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■■■ 第17話【ロックタイトギャル】 ■■■

 じきに時間となって開場となった。

 このパーティーには、代理店とか大口ユーザーとかのいわゆるお客様として招待された方々のほかに、ロックタイトF1クラブのメンバーで鈴鹿に来ている人も参加できたのだ。しかし開場しているのになんでみんな入らないないの? 最後に残った皿の上の料理を食べないのは”関東の1個残し”とか“遠慮のかたまり”とか言うらしいが、最初の1歩が踏み出せないのはなんと言うのだろう?

「よし、それなら俺が行ったる」

と、だたっ広い会場へと”初めの1歩"を踏み入れた。

「すごい料理だなぁ。あっ、ハッキネンとクルザートのヘルメットとスーツがある。こっそり持って帰りたいなぁ。かぶってみたら怒られるかなぁ?わくわくわくわく」

 また、さりげなく置いてある接着剤は例の赤いチューブに入った見なれたものだ。俺らがよく使っている”LI-298”ではなかったが・・・だが、これを見て何だか落ち着いたぞ。会社の実験室にいるようだ。

 ここには見なれた雑誌も置いてあった。”F1Modeling”、マニアック君たちの欲求を満たすための雑誌だ。各マシンの細部が写真でバリバリ載っているのだ。ん、もぉ。こんな雑誌を待ってたのよ。以前模型誌の別冊で”クローズアップ・ヒストリー"なる雑誌/写真集があった。田宮模型のF1新製品に合わせた形で、細部を徹底的に見せてくれる写真集だった。最近は秘密主義のF1なので、なかなかこういう雑誌は出てこなかった。さてこのF1Modelingに、”ロックタイト製品はマクラーレンのマシンにこんなに使われている”って感じの、見開きのページがあった(上の画像参照)。買ったときにはえらく感激したのだが、パーティー会場にさりげ無く置いておくなんざぁ、パブリシティーうまく考えてるなぁ。

 さて、会場を見まわすとロックタイトギャルがいるではないか。なんてスタイルいいのだろう?おお、へそが出ているぞ・・・へそ。しかし何でそんなに足が長いのじゃ?足は手術しても長くならないよね。この写真を見た某上司は

「”LOCTITE”の”TI”部分のゆがみが悩ましい」なんて言ってたが・・・

 そうこうしているうちにパーティーが始まった。まずは東南アジア地区の社長さんの挨拶。続いて、先ほどのフィリップ社長の挨拶、これがまた人柄が出ててフランクでおもろい・・・のだが通訳がちょっとへたっぴ。に対して、司会の女性は凄腕のプロって感じだった。F1のことも良く知っていたし、なにものだろう?  貫禄あるのがロックタイト・ジャパンの社長・フィリップ氏

 その後、全くもって結婚式のような手順を踏んで、乾杯・食事と宴は進む。なんとなく会場の左側にはクラブの会員、右側には招待客って感じだ。俺はなんとなく左側の一番前あたりに所在していたので、いかにもって感じの”おたく君達”にまぎれていた。保護色って感じかな?

 なんとなく営業の方と話をしたりして、名刺交換をして、ちょっと仕事の話も混ざるのであった。四国地区担当の営業kさんと話をしていたとき、「ところで西地区といえば○社のH部長は知ってます?」と聞いてみたら、なんとH部長のことは良く知っており、大変世話になったとか・・・世間は狭いなぁ。
熱血風Kさんと四国代理店社長氏。

 なんだかんだ話をして「もしかしたら再来週にタイに出張する事になるかもしれません」なんて言ったら(そういう話があったのだが、いつのまにか立ち消えになっていた・・・代わりに中国に行った)、アジア地区の優秀なセールス・ウーマンが来ているので、連れてくると・・・

 Sさんというその女性はとっても小さく小柄な人で、”バリバリ”なんて感じが全くしない。しかし、その後この女性に英語の特訓を受けるとは夢にも思わなかったぞ。



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