPからBスペックとなったCG901Bのカペリとグージェルミンが終盤まで1-2状態を維持していました。「おお、初優勝か?」とはらはらした展開でした。結局残り3周でプロストにサクッと抜かれちゃいましたが、カペリは2位をゲット、表彰台で涙していたのはついこないだのことのようです。

■■■ マシン ■■■

 実はCG901Bは翌翌年に圧倒的強さでチャンピオンに輝くウイリアムズFW14Bの原型なのです。全体のシェイプを見ればそっくりなのがよ〜く分かります。だって同じカリスマデザイナー/エイドリアン・ニューウェーの作品なのですから。

■■■ キット ■■■

 レイトンハウス、有力チームでもないこのマシンがモデル化されるなんて、なんというF1模型バブルだったのでしょう?ああよき90年代前半。と嘆きから入ってしまいましたが、当時は1年に5モデルもリリースされるほどでした。

 この頃からモノコックが持ち上げられるようになってきましたが、そうなると上面からの抜き一発では対応できなくていろいろと試行錯誤することになります。このキットは左右割モノコックですね。別に左右割でも上下割りでも結局ペーパーやらパテで仕上げる我らは関係ありません。他はごく一般的なF1キットです。カラーリング関係は、緑(ふちに黒線あり)が大判デカールとなっていますが、当然塗装で仕上げます。なので淵の黒線はデカールより切り出します。緑上のBPマークは単独デカールになっているので問題なし。レイトンブルーは調合がめんどくさそうなので、タミヤスプレーを使うのが良しです。

■■■ 完成品ショット ■■■


◆う〜ん、かっこいい!この絞りきったマシンの美しさが出まくっております。でも何度も言いますが翌年のFW14シリーズとシェイプがそっくりです。結局1/20でFW14Bはリリースされませんでしたけど、スクラッチするつわものはこのCG901Bをベースにしていたのです。何を隠そう、この私もスクラッチの計画をしていましたが、いまだに実現しておりません。ははは・・・



◆プッシュロッド格納部分の出っ張りも、FW14Bのアクティブサス(当時はロータスのパテントを考慮してリアクティブサスと言っていたけど)と似通ってますねぇ。それにモノコック上部にスポンサーの名前を書いちゃうのは後のフェラーリ(Marlboro)の先をいっております。

◆モノコック上にアンテナを立ててたのも比較的早いうちからのような気がしてます。2種類の違うアンテナを再現してみました。黒いほうは先っぽを黒塗料にチャッポンと漬けて、ちょっと太らせてそれっぽくしてみました。



◆逆光気味に撮影してみました。いい感じじゃ。陰影でシェイプがよ〜く分かるじゃないですか。



◆モノコック開口部(ドライバーの乗るところ)の前端のVシェイプもFW14系とそっくりです。リアビューミラー面にはキッチンテープを貼って本物感を高めます。でもステーがちょっと太いかも・・・

◆お決まりのリアタイヤ。当然テンプレート仕上げです。ここでの注意点はマクラーレンやフェラーリと違って、リアサスとカウルの境目にフェンスが無く、ギアボックスが丸見えな構造ってことでしょう。空力追求のニューウェーがここのふたを閉めなかったのは、影響なし!と判断していたのかは未だに謎です。ギアボックスからドライブシャフトがのびていますが、根元はカッパー(銅)で仕上げるとすごくいい感じなります。中心部はシルバーにしてね。



◆モノコック先端をアップしてみるといろいろなことが分かります。ノーズの緑とレイトンブルーの境目にある黒ラインはデカールから黒の部分だけ切り出したのですが、よーく見るとその形跡を発見できるでしょう。モノコック右側のふくらみは、マニュアル時代のシフトノブ避けです。こういう形状がなまめかしくて好きです。



◆リアウイングはアンダーウイングからステーが延びているタイプです。このほうが早く見えるし、事実翌々92年くらいからどのチームもこの形状になりました。フェラーリは最後までメインウイングまで延ばしていた様な気がします。

◆モノコック真上から。細身ですねぇ。カペリとグージェルミンは両方とも大柄なので大変だったでしょう。プッシュロッド取り付け部のシャープな出っ張りがえらくかっこよく見えるのですがどうでしょう?



◆そうそう、言い忘れてますけど、フロントウイング翼端版の形状がベネトン(ロリー・バーン作)とそっくりです。これもニューウェーの特徴です。他はやっぱり直角三角形もどきなんですよね。それとフロントのアッパーサスの後端付け根ってすっごく低い位置についているんですねぇ。これでジオメトリ平気なんでしょうかねぇ?。



◆このアングルだとノーズ先端下部が浮いているのが分かります。ティレル018に始まったノーズ下にエアを導く手法が一般化してくる頃の作例です。あのフェラーリ640/2もノーズ先端下部が少し浮いているんです。模型作って初めて知りました!

◆フロントウイング翼端板下にボーテックスジェネレータがつき始めるのは91年くらいから。なので、90年のマシンのフロントウイングはまだシンプルなのでありますね。



◆低いサイドポンツーンで空力には大きく貢献しているでしょう。今のマシンと比べると清楚ですっきりって感じがしませんか?。



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