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■■■ Mclaren MP4/6 パーツ分解■■■


■■■ 背景 ■■■

 タミヤがF1に興味を失ってもう長い。その隙をぬったのがフジミである。フジミなんてわけのわかんないヤンキー車のモデルを出していたメーカーと思っていたが、イメチェンをはかった彼らにモデラーは狂喜乱舞した。しかしキットはお粗末なできなところもあったのだった。でもモデラーたるものお粗末なキットでもそれを何とかっしちゃう人たちであるので「そんなのかんけーねー」なのである。

 さてそのフジミがいいマシン選択をしてくれちゃったりするものだから、モデラーたちは財布のひもをどんどん緩めてくれるのである。私もタミヤ時代から3倍くらいの価格になったフジミモデルにたくさん投資をさせていただいた。そしてその結果、なんとセナがマクラーレンにいた時代のマシン、88年のMP4/4から93年のMP4/8までがコンプリートされるという、F1モデラーにとって夢のようなことが現実になった。

 F1ボルテージが最高潮だった91年のMP4/6がタミヤでは1/12でしかリリースのされなかったのだが、フジミでは1/20スケールでリリースされた。やったぜ。そのフジミ1/20MP4/6はタミヤのそれとは違い、もうパーツ分割がされすぎている。普通の人はうんざりしてしまうだろう。しかしストリップマシンを作りたい人にとっては最高な素材であった。実はこれには裏事情があったっぽく、フジミはタミヤの1/12をスケールダウンコピーしたのでは?と言われているが真相は如何に。

 今回はこのパーツがたくさん分割されていることを生かし、以前ベネトンB192で行った部品展開モデルを作ってみることにした。タミヤ製のベネトンはタミヤのポリシーである「パーツ合体を進め少ないパーツ数で組み立てられる」なため、分割にも限界があり、ちょっとさみしいものであったが、今回どうなるか・・・

■■■ 完成品ショット ■■■


◆A3サイズにしてみた。まとまり感のあるサイズでグー。Marlboro McLarenのアイデンティティーである蛍光レッドは写真では単なる赤に見えるのである。 



◆カウルは結構気合を入れた。ウインドシールドは取りつく場所の黒塗装は、マスキングが面倒だったけどやった甲斐がある感じでよし。排熱用アウターカバー取付けやカウル取付け用のスクリューが取りつくところは、0.4mmのピンバイスでしこしこ穴あけしたが、ここはもともと金型で掘ってあって、凸になっているのである。凸なんて研ぎ出しにくいし邪魔だしいいことないのになぁ。

◆本当はウイングフラップを連結するパーツもばらしたかったが、ちょっと時間がないんで・・・という言い訳のもと、アッパーフラップにくっつけたままにしてある。F1エンスーはガーニーフラップも翼端板フラップもちゃんと黒塗装しなくてはいかんのだ。



◆当時のマクラーレンの「時代遅れ」と言われたオス型モノコックがよくわかると思う。



◆タミヤ1/12で初めて知った「フロントウイングフラップのねじれ」である。こういういかにも3次元的な造形は90年代前半はあまりなかった。さらにマクラーレンはフロント翼端板下には「擦り防止?」なのか、木材を貼ってあるのだ。これって何の効果があったんだろう?

◆MP4/6はカナダGP以降にちょとした変更をしている。変更内容自体はちょっとしたものであるが、見かけは結構な変化である。開幕からウインドシールドを蛍光レッドで塗ってその上にTAG HEUERの城マークが貼ってあった。カナダ以降は透明(+黒塗装)のウインとシールドに変更、TAG HEUERマークは黒になってノーズカウルに移動した。このマシンは一応日本GP仕様なのでこうなった。



◆三脚で絞って撮ればよかったのだが、撮影可能時間は30分しかなかったので手持ち。なので被写界深度が狭いのだ。



◆フジミのモデルはブレーキキャリパーが独立しているんで分割が楽である。ディスクとディスクホルダ(って名前?)はNCで削り出した。3Dデータもさくっと作れちゃうんで楽チンだ。ちょっと見えるサスペンションスプリングは0.8mmの真鍮線を棒に巻いたもの。

◆そう、忘れたのだ。BOSSのデカールを貼るのを忘れたのだ。セナのトレードマークである。肩パッドはちゃんと仕込んであるのに・・・。ここにあるべきシフトレバーはちゃんとシルバー+クリアーイエローで真鍮色を再現したのだが、どこかに無くなってしまった。ちなみにシートベルトはユザワヤで仕入れたサテンリボンである。サイズや質感、価格でこれ以上のものない。



◆フロントセクション。マクラーレンのモノコックって飴色に見えるのである。なので大量にクリアーイエローを吹いておいた。実物だと何となくそれが分かってもらえると思う。ラジエーターインレットはキットモデルだとサイド面と底面がないのだが、当然そんなものをプラ版でサクサク作るのである。



◆モノコック後面(エンジンと背中合わせの部分)は強烈な飴色である。なので、クリアーオレンジを吹いてみた。エンジン接合のためのボルトはM1のネジを裏から出してボンド留めしておいた。またエンジン出力軸と重なるモノコック面には何やら円型のパーツがあるっポイので、それもNCで削り出しておいた。やっぱNC最高!

◆アンダーパネルは前後に分割になる。後ろ側のパネルはエンジンからの熱からガードするために遮熱版が貼られる。これは「モデラーズメタルック」という極薄金属箔が定番であるが、知らないうちにミスタークラフトが倒産してモデラーズがなくなってしまった。代替えパーツはクレオスから出ているがなんせ高価。貧乏モデラーは頭を使って代替え部品を探すのだ。試行錯誤の結果、アルミホイル+スプレーのりがいい結果だった。考えたことが決まるといい気分だ。



◆ギアボックスは切り離した。切り離すとその部分にあったものを作らなくてはならない。まあそれも楽しみである。ギアボックス側はクラッチプレート(実はこれも自作した)出力を受けるシャフトを作ってみた。まあ裏側からM2のネジを出しだけであるが。エギゾーストパイプは一つ一つ別々に設置してみた。大変だったよ。ドライブシャフトはカッパ―塗装が一番それっぽく見えるね。



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