ほぼすべてのチームが2ストップ作戦のようで、続々とピットインしてくるマシン。続いてはラルフ・シューマッハだ。
「ほーれ来たぞ」
ピット作業の基本は各タイヤに3人(はずす人/つける人/インパクトレンチ)、前後でジャッキアップする2人、ロリポップボード(ドライバーの前に出すボード)1人、給油に2人の計19人だ。大所帯なのだ。
はずしたタイヤが良く分かるし、いざという時のフロントウイングが準備してあるぞ。
手を上げているのはきちんとタイヤ交換が終わったと言う合図だ。横断歩道で手を上げている子供のようで、ほほえましいですな。
さて兄シューマッハがピットインだ。フェラーリの場合、前に書いた19人のメカニックに加え、一人多くのメカニックが作業に加わるのだ。それはフェラーリがエンジンの排気をカウルの上に出していることによる。この排気は高温であり、給油中のガスがこの高熱で発火しやすいのだ。そのために給油口と排気口を遮蔽するボードが必要だ。棒の先に白い板のついたお祭りの道具みたいなやつがそうだ。加えてシューマッハは無線でフロントウイングのフラップの角度を変える要求を出していたようだ。アメリカのカートからやってきたジャック・ビルヌーブがウイリアムズに持ち込んだこのクイック・ウイング・チェンジ・システム(あてずっぽな命名だよ)を、フェラーリも取り入れたみたい。ウイング翼端版に埋め込まれたウォームギアで、簡単にウイング角度が変えられるのだ。手前に立っている所在なさげなメカニック2人がその人だ(お尻に黄色でマーキングしておこう)。ビデオを見たら一発で分かるね。また、同じタイミングでマクラーレンのクルサードがピットインしてくるため、それを迎えるマクラーレンの動きが良く分かる。
「はい終わり」とタイヤスモークを出してピットアウトするシューマッハ。
あれれ?またデーモンがピットインしてきたぞ。あれれ?目の前でそのままガレージに入っていっちゃう。どこか調子悪いのかな?しかしどアップで撮れた。
サイドポンツーン前についているへんてこウイング(黒)が良く見える。