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■■■ 第25話【ザナルディー万歳(^o^)】 ■■■

 次に来たのは、おお、ザナルディーだ。91年にF1デビューしたのだが泣かずとばずで、心機一転アメリカのカートに行って連続チャンプをとった、まさにアメリカン・ドリームをなしえたイタリア人。99年にF1カムバックしてちょっと落ち目のウイリアムズで散々な年を送っている彼。しかし、彼の”ファンに対する真摯な接し方”には感激の極みだった。誰にでも親切にサインをしている。求められれば誰にでもしてくれるって感じ。当然俺もサインをねだってみたかった。しかしサインペンも色紙もない。サインをねだっている人は、色紙を持っていたり、プログラムブックを持っている。このプログラムブックは2000円もするのだ。俺も「何かないか?」とバッグをごそごそと探して、出てきたのはメーカーさんにもらった手帳に付いていたぺらぺらのメモ帳。だめもとで、有名人のインタビューにマイクを差し出すあつかましいワイドショーのレポーターのごとく、そのメモ帳をこん身の力を絞って差し出し続けた。「われながら見劣りするメモ帳だなぁ」と内心恥ずかしかったが、頑張った。もうそろそろザナルディーもゲートをくぐると言う頃に、

な・な・なんと、俺のぺらぺらメモ帳に書いてくれているぅぅ〜。

 誰のサインペンだか分からないけど、うれしいぞ、うれしすぎる。それも”グチャグチャグチャ”っとわけのわからんサインではなくて、懇切丁寧にゆっくりゆっくりと、書いていくれている。ザナルディー、いやザナルディー様、いやアレックス・ザナルディー大明神、アレクサンドロ大王、これからあなた様の一挙手一投足すべてに関心を持たせていただきます。ありがとうございました。

あ・り・が・と・うーーーーーーーーーーーーーー!

と、俺は我を忘れて有頂天になっていたのであった。だってサインなんてもらったの初めてなんだもん。





 そんなこんなしているうちに、M事業部長・藤沢さんとはぐれてしまった。子供が我を忘れて遊んでいて、気がついたときには親とはぐれているようだなぁ。そして俺は再びゲートに並ぶ大行列の最後尾に並んだのであった。一人でちょっと不安でもあったが、「どうせここは日本だ。マクラーレンのパドックくらい一人で探せるぜ」と、やけに気が大きくなっているのであった。

 パドックやピットへの入口は、このごろは厳重なゲートシステムになっているらしい。実際はじめて入ったわけであるが、まず受付でびっくり。手首に絶対はずせないようなリストバンドをされる。されると言っても「あなたはVIPですよ。」と言われているようで、ちょっとうれしいんだけど。

これがVIPリストバンドだ



 また、ゲートはVIPの証であるパドックパスにてクリアする。これはパッドクパス自体がICカードになっていて、センサーにかざすだけでゲートオープンする仕組みだ。う〜ん、インテリジェンス。

 やっとの事で受付を済ませたら、M事業部長と藤沢さんが待っていた。すまんですたい、待っててくれたのね、ウフ。そして一緒に一番奥のマクラーレンのパドックに行く。しかし、このテントが乱立しているパドック・テント村はやけにきれいだ。F1のパドックはいわば社交場だからねぇ。


こんなかぶりものにも出会った。ハッキネンとフィレンツェンのようだ。



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