■■■ 父娘富士五湖制覇サイクリング ■■■


■■■ その1 ■■■

 風呂に入る直前、リビングにて。

 「○○さぁ(娘の名前が入ります)、明日富士五湖サイクリングってどう? やっぱ行かないよねぇ・・・」と言って、風呂に入った。断られるが怖い弱い父親である。しかし風呂上り娘がつぶやいた。「行ってもいいよ、どうせ用事ないし・・・」おっ、きたきたきたきた。「お父さん、返事聞かないで自分で決めちゃうんだもん。」

 さていくと決めたのが深夜の0時。それから軽く用意をして寝付いたのだが、修学旅行前の子供と同じくなかなか寝付けない。やばい、朝4時起きなのにあと3時間しかないじゃん。そして久しぶりに父娘4時に起きてがさがさと準備をして、出発の5時はもう陽が高くなっていた。

 実は4月初旬に娘とは久しぶりに「東京散歩山の手横断」をやっていた(すでにテキストは起こしてありあとはアップするだけ)。そして今回の富士五湖サイクリングだ。なんだか毎月イベントがある、いい父娘関係である。

 今回の富士五湖サイクリング、実は昨夏から計画していたのであった。各湖、個別もしくは3湖くらいまとめての制覇はすでに何回か行っている。しかし5ついっぺんに制覇というのがチャレンジングなのである。Google Mapsでルートを調べたら、大体105kmだ。距離的にもちょうどいい。だがずーっと頭に引っかかっていたのは「高低差が結構ある」ってこと。この高低差が嫌いなので、川サイクリングをやっているのに、わざわざつらい行路と、娘を連れて行くなんて暴挙をしていいのだろうか?

 以前娘を連れて行ったとき、河口湖から西湖、精進湖を走った。ここでつらいのは2箇所だ。ひとつは河口湖から西湖への急坂上り。もうひとつは西湖から精進湖までの上ってさらに急下りである。今回はそこに本栖湖が加わる。精進湖から本栖湖も結構な下りだ。帰りが死んでしまいそう・・・。

 さてどんな結果になったか? それはこの次に書いてみよう。





■■■ その2 ■■■

 山中湖に行くのは好きである。なぜなら信号がほとんどない「道志街道」で快適なドライブを楽しめるからである。5月号半の土曜日の道志街道は、クルマも少なくまさに貸切のようだ。そして山中湖(旭日丘)についたのは7時過ぎであった。都会とは違う早朝の爽やかさがうれしく気分が高まるのであった。

 さて自転車を組み立て、タイヤに空気を入れようとしたら、あれれれ?空気が入らない。数年前の本栖湖でバルブの虫が破損していて、輪ゴムで応急手当をしたのが思い出された。が、その教訓のもとバッチリと対策してある。つまり「虫」の予備を持ってきているのである。

 走り始めた山中湖は快適以外の言葉が見つからない。特に新しく整備された湖北側の道は路面状態が良く快適に拍車をかけるのだが、さらに富士山が目の前にドドーンと見えるのは最高であった。山中湖から見える富士山は左側に宝永山の出っ張りが見えてちょっと形的によくない。そんな朝の静かな時間に「ドーン!」と自衛隊の砲弾演習が見えた。ちゃんと黒い煙が上がっていて、ちょっと怖いくらいである。




 快適な山中湖をあとに、河口湖へ向かう。車でしか通ったことが無いのだが、気持ち的には「山中湖-街(浅間神社)」が4kmくらい、街に入ってから河口湖までが2kmくらいなのである。そし街に入る直前に少し下だりになる・・・イメージなのだが。そしてこの後、イメージというものは結構いいかげんであることがよく分かった。それは後ほど。

 山中湖から河口湖までは前半と後半に分けられる。前半は直線道路で林の中を快適に走れる。しかし富士五湖有料道路の分岐を過ぎたとき、道横にある物体が見えた。いやぁ〜な感じだった。そう、動物が轢かれていたのだった。我が家のそばでも、荒川サイクリングでもよく見るのは「たぬき」である。しかし今回はたぬきなんてもんじゃなかった。「鹿」である。その具合から轢かれてそれほど時間が経っていない感じだ。鹿さん天国で安らかにね。写真はあえて控えよう。

 そしてここを過ぎたあたりからあることに気がついた。「走るの楽じゃん」である。それがなにを意味するか。そう、下り坂なのである。えっ?このあたりからもう下り坂なの?と驚いた。車で走っているとそんな感覚は全く無かった。この下り坂がなにを意味するかと言うと、「帰りは地獄」である。その帰りの話はまた後で。そしてこのくだりはどんどん急になってくる。ブレーキをかけないと厳しいくらいにスピードが出る。スピード上昇とあわせて帰りの憂鬱度も上がっていく。しかし自転車で走ると、車でピューっと走るのとは違って、周辺にあるものやら標識やら看板やらバス停やら、あれこれ観察できて結構楽しい。これぞゆっくりサイクリングの醍醐味である。ばっちり決め手走っている人も多いが、周りを楽しむ余裕などなさそうであるからねぇ。




 富士吉田の街に入ると、道が雑然としてくる。まず「まともな歩道」が無い。かといって娘をバリバリの車道を走らせるのも抵抗がある。しょうがないので、がたがたしてアップダウンが激しい歩道はサイクリングの爽やかさをスポイルする。なのでサイクリングは川沿いか田舎道に限ると思う。街道のサイクリングは車から見ると非常にうざったいしね。ばっちり決めていても、結構車道にはみ出す輩が多いのだ。




 そして8時30分、約1時間で河口湖到着。恐ろしいことにここまででまともな上り坂が無かった。基本的にずーっと下り。ああ、やっぱり帰りが憂鬱だ。





■■■ その3 ■■■

 河口湖。我が家の定番サイクリングスポットである。一周20km程度で楽なのと、やっぱり富士山がドドーンと見えるのがいい。左側の裾野を含めた形がすこぶるきれいだ。それに暑くも無く寒くも無く、サイクリングには1年で一番いい時期だと実感できるのだ。




 河口湖は相変わらず釣り人の天国である。そこら中に釣り人がいる。そして今回もうひとつ発見。外人が多い。外人といってもやかましいアジア系ではなく、欧米系の外人が多いのだ。湖畔の北東部にはそれこそ海外の避暑地か、というほどであった。金髪で背が高くて顔がめちゃくちゃ小さくてすごく美人なな人がいると思えば、いかにもアメリカンなファットな親子がいたりして面白い。そして河口湖の北西エリアは相変わらず、静か〜でいい感じだ。




 さて河口湖を半分行った西の端からは、西湖に向かう峠越えがある。これがまたヘビーだ。前に娘とこの峠越えをしたときは、クネクネ道をショートカットするべく、すごい山の中を行ったのだったが、今回はおとなしくクネクネ道を自転車引き引き上っていく。峠のトンネルに着いたときは、爽やかなんて吹き飛んで二人とももう汗だくであった。








 そして西湖の北側を走るが、河口湖に比べ西湖はえらく綺麗だ。水が青い。湖畔には民家は無く、あるのはちょっとした民宿やキャンプ場のみ。やはり人がいないのがいいのかもしれない。そしてあっという間に西湖の西端に到着だ。この西湖の西端には駐車場があるのだが、ここで懐かしい車を見つけた。それはセリカ。皆さんは既にご存知かと思うが、私もセリカを2世代乗り継いだ。特にいわゆる「流面型セリカ」とか「私をスキーに連れてってのセリカ」と呼ばれる、ST162/165系である。私はGT-Rであったが、ここで見つけたのはGT-FOUR。色も同じガンメタ。ああ、なんだかすごくうれしい、どんな人が乗っているのだろうか? 






 実は今乗っているミニバンも、家族の手前いつまでも2ドア車に載っているわけにもいかず、という理由で本意ではなく乗っている車だ。心は「セリカよかったよな〜、かっこよかったし。今でも絶対ST162だよなぁ〜」であった。しかし目の前に止まっているGT-FOURを見て、自分の中でセリカがいかに「美化」されているのかが分かった。ぱっと見「古い」のである。なぜか古い。今までそんな風に思えたことは無かった。昔付き合っていて分かれた彼女の写真を10年ぶりに見たら、あれ?なんでこんなに熱上げていたんだっけ?(適切な表現じゃないなぁ)と思ったのに似ている。いや違う。日本映画チャンネルでホイチョイプロダクション系のトレンディー系映画を見たとき、なんじゃこの洋服は?とかなんじゃこの髪型はとか、の方が適切だね。

 さて休みもほどほどにして、西湖から精進湖に向かおう。西湖西端からは樹海の中、新緑の登りである。でもここは自転車から降りずに登りきった。「前にここ走った時ヘビ死んでたんだよね」と娘と思い出話が弾む。すぐさま芝生が綺麗な野鳥の森公園で休みたい衝動を押さえ、更に上る。そして国道139に出た。さあここからは下りの楽チンサイクリングだ。しかし片道切符で走る以外、「楽」=「後で死」である。素直に喜べないのである。特に精進湖手前の急坂下りは「このブレーキを消費しているエネルギーは絶対上りの時に利用したい!」と思うのであった。








 続く精進湖。ここは富士五湖の中でも一番影が薄い。私の中で精進湖は以下の二つの点で思い出があるだけだ。ひとつはウルトラセブンの撮影ポイントを確認できたこと。もうひとつは30年くらい前に凍結した精進湖の上を歩いたことだ。精進湖は小さいが湖岸が複雑でそれなりに絵になる感じがする。走っていたらカメラマンが崖に這いつくばって写真を撮っていたので、そんな余裕がない私は彼らの上の道路から写真を撮った。








 さすがに1年で一番いい時期であって、バイクの大群が多い。鹿カレーを食べているのだろうなぁ。そして小さい湖なのですぐさま周回を終えた。



 さあ、本栖湖に行こう。






■■■ その4 ■■■

 精進湖から139号に戻ると、なにやら道が渋滞している。内回りも外回りも両方とも渋滞なのだ。なんでこんなところで渋滞? と思いながら進む。そして今までなんとなく気がついていたことだが、あることがはっきり分かった。休日の139号はスポーツカーのオンパレードだということ。あれこれ珍しいスポーツカーをたくさん見ることが出来た。なかなか写真に収めるのは難しいのであるが、ケータハムスーパーセブンとNSXは写せたぞ。






 精進湖から本栖湖への道は、車で走ると下りが続き「ここを自転車で走ったらいやだなぁ」と思っていた。しかし実際に自転車で走ってみると、精進湖から少し上り、また下るがどちらもそれほどきつい昇降ではなさそうだ。人間の感覚なんて結構いい加減って事が、またまた実感できた。

 さて本栖湖への入り口で渋滞の要因が分かった。「富士山芝桜祭り」なんてのをやっているんだ。さすがに高原なので、最盛期が1ヶ月弱遅いんだな。




 本栖湖はもう何度も周回を走っている。娘ともこれで4度目だ。なので、勝手知ったるわが道という感じですいすい進む。人間って不思議なもので、初めての道はえらく遠く感じるのだが、知った道は短く感じる。最近思うのだが、私は工学部に進んだが今なら心理学を学びたい。人間の不思議を理解したいと思う。今からでも遅くないかもしれないなぁ。

 という心理の元、あっという間に展望台に到着だ。展望台から見る本栖湖は西湖以上に水が綺麗である。エーゲ海の海の色っていう感じである。最後のまとめで書こうと思ったが、透明度という尺度がある。山中湖は3.7m、河口湖は4.2m、西湖はやっぱり綺麗で6.9m、それに比べて本栖湖はダントツで12.7mである。この綺麗な「水」を見ているだけでも本栖湖に来る価値があるだろう。それを1周しちゃうなんて、なんて贅沢かとも思う。




 展望台についたのだが、毎回本栖湖の展望台では富士山が隠れてしまう。そして今回もちょうど雲に隠れてしまった。娘は毎回1000円札の富士山写真を撮りたがっているのだが、今回も願いかなわなかった。スタートから55.99km。帰りはもっと少ない距離の予定である。






 ちなみに今回は特にマップの必要は無いのだが、とりあえず5.2インチのisaiを持ち込んでみた。結構電池も持つし大画面でいい感じだ。フル契約のsimカードもささっててバッチグー。




 展望台を過ぎると本栖湖で一番湖畔に近いところを走る。やっぱり人間の心理として「水をちゃぷちゃぷしたい」のである。人間の深層心理は「水」と切っても切り離せない根源的な何かがあることは明白だ。なので、ちゃぷちゃぷしてたら、ライダーも引きづられてやってきた。






 さらに進んで本栖湖の一番奥にある浜でなにやらスピーカーから大音響が流れている。道路に路駐がいっぱい、ああウインドサーフィンの大会をやっている。ちょうどこの時間あたりから風が強くなってきた。ウインドサーフィンかかっこよく滑走していく。これを見て、いてもたってもいられなくなったのは「ああ、写真撮りたい」である。綺麗な青い水の波しぶきを立てながら滑空するウインドサーフィンを超望遠でばっりち決め手みたい。ああ撮りたい撮りたい。調べたら6月にも本栖湖で大会があるようなので、再チャレンジするぞ!








 本栖湖の後半西側は森の中を走る。夏だとほてった体をヒンヤリと冷やしてくれる。しかし木陰に見える綺麗な水をどうしてもまた触ってみたく、下りれそうなところに自転車を止めて湖畔まで下りていくと、ここはなにやら枯れ木が多い。なぜだろう?増水のときに木が死んだのか?それとも人為的に木を切ったのか?不思議である。






 本栖湖一周を終えた頃、娘が「お腹すいた」という。そういえばもう13時だ。体は正直だ。湖畔の入り口にある「ほうとううどん屋」が2件並んでいるが、左側は前に入ったし混んでいる。よし右に入ろう。とこれが大失敗であった。





■■■ その5 ■■■

 かみさんに言われていること。「若い娘を連れて歩くんだから、やすっぽい食事で済ませちゃダメだよ」と。私の性格を見抜いている。かつやカツ丼とか丸山製麺うどんとかいっちゃう性格であるが、それはダメらしい。というか、本栖湖にそんなの無いじゃん。

 ということで、本栖湖入り口の「ほうとう」屋に入ろう。娘もほうとう食べたいと言っている。そのほうとう屋が2件並んでいた。左はちょっとだけ格式ありそうであるが前に入ったことがあるし、まず駐車場が車だらけである。では右側は?というと、ちょっとした食堂チックが趣きで、車もそれほど止まっていない。がチャリ軍団の方々が大挙して座敷にいた。まあいいか。まず入ってテーブルに着くが、まず飲み物もメニューもぜんぜん持ってこない。チャリ軍団対応で忙しそうだが、放置プレイはいただけない。入ってきた人たちに「今日は麺類が出来ないので、麺を食べたければ隣の店にどうぞ」という対応にはちょっと絶句だった。いくら待っても注文さえ聞きに来ないので、こちらから厨房に「ほうとう二つください」と言ったが時間がかかるという。「どのくらいですか?」と聞くとちょっと待った後に「わかりました」という。何が分かったのだろう?

 結局チャリ軍団は鹿の肉カレーを頼んだ人が多くてそれにかかりっきりだったみたいだが、ほうとうは大きななべでちょっと煮て、あとはテーブルでポケットコンロで煮るというスタイル。ほうとうも固くていくら固いもの好きの私もちょっと参った。柔らか好きの娘はもっと参った。さすがに娘も「この店ぜんぜんダメだね」という始末。いい立地にあぐらをかいている感じだな。




 ほうとう屋で待っていると気になってくるのが「時間」である。7時半に山中湖を出て、本栖湖の入り口が11時半。なんだかんだで4時間である。途中トイレ休憩2回、おにぎり食べるので5分、結構走りづめだ。14時に本栖湖を出たとして、多少走行距離は短いかもしれないが、同じ4時間かかるとすると、山中湖着は18時。ぎりぎりだな。精進湖からの超ロングな上りと、河口湖から山中湖までの上りを考えたらちょっとクラクラ来る。

 本栖湖を出たとき、結構な風が吹いていた。こりゃぁ風の向きによっては帰りは地獄だな、とちょっとげんなりした。本栖湖から精進湖は途中にかすかな峠があるくらいで、楽勝で自転車で上り下りできる。これはいいい思い違いだった。そして山と樹海の間を抜けているので、風をガードしてくれる。よしよし。

 そして15分で精進湖南側出口を過ぎて2分で北側入り口を過ぎて、続くは最大の難関、長坂上りである。景色は最高だが、そんな余裕は無い。私は変速で一番軽くしているが、娘の折りたたみは私の3速相当くらいなので、結構大変だろう。だが、彼女は止まることなく上りきった。若いってすばらしい。上りきったら、だら上りなのでちょっと楽。そして139から西湖入り口までは楽勝な下りである。そして西湖こうもり穴がめちゃくちゃ空いているのを横目に、進むがこの頃から強風が吹き荒れた。やばいなぁ、と思ったのだが実はやばくなくて「いいねぇ」である。だって「追い風」。






 西湖を後にすると、あとはブレーキが心配なくらいの下り坂だ。あっという間に河口湖西端。河口湖に出ると「ああ帰ってきたなぁ」と思うくらい走りこんでいるのである。そしていつもの道の駅「かつやま」で休んで、出発しようとしたそのせつな、マイクロバス3台が目の前を横切っていった。なにやら怪しげなマイクロバスである。2台目のバスでは助手席で前のバスを写しているカメラマンがいた。やっぱり怪しい・・・





■■■ その6 ■■■

 そう思ったときは結構そうなる。

 怪しいバスを追いかけるほど自転車は早くなく、サクッと忘れて河口湖南側のクネクネ道を進む。河口湖の南側はどうも楽しくない。義務的に走るだけである。そんな義務走行で5分ほど走ったら、左の湖岸になにやらちょっとした人ごみを見つけた。

「あっ、岡村だ」

 そうナインティーナインの岡村がいた。やっぱ小さい。「そう思った」のは当たっていてやっぱりロケだったようだ。周りには撮影スタッフが大挙している。撮影ってあんなに大規模何だね。人いすぎ。あっ、さまーずだ。淳だ。そして日村もいる。総勢5名の芸人が河口湖で強風のなかボートに乗ろうとしているのであった。さてどういう番組なんだろう?写真を撮りたいがどうせカメラを向けるとスタッフに怒られる。しかし毎回思うがこれはどうかと思う。いてはいけないところにいて盗み撮りしているならまだしも、公道にいるんだから自由だろ、と言いたい。

 さらに走ると、1年前に陸続きだった「六角堂」がちゃんと湖面に収まっている。昨年の写真と並べてみよう。






 河口湖を走り終えると、あとは上りだけである。しかし行きの道とは違った道を選んだ。側道が貧弱な国道139ではなく、1本北側の生活道路を走った。富士急ハイランドの「ええじゃないか」を横目に自転車はサクサク進むのだ。ここで街中でいいルートを選ぶのに、自転車に取り付けたスマホマップが活躍した。しかしスマホって便利だねぇ。ちょっと前まで考えられなかったようなことができちゃうんだからねぇ。折り返しの富士山駅が見えるローカルな踏み切りは人/自転車専用だ。




 なんていいながらも、富士山に向かっていく方向になると、一転上り坂になってさすがの娘も自転車から降りざるを得なくなった。でも自転車を引きながらだったら会話も出来て、それはそれで楽しいものがある。それに幸いまだ「暑い」時期でもない。そしてやっとこさ国道139に出た。でも凍らせて持ってきたお茶も底をつき、コンビニのお世話になるのだが、本当は自転車ではいけない「ビール」などでエネルギー補給である。




 充電後は体力回復でサクサク・・・と思いきや、やはりまだまだ上りが続き自転車に乗れない。結局3kmほどは自転車を引く羽目になった。最後の大ハードルである。ゆっくり走れば看板も撮れる。やっぱり鹿さんの被害は多いのね。朝方見たご臨終な鹿さんは片付けられていて滑り止めの石灰がまかれていた。






 やっとのことで上り坂を終えると後はくだりと平地だけである。山中湖の南側は歩道も無い自転車では走りにくいエリアなのだが、どうやらここもサイクリングロードが整備されるようだ。これで観光客が増えれば御の字だろう。早く工事完了して欲しいぞ。




 翌日は山中湖のマラソン大会なようだ。すでに前日から山中湖入りして練習に余念が無いランナーがたくさんいる。




 旭が丘の駐車場に戻ってきたのが、17:20である。スタートが朝の7:30だから10時間のサイクリングであった。この達成感を父娘でかみ締めながら、車で快適な道志道を帰ってきた。帰り道ではクイーンを聴きまくった。娘を相手にクイーンの曲に関して、熱く熱く語ってしまった。なんかめちゃくちゃ充実した時間だった。

 またいこう!