■TOP > マクラーレン パドック潜入記

■■■ 第2話【電話が命】 ■■■

 思わぬ幸運をつかんだ俺は

「やっぱスピード違反の”7万円”(どうも違反速度の2倍が罰金額らしい)はめぐりめぐって私のところへ帰ってきてくれたのね、うっふ」
と、先日払い込んだ罰金もすっかり前向きに解釈しているのであった。

 ロックタイトより届いた案内書は、コピー3枚という至ってシンプルなものであり、とくに後半2枚は名古屋ホテルとパーティー会場の地図というものだ。どれどれ、

「土曜の午後3時に名古屋のホテル集合、チェックイン後バスで鈴鹿に向かい、5時30分からレストランのホールで”パーティー”」

とある。

 パーティーで2時間を過ごした後、鈴鹿を離れ再び名古屋に戻る予定だそうだ。なんと、基本的には決勝のみの観戦ツアーだ。もったいないなぁ。でも最後にこんなことが書いてある。おおお??

「金曜のフリー走行、土曜の予戦をご覧いただきたい方は連絡お願いします」

  この案内を受取ったのが木曜の午後という、まさにぎりぎりのタイミングだったがめげずに電話をしてみた。ところがどっこい、スタッフはみんな現地入りしているらしい。親切なロックタイトのお姉さまは
「担当に連絡とって、折り返し電話させていただきます」と、涙ものだ。何でそこまでしてくれるんだぁぁぁ、惚れちゃうぞぉ。しかし、その日は遅くまで会社にいたが、連絡なし。もうあきらめて、「決勝のみだな、それで十分じゃん」と思っていたところ、金曜の夕方というぎりぎりのタイミングで電話がかかってきた。 「当日、現地のグランドスタンド前で○○に電話してください」とのこと。 舞い上がっていたのでそのままOKしたのだが、よくよく考えたら急遽決まったこともあって、俺チケット持ってないのじゃ。グランドスタンドにたどり着けないぞ。メインゲートを通過できないじゃん。

「や・やばい・・・」

 その場で鈴鹿にいる○○さんに電話したら、

「サーキットに着いたらその場で私に電話してください」とのこと。 会えるかどうか不安だった、とっても不安だった。鈴鹿まで行って放浪するんじゃないだろうか?

とりあえず、仕事どころじゃないぞ。はやくかえろっと。



←前の話 ↑ 目次へ 次の話→