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■■■ 在りし日の18インチリアタイヤ ■■■

 「F1福袋」っていうのを買ったんです。なんか楽しいですよね。でも8万円もする福袋を買ったのは初めてでした。これを買ったのはまだ社宅に住んでいる頃だったので、狭い階段をこんな大きなタイヤやその他ごちゃごちゃしたものを持って上がる宅配便の兄ちゃんは大変でした。

 93年からレギュレーションが変わって、タイヤのサイズが小さくなりました。リアは18インチ幅だったものが15インチに、これでマシンがこじんまりしちゃいました。なのでこの貴重品の18インチリアタイヤをゲットしないわけにいきませんよね。

 このタイヤ、わざと空気が入らないようにホイールを傷つけているみたいなんです。なので半年に一度くらい空気を入れに行かなければなりません。ガソリンスタンドで、
 「タイヤに空気入れてください」
 「はい、空気圧はどれくらいにしますか?」
 「前は2.4、後ろは2.3でお願いします。あっ、あともう1本あるんですけど・・・」
 「???」
 (トランクを開けて、よっこらしょと取り出して)あのぉ〜これなんですけど・・・」
 「な・なんですか?これ・・・」
ってな具合で、恥ずかしいというか誇らしいというか、面白い経験ができるわけです(最近はセルフスタンドなんで自分でできちゃいますけどね)。

 さてこの92年まで使われていた18インチリアタイヤを解剖してみましょう。

リビングから「じゃま」だと追い出され、行き着く先は玄関なのです。でもこれも邪魔にされているみたいですが、宅急便の兄ちゃんとか、F1好きの人には好評みたいです。それに「持ってみてもいいですか?」っていう人も多いです。「結構軽いですね」というリアクションがほとんどです。 ホイールつきなんです。だから買ったのです。5本スポークのオゼッラ製です。当時はフェラーリがスピードライン、マクラーレンが自家製(でも違うと思うけど)、ウイリアムズがフォンドメタルとかで、まだBBSとかエンケイとかは入ってきていない時代でした。ちなみにピカッと光っている部分にチームマークが入っているのですが、このホイールは消されていました。聞いてみるとリジェのものらしいとのことでした。リジェか・・・。

オゼッラのホイールは結構好きでした。なぜかといえば、黄色いラインがかっこよかったからですね。でも雑誌やクローズアップ集では良く分からなかった”黒”の質が分かりました。マグネシウム鋳造そのままの質感だと思っていたのですが、ちゃんと黒塗装してあるんですね。凄いぞ。 ちゃんとホイールバランスがとってあります。っていうことは実際に使ったホイールなんですね。この汚れ具合が最高! オゼッラホイールのスポークに書かれたマークです。みんなかっこいいCIマーク考えますね。

買うときにお店に聞かれたんです。「レインとスリックどっちがいいですか?」って。そのときは「スリックはのっぺりでインパクトなさそうだなぁ」と思ったので、レインを注文したのですが、今になって思えばスリックがよかったなぁ、と。まあいまさらそんな事いってもしょうがないですね。
 トレッドのパターンは91年仕様です。水をどうやって抜いていくのかがポイントなのですね。
内側のタイヤです。表と違って実際に使われたままの状態です。この実践感がいいのだなぁ。GOOD*YEARマークもパターンにテンプレート当てて吹いた感じ(感じでなく、そうしているんですけど)が出ててGOOD。本来は白いはずなのも、黄色に変色していて古さが出てます。

表のマーク(EAGLE)です。やけにはっきりしているでしょう。それにF1まで色がついていますねぇ。おかしいです。という事で、このタイヤは現役を引退してから”展示車”に使われていた、と想像します。 こっちは内側。F1に塗装が吹かれておりません。通常はこっちなのです。F1のガイドもちゃんとついていますけど。 はい、表の文字のアップです。実はシールが貼ってあるんです。これじゃあげんなりって感じでしょ。剥がして自分で吹いちゃおうかなぁ、って思ってますが・・・
 
さて表側。GOODとYEARの間の靴に羽の生えたマークの銀色に塗られています。嘘だぁ、こんなの! 内側です。これが正解。 ハブです。どこでもピンが入るように穴がいっぱいあいています。
 
外側の全体。 内側の全体。 これが生マグネシウム鋳造。質感がいいねぇ。こういうのに燃えるねぇ。
 
さてF1タイヤはラジアル構造なのです。 GOOD*YEARはアメリカの会社でアメリカ国内で作られているのです。アメリカはあまりF1に熱心でないのですが、企業はF1は全世界的な広告媒体と考えているのでOKなのです。 タイヤサイズです。でも分かりません。普通は195-60-14(マイセリカ)と書けば、幅が195mm-扁平率が60%-リム14インチなのですが・・・。最後の13はリムサイズの13であっているのですが。F1はタイヤの扁平率が限りなく大きいのでタイヤががんがんたわむのです。それをサスペンションの変わりにしてたりします。
 
L458とか11とかは構造の番号なのでしょう。番号横のポッチもきちんと型でつけられてます。 ”レース目的でのみ使えます。ハイウェイでは使わないでください”と書いてありますが、誰がハイウェーで使うのだろう? アメリカらしいなぁ。 トレッド面からサイドウォールにかけて何かが解けてきたような模様があります。なんだろこれは?
 
トレッド上のブロックの拡大です。深さは8mmくらい。 写真撮るのにあっちこっち見ていたら見つけました、こんなパーティングライン。45度おきにあります。金型の分割が分かりますね。 模様が芸術のようにも見えるかな?(こじつけっぽい)



■■■ おまけ ■■■

 思い立ってプラモのタイヤで比較しようなんて、5年ぶりくらいに作品棚のドアを開けたら埃だらけのマシンが・・・。分かってはいだんですよ。でも何となく面倒でそのままにしてました。でも今日は洗ってみたら、あらまあきれいになるではないですか。昔は結構ちゃんと完成まできちんともっていっていたんだなぁ、と感心してみたりです。

 OZホイールの92年マシンは、ロータス107、ベネトンB192、ジョーダン191、フットワークFA13を作ってますが,その中からいくつかに登場いただきましょう。

これを撮影していたら娘が、「あっ、おんなじタイヤだぁ」と叫びました。よしよし。 リアタイヤなのでホイールスポークが深くて見えにくいのですが、OZマークの逆側にコンストラクターマークがあります。これにはもちろん”Benetton”って書いてあります。
 
参考に、こっちはフロントタイヤ。”Lotus”のマークが見えますねぇ。どれも天賞堂のタイヤテンプレートを使って吹き付けでマークを入れました。デカール貼って仕上げるより本物っぽいでしょ。 一応ロータス(左)は使った感じを出すためにセンターのパーティングラインを消しました。右のベネトンは新品感を出すために、パーティングラインはちょっと残してあります。
 
フロントタイヤとリアタイヤのサイズ差はこんなもんです。 マスがあまったんで、大好きなロータス107など。このマシンはB192で絶好調のシューマッハを追うハッキネンがロータス最後の輝きを持って駆った車なのですね。ディテールといい、カラーリングといいかっちょいい! それに日本企業がたくさんスポンサードしていました。シオノギ、コマツ、日立、イエローハット、タミヤ、ニチブツなどなど。翌年の107Bはロックタイトが全面的にスポンサードしたんですねぇ。
 
作りかけの1/20のホイール。実はOZのイエローラインをデカールで貼るの結構難しいんです。かといって、塗装で仕上げるのもめんどくさいし。 実はホイールの塗装はフラットブラックにクリアーイエローを大量に混ぜ、シルバー紛をちょいと入れたものにしてました。マグネシウムの鋳造感を出そうとしてたんですけど・・・
 
タミヤのプラモデルは全車種スリックタイヤ仕様です。でもサードパーティーから出てくるんですね。いろいろとおいしいパーツが。これはモデラーズから出ているレインタイヤ。91年までのトレッド形状との事です。多分89年の最終戦オーストラリアGPで雨の中嶋(4位フィニッシュ)を再現する人用なのかと想像してます。定価1800円のところバーゲン価格で100円です。使わなくても買っちゃいます。 だって、こんなにきれいにトレッドできているんだもん。うれしくなっちゃう出来です。
 
こちらはWave Be-Jで買った1/43用のレインタイヤ。8mmくらいの小さいものです。 でもちゃんとトレッドがきれいでうれしすぎ。これにもテンプレート当てて吹いてみました。ちょっと曲がっちゃったけどいい感じ。
 
一応91年のジョーダン191も撮ってみました。マークの塗装がうまくいってます。スポークに書いてあるチーム名は”EJR”とありますが、これはエディ・ジョーダン・レーシングでしょう。 ジョーダン191はジョーダンの歴代マシンの中でも一番、いやいやF1の歴代マシンの中でももっともかっこいいマシンのひとつです(結構最上位クラス)。ゲイリー・アンダーソンが「マシンはかっこよくなきゃいけない」っていうポリシーで設計したそうですが、全く持ってその通り。フロントウイングの造形やリア下部(見えないけど)の絞込みなんかうっとりです。それに非力なHBエンジンでもそれなりに早かった。ベルギーではシューマッハのデビューマシンになったし。
 
写真撮ってたら面白いアングルで好きな暗さが偶然見えたので、載せちゃいます。ほんとはタイヤの話なんだけど・・・ もう一枚。フロントサスに見えるのはしずくです。埃を取るのに洗った後なんです。


 後半はなんだか、ページが違うんじゃ?って感じになっちゃいました。本家の「模型を作ろう」が全く更新されていないのに、他のページでこんなことしてていいのか???




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