ネクタイ革靴スーツでゴロゴロカートを引いて行ったところ・・・
久しぶりに飛行機に乗って出張に行った。泊まりかつ飛行機なんて何10年ぶりだろう。去年岡山に出張したときは新幹線だった。しかし今回の「神戸」は飛行機で往復2万円!なんていう驚きの価格で行けちゃうのだ。実はとある理由で新幹線にしたかったのだが、この価格差を覆す理由も根性も度胸もないので、おとなしく飛行機に乗った。
飛行機予約は別な方がまとめてやってくれたのだが、旅行部は気を利かせて通路側を取ってくれちゃったりするのである。やはり旅慣れた人は通路側の方が降りるの早いしトイレも気軽に行けるし、っていうのがあるのだろう。しかし欧州まで飛んでもカナダまで飛んでも無トイレで行ける私であるから、窓側はなんのハンデもないのだ。そして地図好きであるからして、空から見る地形が地図通りなのを見て興奮するのである。
神戸空港はスカイマークでもっているようなもの、と誰かが言っていた。そのスカイマークってのに初めてというか、LCC自体初めて乗った。いやぁ、簡素なサービス、余計なものが一切ない快適さっていいなぁ、と思った。心なしか座席前後ピッチも広いような気がした。もしかしたら体が小さくなっているのかもしれない(うそうそ)。
GPSトラッキングマニアであるからして、当然飛行機がどんなコースを飛んだかトラッキングしていたのであるが、飛び始めてすぐに位置計算が不能になった。なぜだろう?飛行機の中だからか?それともあまりにもスピードが速いんで位置計算というか衛星補足ができなかったか。
飛び立った飛行機、旋回する時に窓から見えるダイナミックな景観が好きだ。今回は羽田沖の滑走路まで飛行機がタイヤでノロノロと走りそして飛び立ったが、西の方向に旋回する時、景色が斜めになり窓から入ってくる太陽光の角度がダイナミックに変わるのがいい。窓からは富士山が見えなかったようだが、かすかにトラッキングできたラインを見てみるとなんと富士山の真上を通過していた。
さて今回の出張何ぶん荷物が多い。たかだか一泊の出張なのになぜこれほど前に荷物が多いのだ >俺。と自問したら、「あっ、そうだった。木金の出張だから自費一泊追加で土曜も神戸なんだった。だからカメラとかの機材が多いんだな。」と分かった。そう、金曜にかかる出張はこういうギミックが使えるのである。機材だけならそれほど大荷物にはならないが、さすがに土曜日にネクタイスーツ革靴で土曜日に歩き回るのも嫌なんで、洋服類一式も持ち込んだ。D600とD300、10-18フィッシュアイ、10-20広角、70-200、x1.4テレコン、それに一脚なんてのを持ち込むと、結構な重量になる。スカイマークのHPを見ると機内持ち込みは10kg/1個までとある。でも今14kg。しょうがないから、手荷物検査のときだけ仕事用の鞄に重いレンズとカメラを入れ替えた。が、が、が、実際セキュリティーチェックでは重さなんて測っていないし、結構大きめのバッグだって2個目のカウントしてないし。帰りなんて、ゴロゴロカートに、大きなリュックに、お土産の大きな紙袋だったが、まったく問題なかったし。俺のこの小心者癖はやっぱり一級品だなぁ、と思わずにはいられないのである。
そのスカイマーク、実は預け入れ荷物であれば、自転車だって無料で運べちゃうくらいの大判ふるまいだった。これはいい。今度折り畳みチャリ持ち込んでみようかなぁ。なんか夢広がるなぁ〜
では、なんでこんな物量で挑んだかといえば、それは「伊丹空港」なのである。最近新い被写体を撮ってみたくて、ネットをいろいろと徘徊していたら、伊丹空港の夜景に心を奪われた。そして前から何となく聞いていた「伊丹空港横の千里川土手は日本で一番の迫力飛行機観賞エリア」ってこともあった。こんな写真撮ってみたい!という動機が最高潮まで達していた。そしてそのタイミングで神戸出張、行くしかないでしょ。伊丹空港は大阪からはすぐであるけど、意外にも神戸からもすぐである。というか大阪と神戸って東京と横浜みたいな距離感であるのであった。勘所が全く働かないなぁ。
つづく
ネクタイ革靴スーツでゴロゴロカートを引いて行ったところ(ホテルに泊まってやることは)
さて、神戸までなんて飛行機ならわずか1時間である。あっという間についちゃうのであって、実は北関東あたりに出張するよりもよっぽど近い感じだ。恐るべし飛行機!
空港からはポートライナーなるいわゆる東京でいうゆりかもめに乗って三宮まで行く。この後神戸を知り尽くすのであるが、三宮は東京でいう新宿かな。っていうかここ以外に大きなところはない!って感じだ。すべてがここ中心って感じ。三宮からなんちゃら線で30分ばかりで目的地へ到着。すごい会社ですごい設備でマジで圧倒された。っていうかこういう会社って本当にあるんだな・・・ネットやテレビで見る世界って実際あるんだな・・・と思った。まあうちの会社じゃ無理だね。
その夜、実は何もなければひそかに1時間半かけて伊丹空港まで行ってみようと思っていた。が、懇親会やろうということになって、それはそれで楽しい時間を過ごせた。やっぱり初めての人と交流するのはいつでもエキサイティングで楽しい。話のネタには「無駄に趣味が多い」のも役に立つのである。
私はどこかに泊まると、早朝にホテル周辺を散歩するのが好きだ。知らない街を歩ける機会なんてそうそうない。寝ている場合じゃない。と、朝5時30分にアラームをセットして起きたのだが、いつまでたっても明るくならない。ん?今日はめちゃくちゃ天気悪いのかもしかして日食なのか?と思ったが、実は東京より西な神戸は当然日の出が遅いのである。こういう「小学校の理科」で習うことも、実際に体験すると自分のものとして理解できるぞ。やっぱり体験ってのは大事だ。若者にもっといろいろ体験させたいね。
結局6時15分に何となく白み始めた空を見てホテルを出た。地図で見ると神戸西側には「そばかすか?」というくらいの無数の池?湖?がある。そこを少しでも見てこようというのが目的となった。時間は2時間、結構時間に追われながら歩くが、ホテルからちょっと歩くと河岸段丘の超下り坂であって、そこは超田舎エリアであった。
「田舎」という言葉はさげすむ言葉と勘違いしている人が多いが、それは全く違う。「田舎」とはいい日本を体現している場所である。朝は焼き魚のにおいがする。モノを燃やす煙の臭いがいい。我が家も小さいころは家の前でごみを燃してガサを減らしてごみに出していたが、今はダイオキシン問題でダメになった。しかしこの煙の匂いっていいんだよなぁ。田舎に行くとこの匂いをまだまだ嗅げるのである。そして田舎の空は広い。目の前に遮るものがない。空ってこんなに広かったんだ、と感じないわけにはいかない。ああ田舎に住みたい。
しかしこんな田んぼの中の田舎集落に日の出前に歩いているよそ者ってのは、相当違和感があっただろう。こちらから挨拶してもなかなか応えてもらえない現実に直面した。
さて一つ目の池に着いたのはちょうど7時、日の出の時間だった。いいね。大きく開けたところに上る朝日。朝日に手を合わせるおばあちゃんの心境がちょっとわかった。さて、一つ目の池は藪にアクセスを阻まれ調査不能、二つ目の池(調整池になっていた)は干上がっていた。そして三つ目の調整池はいい感じで、遠くにある朽ちた枝にカワセミがダブった(いなかったけど)。そしてさらに奥に入った4つ目の池はもっとカワセミがダブった。そしてこれ以上奥地に行くと仕事に間に合わない、と一応弱いビジネスマン魂がホテルへの帰路に向かわせた。
ホテルそばには高校があるのだが、ちょうど登校時間で高校生がたくさん歩いてくるのだが、おもしろいのは女子学生のスカートがみんなひざ下ってこと。前日の懇親会で千葉出身の若い女性が、散々神戸の女子高生のスカートは・・・と言っていたのが分かった。ちなみにその方の言葉を借りれば、東に行くにしたがってスカートの丈が短くなって、静岡あたりだと東京と同じだそうだ。
あれ?散歩だけで終わってしまったぞ。
つづく
ネクタイ革靴スーツでゴロゴロカートを引いて行ったところ(衝撃の出会い)
充実した出張であった。やはり外に出て社外の人と話をしないと、人間大きくなれないと改めて思った。
さて出張メンバーの飛行機の時間を考慮して、17時半に業務終了。駅がすぐなので、17時40分の電車に乗った。当然向かうは伊丹空港の夜でしょ。でもここで悩ましいのが、タイトルにもなっているこのままスーツで行くか、ホテルに一度チェックインして軽装で行くか?である。偶然にも予約したホテルが帰りの路線の真上であった。ホテル近辺駅で降りてチェックインして着替えて機材入れ替えて駅に戻って・・・で45分かなぁ。今のままだと予定では伊丹空港に19時過ぎに着くのだが、ホテルに寄り道すると20時前かあ。飛行機何時まで飛んでいるんだろう? 早く長く伊丹千里川で写真撮りたい、でもスーツネクタイ革靴、かつゴロゴロカート引いてどんな道を歩くんだ? 悩んだ。
悩んだ。が、優先されるのは一刻も早く千里川に着くことである。そのためにはスーツだって革靴だってゴロゴロカートだって気合で何とでもなる!と「男」ならぬ「漢」になることにした。
伊丹空港千里川ポイントは宝塚線の「曽根」駅で降りるのが一番近い。駅から現場までは1.7qである。楽勝だ。三宮からハブ駅である十三駅まで行って、宝塚線に乗り換えて4つ目の駅である。しかしよくよく地図を見てみると、十三駅の二つ手前の「園田駅」からも歩けそうだ。但し2.8km。別に1km余分に歩くだけじゃん、楽勝だぜ、と園田駅で降りることにした。慣れない阪急電車で緊張しながら園田駅に到着。時間は18時40分。
ここからはゴロゴロとうるさい音を奏でながら住宅地を歩いていく。手にはスマホでGoogleMapsで道案内である。しかしゴロゴロは滑らかな路面ならいいのであるが、少しでも悪い路面になると音はでかいは負荷は増えるはでへこたれそうになる。さらにモザイク状のおしゃれなタイル路面もゴロゴロ音を拡大させる。しかし途中から低空で飛ぶ飛行機が見え始めると、頭の中ではサンダーバードの音楽がガンガン流れている。そして橋を渡ると真っ暗な川土手を歩くが怖くないぞ。飛行機が待っている。
そして40分歩いて現地に到着。す・ご・い!
飛行機が迫ってくる。すごく低い。ああぁ〜〜〜俺は飛行機に轢かれて死ぬぅ〜〜〜死ぬぅ〜〜〜死ぬぅ〜〜〜とマジで3回叫んだ。金曜の夜ってのもあって、人が少ない。10人もいない感じ。もっと何10人もいるのかと思った。しかし寒いのであるが、気持ちが高ぶっていて、寒さを感じない。人間というのは面白いものだ。19時台でも飛行機がガンガンやってくる。暗いから次に控えている飛行機がたくさんいるのが分かる。
そして頭上をかすめる迫力ともう一つ、飛行機が通り過ぎてから何やらこの世のものとは思えない「音」が聞こえる。いつも聞こえるわけではない。いくつかの条件が重なると空気の乱気流で音が鳴るのであろうが、まじで不気味な音である。残念ながら録音するのを忘れてしまったが、次回があればぜひとも録音にチャレンジしたい。
そんなこんなしていてたら、なにか川の対岸でごにょごにょしゃべっている女性?(もしかしたら若い男性?)がいた。何かしゃべっている。どうやら飛行機の情報をしゃべっているようだ。そして後から知ったのだが、この方が名物オバサンらしい。なにやらテレビにも取り上げられたくらいの有名人とのことだ。よくよく聞いてたら、次にくる飛行機が大きいよとか、風に注意とか、スターウォーズ機だから頑張って撮ってねとか、プロペラ機がこっちの滑走路に来るときは少ないので見ものだとか、プロペラ機は夜だと羽根が美しいだとか、その後千里川には何度か行って、毎回いるオバサンに病み付きになりそうだ。
それにしても飛行場の誘導灯はきれいである。これが上手く撮影できているか?否。現地で見るといけてるように見えたが、家できちんとみたらダメダメであった。でも課題も見えてきた、現場感もつかめた。次回はもっといい写真が撮れるだろう・・・撮れるはず・・・撮れるといいなぁ・・・
そして20時半に千里川を後にした。一度来た道を戻るのは楽勝である。道中も短く感じる。何にもまして、車道の端がきれいなコンクリート板だったので、ゴロゴロがコロコロサーぐらいに軽減された。そして園田駅に戻ったのは21時ちょうど。帰りは30分の道中であった。一度歩いた道は勘所が働くのか、短く感じる。これくらいで済むなら楽勝だね!
つづく
さて、怒涛の飛行に充実感満載でにんまりしながら初めての土地、初めての電車を乗り継いで三宮に戻り、ホテルまでの二駅を歩くか電車か迷ったが、ゴロゴロだったので電車にした。歩いても大したことなかったし、歩くの好きだし今となってみれば歩けばよかったと思う。
ホテルは5,000円だった。前日のホテルに比べて格段にしょぼいが、まあシャワー浴びて寝るだけなので、文句は言えない。そしてまだ夕食を食べていないので、街へ繰り出した。しかし食べるところが全然ない。歩いているうちにJR神戸駅にたどり着いてしまった。ん?これが神戸と名のつくJRの駅?というくらい、普通の駅だった。ちなみに兵庫って駅も近くにあるけど、普通なんだろうなぁ。
そして駅そばで見つけたスーパーでビールとチューハイとパンとお菓子を仕入れ、戻るところにあったラーメン屋で腹を満たしホテルに戻った。ホテルでお菓子食べながらビール飲むのはなんか至福の時間だなぁ、と思わずにはいられない。
さて翌朝。なんとなく早朝散歩って感じでもなかったので、早めにホテルを出て三宮まで歩くことにした。知らない街を歩くのはやっぱり楽しいね。まずはJR神戸駅まで行き、駅を越え、三宮の方面に足を進めたら「元町」商店街というアーケードに出くわした。神戸の元町はちょっと有名らしい。でも横浜にも元町がある。元町って港につく定番の名前なのか?それとも横浜に対抗心を燃やした神戸が同じ名前を付けたのか?はたまたその逆なのか?ググればすぐわかるだろうが、知らないでいることもそれはそれで楽しいのでそのままにしておこう。
また9時過ぎのアーケードは人もまばらであるが、なんとなく趣がある。というか、自分がそう感じようとしているのが分かる。尾道の駅前アーケードと何となく似ている感じがした。しかしアーケード内のタイル地はゴロゴロにいい共振を与えてくれて、結果、めちゃくちゃうるさいゴロゴロになった。しかし場所によっては歩道を車道の境目がほんとに段差なくつながっているところが多い。これは助かる。っていうか、なんで段差ついているんだろうね?
アーケード途中に中華街入口ってのがあった。そうそう、神戸にも中華街があるのだ。なんでここまで横浜と同じなんだろう?っていうか、横浜が同じなのかもしれないが。しかし飾られているメニューがそそる。じゅるじゅるしながら元町を後にした。
そして三宮駅西側に到着。三宮はたくさんの路線が合流するハブ駅であるからして、ガード下がたくさんある。そしてそのガード下がえらく「味」がある。ここによる来たら、どこで飲むか迷っちゃうなぁ・・・と思わずにはいられない。
さてと、土曜の午前。いきなり1日伊丹空港ってのもないから、ちょっと神戸を歩いてみよう。でもどこを歩こう?と街マップの前で10分思案した。
よし「異人館エリア」に行こう!
つづく
異人館。なんかノストラジーな響きである。異人館。なんかメイドがいそうである。異人館。「異人」なんて言葉をつけられたらいやだろうなぁ、異人だよ異人。異星人とあまり変わらないじゃん。なんて考えながら三宮からだらだら坂を上がっていく。
そして異人館街の端っこあたりから「やっぱり電線がない街はいい」と、最近の持論である「日本全国自転車路側帯と電柱排除”党”」で立候補したら勝てるんじゃない?を改めて感じた。しかしいい感じになるに従ってそこは中国であった。いるのはほとんど中国人である。まあそこらじゅうで言われてるように、奥ゆかしさが全くないというか、うるさすぎる。さすがに路上でおしっこしてる子供はいなかったが、なんだかあまりその空間を楽しむ気にはなれなかった。
歩いているうちに「北野ガラス館」なるお店?を発見。まあ時間もあるのでちょっと足を踏み入れた。そこはガラス細工のお店であった。、まあそこで作っているのではなく、単なる観光地のショップであった。しかしガラス商品が面白い。お土産に買って帰りたくなる。で、悩んだ挙句買って帰った。なぜ悩む?かといえば、今買うと1日中持ち歩かなければならないからである。隙間がないリュックにうどう入れよう?と。まあ隙間なんて何とかなったけど・・・。
しかしガラスといえば小樽の北一硝子である。もうかれこれ25年前かなぁ?北海道旅行したとき小樽はまだまだ観光地だった。しかしこの前見た「ダッシュ」で小樽の観光度が激下がりしているらしい。栄枯盛衰と盛者必衰は好きな言葉である。
ちなみに高校時代、物理大好きだった私は当然のごとく文系科目はヘロヘロであった。そのヘロヘロの中で唯一今でも暗唱できるのがこれである。
祗園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、
唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、
偏に風の前の塵に同じ。
若いころに暗記したものって忘れない。これ子供に口を酸っぱく言っても分かってもらえないんだよねぇ。まあ親の言うことをハイハイ聞く子供なんてそうそうそういないし、っていうか自分もそうだったし。
さて、異人館街は異人館よりも「街」散歩がいい。この付近は雰囲気のいい家がたくさんある。例えば鎌倉の材木座あたりって感じ。でも材木座を全く違うのが、もう完全に山の入口って感じで、急坂ばかりということだ。車で来る人はそこらじゅうで大変な思いをしていた。
それほど感動もなく異人館街を後にし、どこに行くか所在なさげに歩いていたら、新神戸駅に着いた。「新」神戸。新幹線の駅ってほとんど「新」何チャラなんだね。新大阪、新横浜。さてそろそろいいかな、と三宮駅に戻る途中、ちょっと脇道にそれたら、あららこれは味があるっていう、昭和の香りがバンバンするさびれたアーケードに出くわした。なんか小さい頃ってこういうところばかりだったよなぁ・・・スーパーっていうじゃなくて、小さな店が集まった商店街の小ぶりなアーケードって感じ?懐かしさで心は保育園生になっていた。
つづく
三宮駅はカオスである。阪急と阪神がよくわからない。前の日に乗ったのがどっちだったのか?梅田行き?難波行き?大阪=梅田?なの?と。「阪」ってのが大阪なんだろうけど、よくよく考えたら、京急と京王とて似てるといえば似ている。まあ、慣れているかどうかだけの違いなのであった。
結局乗ったのは阪急なのである。前日と違ってお昼の阪急はのんびりしてた。階段を上がりホームについたらそこが先頭車両のすぐ近くだったので、先頭車両に乗車した。当然座れた。
さて発車して気が付いたこと。阪急電車ってサービスいいじゃんってことである。サービスとは先頭車掌の先頭部分がとっても窓だらけってことである。つまり線路が丸見えで運転席が丸見えで前の景観が丸見えってことである。鉄っちゃんじゃない私だか、そこでかぶりつきたい衝動に襲われた。
しかし衝動を抑えたのが、先頭車両の運転席を隔てる壁のすぐ横に3人座れる椅子がくっついているってことだ。つまり、かぶりついた場合、そこに座っているお客さんの目の前でかぶりつくことになり、この年のオッサンとしては、ちと、じゃなく、結構、じゃなく、すごく恥ずかしい。しかし、神戸に来るのも最後かもしれないし、ということで最初に急行が泊まる駅で、なとなく降りるそぶりでそのまま「かぶりつきエリア」でかぶりついた。
ここはすごくいい!
電車でGOの何が面白んだ?と、前々から思っていたが、おもしろそうだ。線路の分岐、線路のアップダウン、駅の通過、これほどクリアな視界で電車運行は見たことがない。はまるな・・・
園田駅到着12時。途中各停に乗り換えて30分弱である。前日に経験しているからもう慣れたもので、もう誰が見てもここの住民と思ってしまうだろう。しゃべらなければ・・・だけど。今回はこれから6時間以上もトイレなしなところで粘る予定であるからして、駅前のスーパーでトイレに行っておこう。それにしてもカートなしでサクサク歩けるのは最高である。それなりに河原土手もいい感じである。
そして、目の前にヒコーキが飛んでいくと、ドキドキしてしまうのである。
つづく
前日の「夜伊丹空港千里川」と違って、昼の千里川土手は何やら味気ない。とはいえ、暗がりに超巨大な機体ではなく、明るさの中の超巨大な機体ってのも別な意味で迫力がありまくるのである。撮影スタイルは、頭上はフィッシュアイで、すぐさま70-200に持ち替えて機体お尻を狙う。が、もうコンマ何妙の世界なのである。改めて分かったのは、カメラを知り尽くしてないとほんの数秒の間に最適なセッティングに変えられないといことだ。特に夜はめちゃくちゃ難しい。
千里川土手は川の空港側と侵入側の二つの撮影ポイントに分けられる。事前情報で侵入側の方が多少高さがあるので、なんとなくそっちで撮影していた。侵入側はどちらかといえばマイナーが側であり、人も少ないのである。現地について撮影を初めて5分くらいした頃、近くで撮影していた人のキャップに「Senna」という刺繍があるのに気がついた。「ああ、セナ好きの人なんだなぁ、話してみようかなぁ?近くにいるのに話しないのも不自然だしなぁ・・・」と、数秒考え、そく実行に移した。我が家の女性陣に言わせると彼女たちは絶対そんなことできない奥手種だそうで、私のこの能力(別に能力なんてもんじゃないと思う、いたって普通のことだよなぁ)は「すごい!」そうだ。
「あの、近くの方ですか?」(こんなんでいいのである)
そしてそこからこの方(Kさん)とは4時間以上話まくって、もう楽しすぎる時間を過ごさせてもらったのだった。Kさんは神戸三宮の硬い企業に勤める方で、家は前の日に乗った電車の途中駅、実家は京都でお母さんが入院しているのである。そしてこの日が退院の予定であり迎えに行ったが、途中で電話したらインフルエンザにかかったので退院できなくなった・・・ので、10年ぶりに伊丹千里川に来たとのことである。土手侵入側というマイナーなポジションで、運命が招いたように出会った不思議。人との出会いは面白いものである。
Kさん、年齢は私とほとんど同じ、F1大好きで87年の鈴鹿から毎年欠かさずリアル観戦継続中、アマチュア無線もやっていて同じようにコールサインは失効している。ビリージョエルが好きで音楽は70年〜80年代が大好き。車は昔からホンダ党でホンダ大好き人間とのことである。
そして何よりも楽しませてくれたのが、Kさんが「リアル関西人」ってことである。
関西人。我々が関西人という言葉で思いつくのは「面白い」「リアクションが派手」「関西弁をしゃべる」「マシンガンのように言葉が出てくる」「おばちゃんはヒョウ柄好き」等々。そしてKさん、まさにこの通りであった。まず何か驚くようなことを私が言うと、毎回体全体を使った派手なリアクションをしてくれる。話の中に絶えず面白いボケを入れてくれる、のである。まさに関西人はエンターテイナーであると思わないわけにはいかないぞ。
結局夕暮れ前にKさんが帰るまで、ずーっと話続けていた。帰りに空港まで送ってくれると言ってもらったが、さすがにそれは大変なのでお断りした。楽しい時間だった。
そして初めての伊丹マジックアワーの成果は、前回掲示した写真くらいでまだまだ修行が足りないと自覚した。今回は21時の神戸空港発なので、時間的に余裕を見て18時半には伊丹千里川土手を後にした。この2日間で千里川はとりあえず理解できた。次回はもっといい写真が撮れるように精進しよう。打てば当たるというんじゃなく、限界条件で撮影するために「頭」を使わなくちゃいけないことが良くわかった。
19時に園田駅、19時半に三宮、キャリーバックをロッカーから出して、20時に空港着。1時間も前に着くのであったが、実は飛行機遅れでさらに30分余計に時間が余った。帰りはお土産も買って荷物まみれになったが、全部機内持ち込みでOKであった。なんだ・・・。そして家そばの駅からは雨ザーザーの中、傘も持たずにずぶ濡れで家まで帰ったのであるが、早くPCで画像見たくて深夜までPCと格闘していた。写真撮る人はこの気持ち、絶対わかってくれると思うね。
ということで、神戸出張で伊丹空港を楽しむ記はこれにて終了である。