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■■■ MP4/14 ドイツGP ■■■

 1999年のF1はハッキネンとシューマッハの一騎打ちになるかと思いきや、イギリスGPでシューマッハがクラッシュし足を骨折、ハッキネンの楽勝になるかと思われた。しかしフェラーリアーバインが思いのほか頑張ってマレーシアGP後にハッキネンをポイントで上回った。しかしハッキネンの精神力は折れていなく、最終戦の鈴鹿で圧倒的な勝利を得、チャンピオンになったのでした。でもエモーショナルなハッキネンはイタリアGPでコースアウトしリタイヤ。悔し泣きしているところをヘリから空撮されたりしていた。

 そしてハッキネンがチャンピオンを獲った鈴鹿は、私がロックタイトさんに呼ばれ始めてF1のパドックなるところに潜入できた記念のグランプリである。その時代のマシンが目の前にあるってのがなんか不思議である。

 この前年のマシンMP4/13はタミヤからモデル化されて細部が手に取るように理解できていたが、このMP4/14は13よりもさらにシェイプアップされかっこいいマシンとなっていた。MP4/12はレギュレーションを厳密に守っていたのですんぐりむっりの恰好悪いマシンであった。しかし当時ウイリアムズにいたエイドリアンがフィンを立てることでレギュレーション解釈の隙間をぬって、スリムなマシンにしたのだった。マクラーレンもMP4/13でそのエッセンスを取り入れ、このMP4/14で一通りの完成系になったように思われる。


【#311】ヘッドレスト後方のこのフィンが模型屋的には難物ですね。接着してから塗装・研ぎ出しするか、パーツで塗装研ぎ出ししてから接着するか?いまだにどっちがいいか判断がつかないのです。

【#312】メルセデスと蜜月関係にあった時代。メルセデスが自チーム参戦となりマクラーレンはカスタマー仕様となるだろうエンジンに危険を感じ、ホンダにスイッチしたのでした。結果として大失敗でした。




【#313】90年初頭に比べると驚くほど広くなったコックピット開口部です。

【#314】マクラーレンのブーメランマークです。このころからグラデーション塗装が流行ってきたのですが、模型デカール的にはグラデーションはきついのです。




【#315】この辺りがニューウェーマジックですね。モノコックノーズ部サイドに立てたフィンとステアリング前にある突起でレギュレーション規定を逃れてるんですね。ちなみにこの突起の峰にもグラデーション塗装してるんですよね。

【#316】ニューウェーの好みはステアリングが完全にモノコック内に隠れるデザインでした。コックピット開口部の形状はホームベース型。広いコックピットが好きだったセナはFW16でステアリングに慣れなかったようです。しかしそういう目で見るとこれだけステアリングがむき出しに見えるこの時代、だいぶレギュレーションが変わったことが分かります。





【#317】ブーメランの先端が少し薄い色になっているって知ってる人いるかなぁ?

【#318】真後ろから撮るとカウルの峰部分がナイフエッジなことが分かります。そしてその峰部分はやっぱりグラデーション塗装してるんですね。





【#319】ロックタイトさんのロゴが懐かしい。結構デザイン的に好きなロゴでしたね。でもやっぱりWestが入らないと締まらないです。

【#320】前の写真だといまいち良く分からないかもしれませんが、高速ドイツGP仕様のウイングなので前後に短くドラッグ抑制のためだいぶ寝てます。





【#321】ブリヂストンのタイヤにENKEIのホイール。日本が攻めてます。ブリヂストンはマクラーレンがいち早くグッドイヤーからスイッチして、共に成長してました。しかし独占供給になってフェラーリにも供給を始めると、フェラーリ重視な姿勢が目立ってきて、それに嫌気をさしたマクラーレンはミシュランにスイッチしたのでした。私としてはブリヂストンのフェラーリ偏重は嫌いでした。しかしマクラーレンというチームは可能性を求めてどんどん新しいことにチャレンジするチームですね。そういうところは好きです。ホンダにスイッチは結果から言って失敗だったようですが。ちなみにブリヂストン、タイヤの内側にはBRIDGESTONEやPOTENZAのプリントしてないんですよね。

【#322】キャリパーはapです。温度検知シール貼ってありますね。模型ではこれがいいアクセントになります。





【#323】ちゃんと走行していたタイヤってのが良く分かります。溶けてますから。

【#324】当時このアングルからの撮影はご法度でした。リアアンダー部はグランドエフェクトの空気抜きと整流でノウハウの塊でしたからね。





【#325】ドライブシャフトは黒です(カッパ―/銅色)の方が模型的には映えるんですが。アッパーサスの根本には熱による破損を防止する遮熱シールが貼ってあります。これは模型映えします。下にある○二つは排気管ですね。

【#326】90年初頭まではトップチームはリアサスまでカウルで隠していましたが、安全レギュレーションがそうだったのか、リアサスはもろ見えになりました。ちなみにカウル後端にギアボックス部品を避けるためのバルジがあります。





【#327】アッパーサスペンションはカーボンですね(目が出てます)。アップライトにごちゃごちゃ配線がされていますが、何かのセンサなんでしょうね。

【#328】この写真が語るすごさは、このマシンが多分ギアボックス付き(なら多分エンジンもついていそう)なコンプリートマシンってことでしょう。この手の展示車はエンジンとギアボックスがついていない「がわ」だけのことが多いのですが・・・。やはり内臓ありモデルはオーラが違います(ここまで書いてドンガラマシンだったら笑えるね)。




 ここまではどこでもやっているようなマシンの展示ですね。さて次回はクラッシュ部分をどっかーンとお見せしましょう。




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