■TOP > Burns Red Special大改造 > 高さ関係を決める(PU/ブリッジ)

■■■ 高さ方向を決める要素 ■■■

 今回のBurns改造から始まったプロジェクト(いつからプロジェクトになったんだ!)で一番大変だったのは、ボディー厚み方向(高さ方向としている)の寸法であった。今回も同様で、以下の3つをどの用にバランスさせるか?に大きな工数が割かれた。

●高さを決める部品
 ・PUベース/PUスペーサー:PUの高さ
 ・ブリッジ(1弦〜6弦の高さ差)/ブリッジシム:ブリッジの高さ

●各高さが影響する事象
 ・弦の高さ/フレッドビビリ
 ・PU出力

つまり、ひきやすさや弦のビビリ、PU出力の具合を見ながら、PUの高さとブリッジの高さを決めていく。これは結構大変であった。


【図0】

 Burns改造が終盤に差し掛かり、仮に弦が張れるようになったとき、ちょっと驚いたことがあった。PUの出力がめちゃくちゃ低いのである。Burnsを購入して何度か弾いた時はそれほど出力が低い感覚はなかった。というか、あまり弾いていないで即ばらしたっていう事実もあるが。ネットで知り合いになった方からいろいろとアドバイスなどもらって、弦とPUは可能な限り近くしたほうがよい、という方針に変更した。

 24フレットを押さえたときに、1弦/6弦がPUぎりぎりになるようにする。ただし、指板のR形状にある程度ブリッジも沿わせないとならない。ここのバランスを出すのがめちゃ、大変なのであった。






■■ PUを取り付ける ■■■

 Burnsはストラトと同じような電装系の取り付けなので、フローティングしているPUを逃げるため、PU部 座グリが深い。かつPUを留めているスクリューを逃げるため、大きな深穴が掘ってある。一方、本物のオールドレディーは再三言っているように、PUを含んだ電装系はすべてボディーにダイレクトに固定されている。ということで、今回の改造もPUをボディーにダイレクトに取り付けことにする。そのためにはPUを固定する基部が必要だ。

 しかしダイレクトに留めるということは、ギターの大きな要素であるPU高さや弦の高さを調整で逃げることが出来ないので、「試行錯誤をする」という決意が必要なのである。PUの場合、基台の上面部分で高さの設計を決めるのが難しい。まあ微調はスペーサーを使う、しかないのであるが・・・


【図1】本来ならばPUの足の部分だけ土台があればいいが、土台自体をしっかり留めたいためこの程度の大きさにした。

【図2】一部切り欠きがあるのは、PUから出ているワイヤのため。トライソニックの出力ワイヤはそれなりに剛性のあるしっかりした太目のワイヤである。それが下に向けて出ている。なので、ある程度の高さで逃げないと干渉してしまうのである。



【図3】PU位置決めのねじ孔はきちんとした位置にしたいため、ピックガードをつけた状態で位置決めして、マークをつけておく。細い孔はピンバイスの方が安心である。

【図4】高さの微調はスペーサーを用いる。



【図5】PUが取り付いた。なんとなくさまになってきた。

【図6】さあ後は高さ方向の微調はスペーサーを用いればよい。





■■■ ブリッジローラー ■■■

 いわずと知れたレッドスペシャルのブリッジは「ローラーブリッジ」である。これはアーミング時のフリクションを減らす役目があるからであるが、本当に効果があるのか?は私には分からない。こぼれ話としては、ライブで弦が切れてしまったとき、このブリッジの溝に入れられたスモールパーツであるローラーがステージに落ちて、クルーがさがしまくったという、本当だかウソだが分からない逸話である。

 さてこのローラー、さすがに金属である必要がある。金属なら旋盤なのだが、ボール盤はあっても旋盤を家に持っている人はなかなかいない。ならば、毎度の「アイデア+代用」攻撃で行ってみよう。

 何度も言っているが今回のBurns改造は極力安く仕上げることを目標としている。なので、ローラーもその視点が考えてみると・・・「ギター弦のテールエンド」が目に留まった。なんかいけそう・・・。


【図7】

 ブリッジのローラーピン受け部は幅1mmである。つまりピン径も1mm。一方弦のテールエンド金属環、過去乱買いしたギターについていた弦のエンド部だけ収拾していたが、ひとつだけいい感じのセットがあった。環の内径が2mmのものだ。つまり内径にあう田宮2mm丸棒をカットし、金属環に埋め込み、そこにピンバイスで1mmの孔をあけ、ピンを通すと言うものである。

 結果、ばっちり! アイデアが上手くいくと非常に気持ちいい。この気持ちよさのために日々考えていると言ってもいいくらいだ。というかこずかいが少ないからという説もあるが・・・