■■■ 中国広州事情 ■■■


■■■ 人物編 ■■■

 すでにご存じのとおり、GWに4日ほど中国に行ってきた。その顛末は久々に更新している「明日行ってこいの海外出張〜中国・広州編」に画像入りで詳しく書いているのでそちらを参照してほしいが、久々の中国、ちょっと感じたことを書いてみよう。まずは人物編から。

●入国審査で「You're welcomeと言われた」
 前にシンセンで入国したときは、パスポートを投げて返された。日本人的思考からするとありえないことであるが、それがあるのが中国と改めて認識した。今回、入国審査が終わったとき「サンクス」と言ったら「You're welcom」と小声で言われた。耳を疑った。役人がこれをいうって、中国少し良くなったなぁ。

●女性が元気
 街を歩く人の半分以上は若い女性な感じ。日本は街を歩く人のほとんどはオッサンっていう印象。さらに広東フェアーの各ブース、数量コストなどの交渉も相手は二十歳そこそこの女性である。なんだか娘を相手にしているようだけど、娘がこんなにたくましい姿は想像できない。でもこうやって若いうちからビジネスやっていれば、そりゃぁたくましくなりますわなぁ。日本人は子供を甘やかしすぎかもしれない。

●女性の流行りはアラレちゃん?
 女性が元気なのは上の通りだが、女性の眼鏡率が高い。そして眼鏡は大体にしてジェフポーカロといかアラレちゃんのような大きな眼鏡なのである。日本は小さな眼鏡が流行りだが、やっぱり場所場所で流行は違うんだね。

●ヤンキーがいない
 日本では「こいつは悪だなぁ・・・」と一発でわかるような奴はすぐ見つけられるが、中国では悪っぽいやつがいない。それとは違って異性にべたべたな若者は少し見かける。日本で見ても目を背けるような、エロエロなカップルもいた。中国は公衆の面前でこういうことするのはあり得ない、と思っていたが、やはり現場で見たことを信じろ、だな。

●まじめすぎる日本人
 広東フェアに行った。広州の巨大商談会である。幕張メッセが5個くらいの広さで、このスケールには開いた口がふさがらない。ここでは欧米・アフリカ・中東など各国から来たバイヤーが真剣勝負している。しかし真剣勝負だが暑い広州なのでみんな服装はカジュアルである。この会場の入口で10人くらいの集団がネクタイをして固まっていた。う〜ん、日本人。堅物だなぁ。違和感あるなぁ。たぶん商談なんてしないで見学して帰るのだろう。それに足が棒になるくらい会場を歩いたが、日本人とあったのは0.05%くらい。日本人よ、もっと海外にでよ! ちなみに私も30元で写真撮って、100元でバイヤー登録した。っていうか顔写真付きのID証が無いと会場に入れないのである。このID証はこの後何年も使えるみたい・・・





■■■ 食事編 ■■■

●きれいに食べる
 中華料理であるからして、いくつかの料理が供給されるのであるが、その食べ方が中国の人は「きれい」である。われらの食べた後のお皿はなぜか汚い。この差は何なのだろう?あと食器(お皿・箸など)は必ず「お茶」で洗うのである。16年前もそれでびっくりしたが、衛生的に食器は自分が食べる前に洗うのが常識みたい。洗った後のお茶捨てもちゃんと用意されるんだな、これが。この衛生的に信じられない・・・ってのを向こうの人は「恥ずかしいことですが・・・」と言っていた。

●漢字メニュー
 おいしそうな中華料理店はたくさんある。しかし困るのはそこで見せられるメニューが全部漢字ってこと。つまり写真が無いので判断ができない。麻婆豆腐くらいは何となくわかるのだが、他のメニューは気合一発ダメもとで頼むしかない。まあ「はずれ」は逆に旅のいい思い出である。人間いいことよりも悪いことの方がいい思い出として残るもんね。ちなみにどうにもこうにも選べなくて困っていたら店員さんが「これどうだ!」と壁にある絵を刺した。何気に肉の塊っぽくてよかったが、来たらびっくり。アヒルの頭を真っ二つに割ったものだった。むむむむ・・・とうなった。そしてビールが困った。いくつか行った店でもビールがどれだか分からない。そういう時は私の出番でこれも気合での乗り切るのだ。ビァーと言ったり、プッシューと言ったり、プッハーと言ったり、ビンのシェイプを指でなぞったり。しかしどうしても伝わらない。でも大体にしてそこまでやると店員さんが、これか?これか?を現物を持ってきてくれたりするのである。つまり言葉が話せなくても飯くらいは何とでもなる、と学習した。それにそういうやり取りが面白かったりするし、店員さんも楽しんでいたりもしたけどね。まあビールくらい単語覚えればいいのだが・・・

●朝は外で
 朝食はホテルで食べるでもなく、コンビニで仕入れるわけでもなく、かといって店が開いているわけでもないのどうするか? でも散歩でその辺を歩くと、一コマの小さな店だったり、屋台だったり、という蒸し物系(飲茶)の店がたくさんあることが分かった。これがうまいし安い。さらに分かったのは中国の人は朝ごはんを作らずこういうところに買いに来るってことだ。とある店の4元のチマキがウマウマであった。一緒に売っていた豆乳みたいなのも豆っぽくてお腹にすごく優しい感じでうまかった。でもここでも決して中国語が通じない私であるからして、指でさす。なんか言われても「分からな〜い、ん?」という顔をして、あとは10元を出してお釣りをもらうようにした。最初細かいのなくて100元出したらなんだかあれこれ言われて、同行氏に「多分100元なんて出したらダメなんですよ」と言われた。その通りだった。

●菊茶
 シンセンのとあるホテルで昼食をいただいたとき、お茶を見たら中に虫の小さな羽が浮いていた。あ〜やっぱり中国だなぁ、どうしようかなぁ・・・と思案していて、よくよく見たらどうも虫ではなく、花びらのようだった。そして結構美味い。「これは何というお茶ですか?」と聞いたら「菊茶」というらしい。中国では普通のお茶みたい。





■■■ モータリゼーション編 ■■■

●クラクション天国
 何が嫌かって、それはクラクションである。まあこれも慣れてしまうが、まあびっくりである。耳に聞こえる範囲で2秒に一回はどこかでクラクションが聞こえる。ちょとトロトロ走っていたり、ちょっと割り込みされそうになったり、ちょっとしたことですぐクラクションが鳴る。私はクラクションなんて1年に一回鳴らすかどうかだけどねぇ。でも多分喧嘩腰で鳴らすのではないんだろうなぁ、と思う。さらにぎりぎりまで車が接近するのだが、それでも事故が起こらない。なんだか阿吽の呼吸があるように感じる。それと日本は何でもすぐに信号機をつけてしまうが、中国は自己裁量のように見える。信号機つければ車は来ていなくても赤なら止まらなくてはならないが、信号機が無ければ安全ならそこで渡ればよい。日本の「走ればすぐ信号」ってのに嫌気がさしているので、ちょっと中国がうらやましかった。

●タクシーが拾えない
 広州ではタクシーが拾えない。競争である。誰かが留めて運ちゃんと交渉していても、平気でそこに割り込んで交渉する人がいる。たくましすぎてちょっと真似ができないなぁ。

●運ちゃんは大変
 場所から場所への移動はタクシーが多かったが、あるタクシー運ちゃんはアテンダーの方にひたすらマシンガンのごとく話をしていた。後から聞いたら、アップルの自動配車?システムが黒船のようにやってきて給料が半分になってしまったと怒っていた。大変だなぁ、運ちゃん。

●高級車が汚い
 広州は高級車がたくさん走っているっていうか、高級車じゃない車の方が少ないんじゃない?っていうくらい。しかしその高級車だが、ピカピカに磨かれた高級車ったのはほとんど見られない。車は高級だけど、汚れてドロドロである。アテンダーさん曰く、大気が汚くて掃除してもすぐ汚くなる・・・らいしい。本当なら人の方がやられてしまいそう、だが・・・

●中国自転車事情
 中国の自転車は半分以上電チャリっぽい。電チャリの「電」も初めからついているものっていう感じでなく、後付「電」っていうふうに見える。たくましいなぁ。さらに広東フェアーでは電動スケボーのオンパレード。今のトレンドが移動体の電動化って感じがひしひしと伝わった。





■■■ 鉄道編 ■■■

●地下鉄で席を譲る
 地下鉄に乗っていてびっくりしたこと。少しでも年配の人が乗ってくると若者はすぐに席を立つ。さくっと立つ。40代くらいの人にも席を譲ろうとする。これにはびっくり。確かに地下鉄のドア上液晶モニタには「席を譲ろう」みたいなビデオが流れているのだが、これは明らかに中国の勝ちである。

●新幹線は虚偽報告
 シンセンに行くため新幹線に乗った。外国人は専用窓口でパスポートを見せないと切符が買えない。さてその新幹線、出発時間の10分前くらいになるとゲートが開き待合室から我先にと中国の人が大移動をする。この「我先に」というのがここ以外のどこでも見られた。地下鉄のドアが開いても降りる人とは関係なく人が乗ってくる。ここは日本の勝ち。さて新幹線、今どれだけスピードが出ているのか?がドア上部のディスプレイに表示されるのだが、どう見ても20〜30km/hくらいは水増しされたスピードが表示されている。こんなところで見栄張ってもしょうがないと思うのだけどねぇ。

●厳重セキュリティー
 空港は当たり前だが、新幹線に乗るときにも手荷物のX線検査が必要である。広州ではなかったが深センでは地下鉄でも手荷物X線検査が行われていた。こういう検査が無くても安全に暮らせる日本はつくづくいい国だと感じてしまう。さらに地下鉄の駅ではどこでも金属探知機で体を探られる。「テロ」は今各国で真剣に考えなきゃいけない恐怖なのかも。

●地下鉄はグー
 まあ新しいってこともあるだろう。地下鉄はまあきれいであるし、ホームには安全ドアが設置されている。切符(実際はトークン)を買うのも楽で、行き先をタップして所定のお金を入れるだけ。最低区間が2元(約40円)、1時間くらい乗る距離で9元(180円)で安い。でも椅子は相変わらずステンレスのつるつる仕様なので、長く乗っているとお尻が痛いし滑るしで大変だ。





■■■ 生活編 ■■■

●イオン・ユニクロは高級品
 ホテルの隣がイオンだった。別にイオンなんてそんなに利用しないだろうなぁ、と思ったが、実際イオンには大活躍してもらった。それにイオンがまさに日本のイオンそのものだったのに驚いた。価格も日本とそれほど変わらない。閉店間際であっても日本のイオンのどの時間帯よりも人が多いということだ。これだけ見ればイオンが中国出店を加速するのも納得できる。イオンで売っているものは中国製であっても品質の担保がされている、って考えられているからだろうな。制服は日本と同じ、回転直後は店員さんがみんな並んでいて(多分)いらっしゃいませと言う、レジの若い人たちも礼儀ただしく、なんだかこっちもうれしくなった。ただし定員さんは日本の5倍はいる感じ。

●LINEとGoogleが使えたホテル
 中国はLINEとGoogleは使えないと行く前に言われた。ネットで調べてもそうであった。しかしホテルのWiFiは両方ともつながったぞ。でも中国はLINEと同じようなアプリでWeChatってのが恐ろしく普及しているようだ。ちなみに私も入れてみた。誰かWeChatで友達にならない?

●それっぽい光景
 中国では3輪自転車に大量の荷物を載せているとか、アメリカ人が日本人はみんな羽織/袴でちょんまげを結っているというくらいの「思い込み」があったが、広州ではそんな光景は全く見なかった。が、シンセンでは結構想像の中国が見れた。やはり広州は大都市で、泊まったところもその中心だったからかなぁ。




●どこでも電話をするし音を出す
 スマホについているサイレント機能ってのは日本人のためについていると実感させられる。商談していても電車の中でも音が鳴り放題。車内でも平気で電話するし、その声がまたでかくてで怒っているようにも聞こえる。まあ日本的静かなほうが好きであるが、ここは中国。中国はそれが普通なのである。それをもっていい悪いを押し付ける気は毛頭ない。それにそういう環境にいると、全然気にならなくなるのね。逆に日本に戻ってきて乗った電車があまりにも静かすぎてちょっと違和感があったりした・・・

●高層ビルだらけ
 広州はどこを見ても高層ビル、それもかっけー(我が家の流行言葉だが、時代に何年遅れているのかっていう話はなしにしてね)感じのビルが多い。数えたわけじゃないが、ランドマークタワークラスのビルが100棟以上はありそうだ。

●カメラは両極端
 写真を撮っている人はスマホか一眼かしかいない。私みたいにコンデジっていうのはもうありえないって感じ。確かにスマホの画質は良くなっているけど、ここまで進んでいるとは。デジタル一眼はやっぱりニコンへの信頼が高いみたい。街でもデジ眼見かけるとニコンばっかりだった。

●自動小銃
 街中や展示会場で金庫?などを運んでいるとき、そばには必ず自動小銃を構えた公僕がいる。引き金いつでも引ける状態である。歩いていて転んでその反動で引き金引いちゃったら、確実に死人が出そうで怖かった。

●修理のレベルが違う
 コアすぎる秋葉原みたいな、電脳エリアのさらにディープなところに侵入してみた。そのフロアはデジカメややビデオカメラの修理をして、修理費品や部品を販売していた。ラジオ会館みたいな感じで暗く狭いところで一生懸命セットをバラシ半田ごてを握っているのはたくましすぎる。ある店では何100というFPCが並べられ、このモデルのこの部位みたいな記述がある。それに白レンズを露店で平気に分解しているのを見たが、これを見たら中国での中古レンズは絶対買わない・・・となるわなぁ。