ラックマウントタイプの機器ってちょっとプロの香りがして、アマチュアは心躍らせるのである。当時サウンド&レコーディングマガジンに自作コーナーがあった。ここでは盛んに19インチラックマウントタイプのエフェクターが記事になっていた。あるとき秋葉の「鈴蘭堂」とうケース屋にこの19インチラックの1Uタイプを買いにいったときそこの親父に
「あなたもあの雑誌記事で作るのかい?」
っていわれたほどみんな買いに入ったようだ。自作もいいね。
キーボードのところでも書いたかもしれないが、DX-7を買ってシンセの道に多少足を踏み込んだが、やっぱりDXの音は私に全くなじまなかった。一言で言えば「硬質」なのである。プロフェット5のようなウオームリッチな音が欲しかった。
ちょうどそんな時アナログシンセの大御所「オーバーハイム」からプリセット音源だけだけど1000個も入っているよ、っていう音源がでた。それがこの「Matrix1000」である。これはいい。音がウォームだ。アナログのいいところがしっかり出ている感じである。一発でお気に入りになった。
しかし困ったのは、特徴でもあるその音源数である。1000個もあるとそれを全部聞くだけでもヘトヘトになる。さらに「これいい」と思ったらきちんとメモっておかないと、再度その音源を見つけるのが大変なのである。
ギターアンプには「リバーブ」なる機能がある。が、このリバーブはスプリングリバーブであって「いかにもベンチャーズ」な音しか出せない。まあベンチャーズをやるぶんには至って快適なのだが、やはりもっとちゃんとしたものが欲しくなった。
その頃「BBD」というアナログの遅延素子が世間に出始めていた。Maxonが出していた箱型のアナログディレーだったがそれを買った(詳しくは別途)。しかしあくまでディレーであって、リバーブではない。リバーブをアナログで実現するのは結構大変なのである。
そして時はデジタル時代。やっとまともに手が届くリバーブが出てきた。ヤマハもSPX-90という機種があったのだが、ウオッチしていると廉価バージョンのこのモデルが発売になった。ギターエフェクター機能とか付いているのでお得感が強かったが、やはりデジタルエフェクトはチープだった。このモデルはあくまでリバーブなのである。
結局リバーブなんてものはギター直結で使うことは無いのだ。レコーディングやライブなど、ミキサーからのセンド・リターンで使うものだ。結局はキーボードのリバーブとして活躍している。
勢いで買いまくるのは学生時代からの癖のようだ。
機材が増えまくると当然必要になるのがミキサーである。2Uラックのミキサーは結構あったが1Uのミキサーは選択肢が無かった。そして買ったのがこのミキサーだ。6チャンネルしかないので入力をキチンを計画しておかなければならないのだ。
このモデルの特徴でVCAの外部コントロールが効くようになっている、が、そんなもの使ったことが無い。少ないパネル面積を有効に使って欲しいものだ。ちなみにローランドからは1Uで12chのミキサーが出てたりするので、意味もなく買い換えるかもしれない。
実はラックミキサー、自分なりに欲しい機能があったりする。そういうモノを全部入れて「マイミキサー」を作るべく、回路も決めたしラックも買ったし・・・無いのはそれなりのツマミだけだった。秋葉原で足を棒にして歩いても、ラックに似合うツマミが無いのだ。困った私は最終手段として、ツマミとして一番かっこよかったこのKORGミキサーのツマミを流用しようと考えた。そしてコルグに電話した。そしてツマミが買えることが分かり、調布まで出向いた。サービスパーツだろうが、ちょっと高かったがゲットすることが出来た(まだこのミキサーを買う前の出来事だ)。
MIDIってやつはいまだによく分からない。分からないし分かろうともしないから、絶対分かるようにならないのだ。でも電子楽器にMIDIが搭載されないことは無い、という極めてベーシックな機能になってしまった。
MIDIにはTHRUという端子があるので、少しの機器ならこれを活用すればよいが、さすがに機材が増えると入力を選びたいとか、いろいろとやりたいことが出てくる。そんなときに楽器屋に中古でうっていたので買ってしまった。が、ほとんど使われること無く(MIDIを駆使して楽器なんぞ弾いていないから)ラックの「ふた」と化しているこの頃である。
ハードオフってたまに掘り出し物っていうか、欲しいと思ってないけど見ると欲しくなるものがある。ある日行ったらRolandのM-12Eという2Uサイズ(高さが基準の2倍のサイズ)のミキサーが置いてあった。12chとラックマウントミキサーにしては入力数が多く、かつ入力ゲインが高くマイクまでつなげられる優れものだ。価格は9000円。迷った、すごく迷ったがまあすぐ売れてしまうことも無いだろうと、家に帰ってインターネットで調べてみた。こういうときにはヤフーオークションが役に立つ。すると、5000円くらいで落札されていることもあるようで、欲しいならそっちにしようと。それやっぱり2Uはでかいしね。
さてヤフーオークションでローランドやらミキサーやらで調べていたら、1Uで12chのミキサーがあることが判明した。それがこのM-120である。1Uで12chなんてすばらしすぎる。フロントにヘッドホンの出力もあったりするし。私はこのミキサーに心が奪われた。
そしてちょろちょろ出品されるM-120だが、入札数は少ないのであるがそれなりに高価で落札されている。5000円くらいがいいんだけどなぁ。そして今回「ボリュームにガリがあるchがある」っていうのでジャンク扱いで出品されているM-120があった。実はこの「ジャンク」というのは狙い目である。その狙い目どおり2700円という、安値でゲットすることが出来た。いい買い物だ。
実はもうかれこれ20年くらい前、上にあるコルグの6chミキサーの仕様に満足できなく、自分でミキサーを作ろうと1Uラックマウントのケースや、フロントパネルの設計や回路の設計に着手していた。そのときの課題だったのが、2連タイプのツマミとボリュームであった。機能を多く持たせようとすると1Uとう限りあるスペースにいろいろと詰め込まなければならず、2連のボリュームが必須になるのだった。しかし世の中かっこいい2連のツマミが無いのと、小型の2連ボリュームも無いのであった。ツマミに関して上のコルグのミキサーのツマミがかっこいいって事もあって、コルグのサービスから大枚はたいて買ったのだったが、ボリュームに関してはジャストのものが無く、そのうち上のコルグミキサーを買って、まあ最低限のことが出来ちゃったりしたんで、そして楽器にも力が入ってこなくなっちゃって、今に至っている。
コルグのミキサーはVCAなんて私には縁の無い機能がついていたりする。それにパネルは余裕のあるレイアウトだ。しかし今回のローランドのものは同じパネルに倍の12chっていう、結構キツキツレイアウトだ。さらにSENDも2系統あるのだ(コルグのは1系統)。まあ1系統で十分なんだけどね。