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■■■ ドミノが倒れる ■■■

 「行く」とは決めたが、実は「決めた」だけでなんら制約はされていない。「やっぱり行けなくなった」と言うこともできるのだ。娘はすでにあれこれ日程を決めて航空券やら、移動手段やら、宿やら決めて「旅のしおり」なんぞ作っている。そして

 「早くいつどこに来れるか決めてくれないと、予定が立たないよ」

 と言われた。ごもっともだ。もう今決めるしかない、と腹をくくった。行先は数日前から調査していたブダペストとウイーンに決めた。なぜブダペストか? 本当はベルギーに行ってみたかった。それはF1ベルギーGPのある、スパフランコロシアンサーキットを見てみたかったから。でも娘の行動予定から少し外れていた。

 ではと、欧州×観光でググった。すると出るわ出るわ。絶妙な写真がたくさん出てくる。でもその中で最も目をひいたのが、ブダペストの夜景写真だった。市の中心に流れるのが有名な「ドナウ川」で、ブダペストは「ドナウ川の真珠」と呼ばれているらしい。夜景好きには萌え萌えである。頭の中はカメラと三脚を持った自分の姿がぐるぐる回っていた。

 ではブダペストだけか?と言われると、旅行はあれこれ行ってみたいという、日本的あれもこれもモードになってしまう。友人に「俺旅行とか行ったら絶景を見ながらのんびり本でも読んでいたいんだよね」と言うと、「佐藤さんには絶対無理です」と毎回瞬殺されてしまう。詰込み型を脱したいのは、願望である。でも結局「せっかく」という言葉が頭を離れなかった。あれも、これも、どれも、それも・・・とエンドレスになってしまう。本当はブダペストだけで終わらせるくらいの「旅の通」になりたいのだが、結局ウイーンを抱き合わせてしまった。

 実はブダペストにどうやって行くか?を調べると、結局ウイーン国際空港から鉄道でブダペスト入りするのが一番いいらしい。そうなるとウイーンをセットするというのは、あながちおかしな話ではない。ウイーンも行きたいところ多いし。

 ということで、ブダペスト×ウイーンを娘の欧州旅行の一部、私の個人旅行のすべてとすることになった。ドミノの二つ目の駒が倒れた。



 となると航空券も羽田(もしくは成田)-ウイーンで決められる。場所が決まればあとは日にちだ。娘は1月後半に旅立ち、まずは東欧方面を回るらしい。会社の外せないイベントを避けると、休みがとれるのは2月7日からになった。こうやって詰将棋のように決まっていく様がなかなか素敵である。日程というドミノの3つ目の駒が倒れた。

 そしてドミノがバタバタと倒れる音を聞いたのは、2019年1月17日の23時頃(翌2020年の1月頭には車に轢かれるのであるが・・・)である。震える指でポチった。ウイーン行きエミレーツ航空券である。

 エミレーツは以前ドバイ出張の時に使って、結構いい航空会社と感じていた。さらにマクラーレンのスポンサーを長くやっていて馴染みもある。でも決め手はそれではない。夜発便があって、ドバイトランジットでブダペストに翌日夕方に着けるのだ。ウイーン直行便は翌朝早くになり、入りが夜遅くになる。夜遅い入りはちょっと不安がある。エミレーツは多少時間がかかるが、やっぱり夕方にブダペストに入れるのは魅力である。そして夜にも関わらず「えいや!」と声を出しながらポチった。往復11万円。この航空券購入でもう後戻りができない状況になった。


■往路行程。結局、会社に行って帰りにそのまま羽田とした。最大限時間を有効に使うぜ。

■復路行程、あとあと大問題・・・


 パタパタパタパタ・・・と音が聞こえた(ドミノの倒れる音)。




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