■TOP > Burns Red Special大改造 > (新)オールドレディーのモデリングと考察

■■■ Red Specialの本物へ近づいた! ■■■


 Burnsの改造を手がける前、当然であるがオリジナルなレッドスペシャル(オールドレディー)を徹底的に調べた。しかしピックガードをはずしたくらいでは分からないのがレッドスペシャルなのである。表面の薄板をはがさないと全容は分からないのである。つまりそんなことは出来ないので全くのお手上げなのであった。しかし「お手上げだから作れません」ではあまりにも情けなさ過ぎるので、可能な限り想像力やネットでの情報を調べまくりモデリングしたのだった。

 さて一応Burnsの改造も終了し、その完成品を見るたびニタニタする自分がいたのだが、実は心の隅、ほんの隅っこにほんの少しだけ、「やっぱりオリジナルのモデリングができてないよなぁ・・・」という無念感のがあった。そのほんの小さな無念感は、ある日海外のBBSで見つけたレッドスペシャルX線撮影画像ではじけてしまった。

 想像していたのと全く違うじゃん!

 狂喜乱舞した。しかし冷静に観察してみるとなぜか違う。微妙に違う。多面的に判断するとどうやらレプリカモデルであった。それくらい見抜く眼力はついていたのがうれしいのであった。何事もやっているうちに眼力は向上するものである。このレプリカ、どうやら本物にすごく近い、ということが分かった。

 構造的には近いのだが、いつもの通り、フォトショップでアルファをちょっといじってオリジナルに重ねてみると、ほとんどのパールはオリジナルとピッタリ重なるのだが、ブリッジやネックの位置がなんとなくずれている。まあそれなりのレプリカである。

 そしてまた悶々とする日が続いたのだった。しかし人生、努力していれば必ず報われる、と思えるようなことがあった。そう、本物レッドスペシャル(オールドレディー)のX線透過画像を見つけたのだ。なんでも鑑定団の鑑定家たちじゃ分からないだろうが、私にはこれが本物とすぐ分かった。泣いた、血圧が200になった、雄たけびを発した。

 今まではフライヤーさんが改修作業をしたときの写真を頼りにモデリングしたわけだが、X線写真を見ることで、フライヤーさんの改修時写真に写る細部の意味が理解できた。「ああ、これはこういうことだったのか・・・」と。こういう発見は私にとって大きなモチベーションアップになった。

 そして本物に近づくべく、またCAD化の日々が始まった。

【追記 130520】
SWプレートの「座」は別パーツであると結論つけた。




■■■ ボディー木部基本構造 ■■■

 ● ボディー基本積層構造


【図1】木部の基本レイヤーである。思ったより骨っぽいのが分かる。


【図2】ボディー木部のみの透視図。

 レッドスペシャルは「セミフォローボディー」と言われていたが、X線透過写真を見て考えていた以上にスカスカなことが分かった。レイヤーとしてみたときには大きく以下の4層6パーツに分けられる。

●トップ板
 -マホガニー化粧シート(第1層)+オークパネル(第2層)
●インナーアッパー(第3層)
 -アッパーフレーム+アッパーコア
●インナーロア(第4層)
 -ロアフレーム+ロアコア
●ボトム板
 -オークパネル(第5層)+マホガニー化粧シート(第6層)

 内部ボディーである「インナーアッパー/ロア」は今まではオークの単板かと思っていたが、実は2ピース構造のようだ。トップはブリッジ下部のみ、ボトムはネックポケットを中心とした、ギターとして肝になるエリアをオーク材としている。オークコア以外の構造部は「板」というよりむしろ「骨」のようで、トップとボトムの各板を保持するだけの構造体だ。一説によると素材も「集成材(ブロックボード)」で、木としての品質も求めている感じではない。

 ボディー全体の厚さは塗装膜厚を含めるか 否かでいくらでも変わりそうだが、今回は全厚39mmとし、アッパー/ロアが各19.5mm、うちトップ/ボトムの薄板は各3mm(薄板2.4mm+マホガニー化粧板0.6mm)とした。まあこれ以上は分からないのはしょうがないだろう。

 また、今回自信がもてなかったのでモデリングには適用していないが、トップ/リアの表面板はオールマホガニーではない可能性が高い。

 このあとで何度も記載をすることになるが、トップ板の開口部シェイプがインナーアッパー/ロアに引き継がれているわけではない。なのでトップ板の下にインナーアッパーが無い部分もあるのだ。空洞形状である。これは新しい発見であった。

 サイド部はアッパー/ロアの張り合わせ目隠しのため、薄いマホガニー(0.6mmといわれている)を貼っているが、上に書いたようにトップ/リア薄板もそうしているっぽい。マホガニーは単なる「木の模様」を出すために使われているだけのだろうか? 海外のビルダーはそうやっている人が多かったりする。マホガニーの3mm板で強度が出るとはなかなか思えなかったりするので、多分「模様説」が正しいのだろう。ここは確証が取れた段階でモデリング修正を行なうことにする。






 ● 右側チャンバー部形状

 最初、ボディー右側のチャンバーはインナーアッパーとインナーロアとも同形状で貫通しているものと思っていた。が、これもフライヤーさんのレストア写真で自信が揺らいできた。写真から見るとこの部分は導電塗料が塗られており黒くなっている。そのために、エッジ形状が非常に分かりにくい。F1フェラーリがボディー下部形状を分からなくするために、ボディー下部をわざと汚い感じに黒塗装していたのど同じである。黒形状はシェイプを分かりにくくするのだ。しかし256階調の1階調を読み取るべく画像を凝視しまくり、同形状貫通ではないという結果に至った。具体的にはインナーロアの一部が段として残っている、ということである。画像を凝視して分かったということもあるが、SWプレートを介してスライドSWが取り付けられている画像をみつけたとき、そのSWプレートがボディーにネジ止めされているのが分かり、それはインナーロアのどこかということになったからである。




 ● インナーアッパーとインナーロアの締結

 上記インナーアッパーとインナーロアは11個のスクリュー(水色で表示)にて留められているようだ。今までは単に接着だと思っていたため、新たな発見であった。結局オールドレディーの一部不自然なフレーム形状(赤丸)はこのスクリュー留めエリアを確保するためであった。テールエンド部の固定スクリューはストラップピン用のロングスクリューを避けるために中心部より若干ずれた位置にあったりする。これらの分析作業を通じて、何事にもその形状には意味があることがよく分かった。そしてそれは、そのときのブライアン親子の思考をたどるようでなかなか面白いのである。


【図3】水色のスクリュー11個で締結されている。

【図4】スクリュー留めの部分だけはフレームが骨太になっている。





 ● サイド部


【図5】薄マホガニーシートはインナーアッパー/ロア締結後に貼り付け

 ボディーサイドは薄いマホガニーシートを貼っているようだ。これはアッパー/ロアの張り合わせラインを隠すためである。しかし木目の方向がちょっと私の感覚と合わない。Z軸厚み方向に木目が走っているのである・・・。まあこれも化粧薄板判定に貢献していたのだが。






 ● 表面薄板受け木片


【図6】中央がささえ木片

 これは後で付け焼刃のような対策で追加されたっぽい部品だ。もともとトップ板を「片持ち」のような構造にしていたのだろうが、やはり割れそうで反りそうな感バリバリである。よって後からひさしの支えのごとく木片を追加したのであろう。






 ● スイッチプレート受け座(2013.6.30追加)


【図】

 レッドスペシャルの解析を進めると、結構付け焼刃的処理の部分が分かったりする。ブライアン親子は「完璧」キャラとして見られているが、そりゃあワンオフで作っていけばそんなこともあるというか、無いほうがおかしいとも思う。 これは後で付け焼刃のような対策で追加されたっぽい部品だ。もともとトップ板を「片持ち」のような構造にしていたのだろうが、やはり割れそうで反りそうな感バリバリである。よって後からひさしの支えのごとく木片を追加したのであろう。






 ● ボトム薄板


【図7】英語では「パッチ」を書かれていた

 今まで全く気がつかなかったが、ボトムパネルのテールストラップピン付近は半月状の別ピースになっている。これはパネル本体から別ピースなのか、マホガニー化粧シートだけ別ピースなのかは分からないが、なぜか別ピースなのである。これは木目の模様が違うのではっきり分かるのだ。

 しかしどうしてだろう?不思議である。






 ● PU座グリ


【図8】各PU下の座グリ深さはPUによって違っている

 各PUの下はPUシェイプでの座グリ形状となっている。3つのPU各々は取り付けられる高さが違うため、この座グリ深さもPU部位によって違っている。フロントとミドルのPUはボディーに食い込んでいるネック部にのっかる。リアPUはボディーが受け入れ担当だ。

 しかしどのPU下にもアースのため?のような金属ナット?とそこから伸びたワイヤ経路が見られる。これはやはりアースなのか? アースだとしたらPUとこの金属ナットはどうやってつなげられているのだろうか?スプリングでも介すのかも知れない。




【図9】リアPUの座グリは深い。アース部材?もモデリングしてみた。

 リアPUはブリッジに近いということあり、出力を稼ぐためか弦に非常に近く配置されている。なので本来PU座グリはほんの浅いものでよい。よいのだが、実際はすごく深い座グリが掘ってある。さらに、リアPUとミドルPUは現在収まっている位置よりも中央側に寄っていた形跡がある。なぜか?実はオールドレディーには昔トライソニックじゃないPUがつけられていたようだ。そのPUの位置だったのだろう。実際オールドレディーの作成時の白黒写真は一発で決められたきれいな座グリになっている。

 このようにリアPU座グリは異様に深い。そのため先ほどのアース部材と思われる経路はフロント/ミドルPUとは違って、トンネル状の孔を経由して右チャンバー部へ導かれているのであった。

 さらに付け加えると、フロントとミドルPU下のアース部材はナットをそのまま使ったと思われるが、リアPU下のそれはパイプを切断したもののように見える。真相はいかに?






 ● バインダー


【図10】CAD図でエッジを立てるとちょっと違和感があったりするが。

 諸説あったパインダーの形状であるが、幅2mm、深さ4mmということにした。オールドレディーの写真ではバインダーのエッジ部が分かりづらい。これは単色であったりとかエッジがダレてきていたりとか、っていうのが原因だろう。またリア側のバインダーでネックが収まる部分はボディーからはみ出している。だがこれはネックをつけた状態で収まりよくなるようにしてあるからだ。











■■■ トレモロ関連 ■■■

 ● トレモロ基本構造

 最も一般的なトレモロシステムは図11に示すストラトキャスターのシンクロナイズドタイプだろう。アームダウンをするときにはボディー裏のスプリングが伸びる構造である。テンション調整はスプリングの数とスプリングフックを留めているスクリューの締め付け具合でスプリング長を変えるシステムだ。一方レッドスペシャルの場合は、図12のようにストラトのそれとは逆で、スプリングを圧縮する方向で行なっている。


【図11】シンクロナイズドトレモロ。アームダウンでスプリングが伸びる方向。

【図12】レッドスペシャルトレモロ。アームダウンでスプリングが縮む方向。


 そしてそのテンション調整は、スプリングを固定しているボルト(パンサーのバルブスプリングね)を回転させてスプリングの圧縮長を変えることで行なう。トレモロユニットの支点として「ナイフエッジ」なる鉄プレートの一部エッジをナイフ状に加工したものをボディー内部(インナーアッパー/オークコア)に仕込み、上からトップ板で封印)に埋め込んでる。なのでナイフエッジに何か起こった場合は、接着されている表面薄板をはがさなくてはならない。これは大変だ。

 またストラトのようにブリッジと一体化したユニットではなく、稼動は弦エンド部材(アームベースと命名)であり、ブリッジ駒には弦を滑らせるべくローラーが設置されている。


【図13】表面薄板をはいだ状態でのレッドスペシャルトレモロ構造。

【図14】表面薄板とPGをナイフエッジが見えるようにカットしてみた。





 ● トレモロチャンバー

 トレモロチャンバーも前回のモデリングからの違いが大きな箇所である。前回は開口部の半月形状のままくりぬいていると思ったが実は違った。内部は台形風の広大な空間があったのだ。フライラーさんの改修時の写真を見てそれらしい感じはしていた。していたが「内部は半月状!」という思いが強すぎて、見えているものも否定していた。思い込みの良くない傾向である。

 またインナーロア部はアーミング用のスプリング部位だけを逃げる格好になっている。二つのスプリング間にも逃げがあるか無いか?が微妙なところだが、今回はスプリング間も逃げている形状とした。


【図15】こんなに広い空間があったとは・・・

【図16】開口部と内部空間の比較ができるように透視図にしてみた。





 ● トレモロテンション調整用アクセスホール


【図17】ボディー周辺まではあらかじめ溝を切ってある。最後のひとなめだけドリルでちょちょいと。

 トレモロのテンション調整は先にも書いたように、スプリングを固定しているボルトを締めて調整する。つまりボルトを回せなければ調整が出来ないのである。当初この調整は六角ボルトの頭をラジオペンチとかでまわすのかなぁ?と思っていた。が、ボディーエンドストラップピン横の「謎の孔」、いわゆるアクセスホールの存在を見つけてから、長いツールをこの孔から差込み、ボルトの頭(十字かマイナスか六角レンチかは分からない)を回すということが分かった。これはいかにも工学的なやり方で、「ブライアンだなぁ」と関心したのだった。がボディーに孔をあけなくてはならず、普通の人はそこで躊躇してしまいそうだが、ブライアン親子はそれをいとわなかったのだ。

 前回構造を推測したとき、トレモロチャンバーは開口形状(半月状)のままで座ぐっていると思ったので、アクセスホールが超長くなる ⇒ アッパー/ロアのボディーにあらかじめアクセスホールとしての溝を切っておく・・・と考えた。しかしトレモロチャンバー内部が開口部より大きいのなら、ほんの短い孔をあけるだけでスクリュー頭にたどり着く。そしてボディーを完成させた後でアクセスホールを開けることが可能である。多分そうしただろう。


【図18】昔はこんな構造でアクセスホール作っているのかな?と思ったが・・・

【図19】実際インナーロアーにはアクセスホールが存在しない(インナーアッパーにあり)。






 ● ボルトリテーナー

 レッドスペシャルのトレモロユニットの構造上、スプリングを保持しているボルトをボディー側のどこかに固定しなくてはならない。当初ブロック状の鉄材にボルト用のタップを切ったものをトレモロチャンバーの壁面にスクリュー留めしているのかと考えていた(図20)。しかしこのブロックをトレモロチャンバーの壁に固定するのに難儀しそうだし、弦のテンションが全部かかるこの部位をそんなやわな構造でよいのか?と疑問であった。そして調査を進めた結果として、インナーアッパーのオークコア(ナイフエッジの下)にブロック(ボルトリテーナーと命名)を埋め込んでいるという説に傾いた(図21)。これならがっちり保持されるだろう。

 このボルトリテーナーはナイフエッジの下に位置するために、X線透過ではナイフエッジにマスキングされて形状の把握が出来ない。なので推定形状である。


【図20】もともとこういう構造かな?と思っていた。ナイフエッジは見やすいようにカットした。

【図21】リテーナーはボディー内部に埋め込まれていると結論付けた。




 ● アームベース


【図22】なぜか本体部は黒塗装?がされている。

【図23】なぜかアーム用のタップ?は左右両側に切ってある。何ゆえ? 本体エッジ(アープ用タップの周辺形状)も表裏でシンメトリーじゃなかったり・・・

 弦のテールエンドである。またトレモロアームは最終的にはこのアームベースを動かすのだが、アームが直接このアームベースに取り付けられているのではない。アームは一度真鍮のスリーブで受けて、そのスリーブがアームベースにねじ留め?されている。ちなみにこのスリーブを固定するべく上から袋ナットで留めているが、この袋ナットが真鍮なのだ。こんなのどこで売っているんだ?

 このアームベース、当初はカクカクエッジなのかと思ったが、X線透過で両サイドエッジが丸まっていることが分かった。きれいなシンメトリーじゃないのだが・・・。さらに内部のメインブロックに当たることろの色が黒だ。塗装したのか?なぜに?

 またアームSAが入る孔も両サイドに開けられている。これはちょっと「?」である。左利き対応???





 ● アーム


【図24】ぶらんぶらんしないのはスプリングワッシャーで抑えているからだが、これがいい感じ。

 レッドスペシャルのアームが編み棒を利用したっていう話は有名である。

 形状としては折れ曲がりが2ヶ所である。前回のモデリングでは平面的に折り曲げたが、それはモデリングがほんのちょっと面倒だったからである。それを海外の掲示板で指摘されていたのが悔しい・・・。なので今回は十分な調査のもと、自信たっぷりでモデリングした。



 ● ブリッジ


【図25】このブリッジがレッドスペシャルのいい意匠のひとつだと思う。

 レッドスペシャルのブリッジは以下の点に特徴がある。

 ・トレモロ操作での弦移動が出来るための「ローラータイプ」
 ・各弦に対して独立したブリッジ駒
 ・オクターブチューニングは固定した溝にローラーを移動する


【図26】ローラーの形状は適当。

 レッドスペシャルはストラトのようなストリングエンド一体型のブリッジではなく、レスポール系の独立型である。しかしトレモロ構造に対応したブリッジであるため、弦が引っかからないように「ローラーブリッジ」となっている。オクターブチューニングを行なうときは、そのローラーをブリッジに切ってある5本の各溝位置に入れ替えることで実施する。実際は1〜5弦は中央溝、6弦はひとつブリッジ側でほぼ固定されているようだ。つまりオクターブチューニングに対するアナログ的な調整は出来ない構造だ。

 ちなみにこのローラーは弦で押さえつけられているだけの構造であり、演奏状態で弦が切れると大変らしい(ローラーが散らばってしまう)。ローディーがステージ上を探しまわったとか書かれていた記事を読んだことがあるが、真相はいかに?(ちなみに私の改造Burnsはしっくり収まっており、簡単には抜けないぞ)。



【図27】ブリッジ形状を決めるためにデフォルメして書いたもの。

 そのブリッジであるが、一体型ではなく各弦に対応したブリッジ駒を6個並べたものである。そして弦の高さ調整もこのブリッジ自体で決まってくる。個々の弦別に高さ調整が出来るのか否か、右の図でブリッジ高さ方向の考察を行なおう。

 オールドレディーでブリッジの斜めから撮った写真は見たことが無いのだが、レプリカモデルをいろいろ見るとブリッジ上部には各駒の高さ差がある。なのでTYPE-1は却下。次にハイトが違う各駒+駒トップからローラー溝が一定値で掘ってある構造。うん、これにほぼ近い。だけどローラー逃げ深さ(L1-L2)が駒によって違うのはちょっと無いだろうと却下。次は駒寸法は全部同じにして、シム厚さで高さを変える作戦。これはよさそうに感じる。だけどどうも違うっぽい。

 結果的に落ち着いたのは、TYPE-4である。TYPE-2に近い。駒を上基準で見たときに各駒の形状が同じになるものだ。









■■■ ピックガード関係 ■■■

 ● ピックガード


【図28】必要なものは全部ボディーについている、というのを示したかった図だ。

 レッドスペシャルのピックガードの機能は、例えれば91年までのマクラーレンのマシンと同じである。といってもさっぱり分からないであろう。簡単に言えば、PU、スライドSW、ボリュームなどの部品はボディー(モノコック)に直接取り付けられており、ピックガード(カウル)には一切部品が取り付けられていない、ということだ。ボリュームもボディーに直接取り付けられて、延長シャフトを使ってボディー表面に引き出している凝りようだ。

 この構造はピックガードが文字通り「ビックガード」としてしか機能していないのである。すこぶるシンプルな構造で、かつピックガード表面に余計なスクリューが出てこないという美しさもある。ブライアンらしい考えである。しかし後から取り付けるピックガードは、ボディーに先に取り付けられているPUやスライドスイッチ、ボリュームなどとシビアな位置合わせが必要である。そこが欠点といえば欠点であるが、ブライアンならそんなのお構いなしだったのであろう。まあワンオフモデルだからどうでもなるけど・・・でもPUだけはそれを避けて「PUサラウンド」なる化粧パーツでごまかしている。

 ちなみにストラトはご存知の通りすぺてピックガードに部品を載せている。楽だよね。そしてBurnsもストラトに同じであるなのでPG表面にスクリューがあふれていて、ぜんぜん美しくないのだ。


【図29】BurnsのPG Assy。PUとSWを留めているスクリューを水色にしてみたが、ちょっと見にくいか。

【図30】裏は全くストラトっぽい。




【図31】PGのPUライン(水色)センターとPUサラウンド(赤)を見るとオフセットしているのが分かる。

 PUサラウンドで隠れてしまって分からなかったが、ピックガードのPUシェイプの抜き形状はPUよりも広い形になっている。さらにPGからオフセットされている。もともとのPG位置が今とは違うところにあったのか?まあそういう隙間とかがあってもそれを隠せるのがPUサラウンド(エスカッション)のいいところである。




【図32】左がBurns、右がOld lady。


【図33】Aが島、BがSWプレートが乗る「座」。

 レッドスペシャルのピックガード固定スクリューは図11右側に示すように「6個」と、ちょっと少なめである。これは、3mmという厚さからくる剛性の高さに起因しているのだと思う。実際3mmのアクリル板はとても安心感がある。これほどの厚みのピックガードをもったギターはなかなかお目にかかれないぞ。ちなみに左側はBurnsのPG固定のスクリューは10個もある。PGも塩ビでペラペラである。まさにストラトっぽい。

 しかしレッドスペシャルのPG留めスクリュー。実は普通に考えてるとちょっとはまる。それは図の緑矢印のスクリュー部位である。レストア時のストリップ写真を見ると図のような特徴的な形状の場所があるのがわかる。一段落ちた場所Bはスイッチプレートの「すわり」だろうとすぐに判断できる。そして中央の「出っ張り島」Aは、普通にすごく普通に考えると緑矢印の位置のPGスクリューを留める場所って思うだろう。

 しかしこれがトラップであった。レッドスペシャルの画像から見ると図11/緑矢印部のスクリューはリアPUセンターラインより少しだけ下に位置するのが分かる。しかしだ、図13の丸部はどうみてもブリッジより下のラインなのである。これは悩んだ。そしてレッドスペシャルの国内最大BBSで質問をしてみた。すると「スイッチプレートに孔がありそこに留めている」との教えを受けた。いいねBBS。ということで、位置は分かったが、なぜこの島があるのか?はいまだに謎である。唯一考えられるのは、ブライアンがピックガードの孔を開けるときに、本当はこの島の部分に開けるはずだったのを間違えてしまった、という説である。こればかりはブライアンに聞かないと分からないだろう。

 と前回書いたのだったが、冒頭のインナーアッパー/ロアをスクリュー留めしている事実が分かってから、この「島」はそのスクリューのためであることがわかって、非常にすっきりした。ではPG留めのスクリューは?というと、SWプレートの変な場所に位置している。行き当たりばったり感が高いのはブライアンっぽくないなぁ。




【図34】緑の矢印の部分が疑惑の孔。

 ちなみにこの疑惑スクリューの近辺のピックガードに丸い10mmくらいの孔が開いて知るのは、このページを探し当てた方は当然ご存知のことだと思う。初期には孔が開いていただけであるが、後期はそこに黒いテープが貼られていた。このテープがいかにも「アレ」な感じであり、神経質なブライアンとは思えないくらいの「アレ」なのである。昔何かで読んだときには「トレブルブースター回路」を内蔵する計画の名残と書いてあった。真相はよく分からないが、今回はこの孔も再現してみた。しかしまた疑問である。黒目隠しテープがはがれた画像もあるが、○孔の下にはボディーの赤が存在する。しかしどう見ても構造的にここはボディー表面ではない。PG裏から赤いマホガニー化粧版を貼ったのかもしれない。







 ● ブリッジ下ピース


【図35】ピックガードだけで外れる図。ブリッジ下には分割PGが残るのだ。

 PGだけで取りはずせるのがレッドスペシャルの特徴だ、とか書いておきながら、当初のモデリングは「ブリッジ」をはずさないとPGが外れない構造だった。なんとも中途半端だなぁ・・・と思ってモデリングしていた。

 しかしやはりカラクリがあったのだった。オールドレディーの画像を穴の開くほど眺めたとき、ブリッジ付近にPGの割れ?を発見した。さらに改修時の写真に、PGは外れてストリップ状態なのだがブリッジの下に黒いPG破片らしきものが残っているのに気がついた。それを先ほどの「割れ?」と合わせて考えると、ああやっぱりそうなのね、となった。ブリッジ部の下の部分だけはPGを別ピースにしているのだ。そうすれば本当にPGだけが外れる状態になるのだ。

 疑問が解けたときのビールは美味い!



 ● PUサラウンド

 普通に考えればピックガードと同じ素材(アクリル)だと思うし、当然私もそう思っていたが、大分年季の入ったオールドレディーの写真を見たときに違和感を感じた。もうボロボロなのである。ボロボロを通り越して一部消失している部分もある。いくら6ペンスコインが当たるからといって、ああいう形状でボロボロになるのか? という意味で、アクリルじゃない可能性が高い。厚みは2mmだと思ったが、それより薄い可能性もある。











■■■ 電装系 ■■■

 ● スライドSW


【図36】珍しい足のスライドスイッチ。とんがった「つば」部は手加工か?

 前回のモデリングに対してこのスライドスイッチの「つば部形状」と「足」が全く違っている。これもX線透過のおかげである。「つば部」が鋭角なのはなぜだろう?もともとこんなスイッチがあるとは思えないのだが。ブライアンが削ったとすればどういう意図だったのだろう? 今のブライアンに聞けば分かるのだろうか?

 またスイッチ下部の「足」は垂直方向に伸びるのが普通というか、そういうものしか見たことが無い。が、オールドレディーのそれは水平方向に放射線状に広がった「タコ足」のようである。これまた不思議である。スイッチ固定のスクリューは今となってはほとんど見ることの無くなったマイナス溝である。

 どうでも良いが今回は気合をいれて、スイッチノブのギザギザまで再現しておいた。







 ● スイッチプレート

 レッドスペシャルのピックガード表面にはスライドSWの留めスクリューが出ていない。なので内部で何らかの処理がされているものとは推測が出来た。そんな時フライヤーさんの写真からスイッチプレートの存在が分かった。さてここからが問題である。スイッチプレートなのはいい。で何が問題かといえば・・・

・スイッチプレートの下にスライドSWを設置
・スイッチプレートのSW用ネジ止め孔は上側で面取って、皿ネジでスイッチを締結
・するとスイッチプレートの厚さ分、スライドSWのノブがピックガードから下がってしまう
・ピックガードは3mm厚なので、もともとスイッチノブが出にくいとことに、さらに追い討ちをかけてノブが沈み込んでしまう

なのである。


【図37】スイッチプレートはこんな風に収まるのだ。

【図38】普通に考えるとSWプレートの下に収まるのだが・・・(下はカットモデル)



【図39】こういう風にSWプレートの上にスイッチがあるのだった!

 しかし、Old Ladyを見てみるとそれほどスイッチノブが沈み込んでいる風に見えない。なぜか?ここで大いに悩んだ。そんなとき楽器屋で「ブライアン・メイ本」を見た瞬間、「あっ」と声を上げるべくすべてが分かった。「なんだ、スライドSWはスイッチプレートの”上”に取り付いているんじゃん。」である。こうすれば、ピックガードに直接スライドSWを取り付けたのと同じ高さ関係だ。つまりスイッチプレートの厚さ分(1.5mm として)スイッチノブがピックガードから高く出るのである。ブライアン、あなたは良く考えているよ。既成概念に囚われていないんだね。

 ちなみにスイッチが収まる部分もスイッチの大きさではなくそれより2倍近くも大きく開口されている。まあ見えないところだしどんな形状でも構わないのだ、と思った。が、これもスイッチの「足」の形状から来ているものだと分かった。タコ足を落とし込むために広げたのか・・・







 ● ワイヤー中継ピン


【図40】ピンがどう埋め込まれているかは定かではない。

 PUからのワイヤは普通に考えればそのままSW部に導かれるが、ブライアン親子はPU横に金属ピンを立てそこで中継させる方法を選んだ。8本のピンがボディーに埋め込まれている。







 ● PU寸法


【図41】わかりやすいように白黒にしてみた。左がBurnsについていたPU。

 ご存知の通り、レッドスペシャルのPUはトライソニックである。しかしまだまだ知識の少ない私はトライソニックはひとつだけと思っていた。すなわち本物のレッドスペシャル(オールドレディー)にも、Burnsのレッドスペシャルにも形状的には同じ寸法である思っていた。しかしBurnsに搭載されていたトライソニックをCAD化してレッドスペシャルに載せてみると、PUの取り付け耳部がボディーにもぐりこんでしまうのだ。PUのザグリが浅いのか?もっと深くすればいいのか?と、足に合わせて座グリを決めると、なんじゃこの深さはなってしまう。初期モデリングでは悶々としていたのだ。

 しかしこれも何気にWEBサーフィンをしていたら、本物トライソニックの取り付け部は足の深さ方向が3mm程度浅いことが判明した。ああ、これで解決だ! ちみにBurnsについていたPUはケース下部がリップ状に広がっているのだ・・・




【図42】わかりやすいように白黒にしてみた。

 ちなみにオールドレディーの場合はPUはボディーに直付けされている。そのためPUの高さ関係がボディーとネックの形状で決まってくるのだ。高さ(厚み)関係は今回のモデリングで最も苦手とするところである。ピックガードの厚みが3mm、PUサラウンディングの厚みが2mmとすれば、各PUがPUサラウンディングからどれだけ頭を出しているか?ということで高さ関係を推定することができる。見たところフロントPU側でPUの出っ張りが1mmくらいか?



 ● ボリューム保持

 フライヤーさん改修の写真でスイッチやボリュームが取り除かれた状態で、向かって右側、スイッチ類のあるほうのチャンバー部に銅箔テープでシールドしてあるものがある。これのちょうどボリュームが存在するあたりに丸い出っ張りがある。これも想像であるが、ボリュームの高さ方向位置が適切ではなくスペーサーが必要になった。手っ取り早くコインを置いてみたらピッタリだったので、「採用」って感じではないか?○形状の大きさもまさにコインであるし・・・

 それとあわせてもう一点。出力とトーンの各ボリュームは小さなプレートにつけられている。そのプレート自体をボディーに留めているようだ。この留め土台も立方体然とした木片を利用している。その木片の上にも先ほどのコインと同じくらいの厚みのスペーサーが置いてある。つまり何かの理由でボリューム自体を持ち上げたいので、ボリューム下部とプレート下部にスペーサーを置いたのではなかろうか? 何でだかは全く分からない。


【図43】ボリュームの取ってみると、こういう感じになっているっぽい。時代によって導電黒塗装や銅箔などでシールドされている。

【図44】透視図で見た同アングル図。ボリュームを束ねているプレート形状は大分いい加減である。











■■■ ネック系 ■■■

 ● ネック全体


【図45】こんな感じでネックが長いのがわかる図。

 レッドスペシャルのネックはデタッチャブルタイプである。デタッチャブルというと「ストラト」なのだが、ストラトのようにボディーへの結合部はほんの少しだけオーバーラップするっていうんじゃない。レッドスペシャルはリアPU部分までネックがドドーンと伸びている。変形デタッチャブルといってもいいかもしれない。まるでネックだけで成立するスタインバーガーみたいである。


 さてレッドスペシャルのネック仕込み角は2度、ヘッドの折れ角は4度と言われている。こればっかりはどうやっても分からないのでサクッと信じることにした。2度とか46度と些細な寸法であるが、実際にCADで書くときはばっちり決めていないとモデリングが成立しない。つまり些細だから適当でいいじゃんとはならないのである。

 まず図461を見ていただこう。問題を明示的にするため、フォルムをわざとデフォルメして書いている。図はレッドスペシャルマニアの方なら簡単に分かると思うが、水色がネックシェイプ、オレンジがフィンガーボード、赤がボディーである。問題はXY平面(正面図)でわかるネックの幅方向に広がりに関するものと、YZ平面(側面図)で分かるネック厚み方向に関するものである。

そして以下の項目に頭を痛めた。

 A:ネックヘッド部折れ形状(ZY 4度)
 B:ヘッド部形状(XY ネック本体からのシェイプがナット部以降も引き継がれるのか?)
 C:ネックのボディー埋め込みの角度変更部位・形状(ZY)
 D:ネックのボディーへの埋め込み部形状(XY)


【図46】ネックの形状推定図。大分デフォルメあり。






 ● ネック/ヘッド部形状


【図47】折れ部分が分かるようにうまくアングルを調整して・・・

 上記A/Bに関してである。

 まずはAのヘッド部折れ形状であるが、以前は悶々をしていたのだが決定的な写真を見つけた。どこか屋外でのライブの画像なのだが、光の当たり具合がちょうどいい感じで、折れ部分がはっきりを分かる画像だった。これであっさり図のZY-2シェイプであることが判明した。ちなみにBurnsはナット部から曲がり始めているZY-1の形状である。

 続いてBのシェイプに関して。これはあまり深く考えることなく XY-2形状であると結論つけた。まあ普通に考えるとそうなるだろう。



 ● ネック/インボディー部形状

 C部形状に関してはZY-1、D部形状はXY-2とした。


【図48】不レットボードエンドR部とPUザグリの関係がポイントである。

【図49】ネックがボディーに収まる図。




 ● スケール


【図50】ストラト(648mmスケール)との比較

 レッドスペシャルのスケールは長身のブライアンからはちょっと意外であるが、ギターの中でもショートスケールな609mmである。さらに008といわれている弦やネックやブリッジの浅い折れ角も勘案すると、弦はゆるゆるである。それがブライアンサウンドの一翼をになっているかもしれない。

 ギターは弦楽器であり、その音程/音階と弦長などは数学的に決まるのである。そしてネック上のフレット間隔は絶対的幾何学寸法で規定されるため、写真から「実長さ」を導くための基準にはもってこいなのである。この609mmスケールが分かれば各フレットの位置が計算で算出可能だ。0フレットとブリッジ間609mmを17.817で割った値34.24mmが0-1フレット間距離である。次は609mmから34.24mmを引いた値をまた17.817で割った32.32mmが1-2フレット間距離となる。




 ● トラスロッド


【図51】まあこんな感じで埋め込まれているのだろう。

 今回はトラスロッドのモデリングにも挑戦してみた。トラスロッドは湾曲した状態でネックに仕込まれているのが普通らしいが、どうやらレッドスペシャルには直線棒状態で組み込まれているらしい。さらにトラスロットを回したことすらない、という記事を見たような。では、そのトラスロッド、ネックにどう仕込んでいるか? ネックの裏側には加工痕がない。なので、図のようにフレッドボード側に切り込みを入れて、ロッドを仕込んだ後に長尺の木片で埋めているのだろう。

 それを確信したのは、トラスロッドカバーをはずした状態のネックヘッドの写真があって、それをよ〜く観察したとき、この埋め長尺木片に相当するところの色が微妙に違って見えたからだ。こういう見逃してしまいそうなところに真実を見つけると非常にうれしい。



【図52】ネック固定用のボルトにトラスロッドが引っ掛けられている図。トンネル貫通?のためについてしまったの溝?

 レッドスペシャルの場合、トラスロッドの調整はヘッド側で締め込むタイプになる。つまりボディー側はネックに固定されている必要がある。この固定方法が少し面白い。

 レッドスペシャルのネックはM10くらいのまさに「ボルト」でボディーに締結されている。このボルトにトラスロッドを引っ掛けているのだ。当然ボディーやネックにはトラスロッドを逃げるために溝が掘られている。くわえて、ネックのヒール部はトラスロッドを入れ込むためトンネル状の加工が必要だ。どうやらここは試行錯誤した感じで、ネックのボディー端側から長いドリルを入れ込んだ形跡が見られる。違うかもしれないが・・・




 ● トラスロッドカバー+ナット

 ネックヘッド部の折れ曲がりがナット部からではなく、もう少し先の方からと分かった時点でトラスロッドカバーに対する疑問が発生した。曲がり部にモロにかかる部分であり、リジットなロッドカバーは同取り付けられているのだろうか?と言うことである。これは今でもわからない。なのでカバー自体が変形しヘッドにぴったりついているわけではない、とした。

 さらにナットにもある仕組みが隠されていた。トラスロッドカバーのスクリュー留めが1ヶ所であるのは写真を見れば分かるのだが、上記のように曲がりにかかるプレートを1点で留めるとなると、ナット側で壮大な隙間が発生してしまう。実はそれを緩和する作戦がナットに仕込まれていた。つまりナットの下側にトラスロットカバーが入り込む隙間を設けていた。つまりトラスロットカバーの上側はスクリューで、下側はナットで押さえ込まれている。なのでトラスロッドカバーが少し湾曲した状態が維持されるのであろう。


【図53】下側のは普通に曲げないでトラスロッドカバーがつくとこんなですよ、という図。

【図54】ナットの下にトラスロッドカバーの収まる場所があったりした。



 ● フィンガーボード

 レッドスペシャルのフィンガーボードは塗装仕上げなのであった。これはびっくりだった。まあストラトのメイプル指板なども塗装仕上げであるが、ローズ(黒)系はそのままっていうのが自分の中の常識であった。しかしこのピカピカピアノブラックのフィンガーボードがレッドスペシャルの意匠として際立たせていることは事実である。実際Burnsなどは未塗装(実は塗装してある事実はBurns解析のところでのべる)であるため、やはりそれっぽく見えないのだ。逆に言えば塗装しただけで、いきなりそれっぽく見える。

 ドットインレイ(ポジションマーク)は母親からもらったパールをスライスしたって言うのは有名な話である。がどうやってスライスしたのか?は分からない。またフレットボードサイドのポジションマークがちょっと曲者である。85年の写真ではサイドポジションマークが無いのだが、93年の写真ではサイドポジションマークがついている。フライヤーさんの改修でつけられたのだろうが、今回のモデリングはなるべくオールドオリジナル形状としたかったため、サイドポジションマークはなしでいくことにする。

 12フレット、24フレットにはポジションマークが3個つく。よく話題にされるのは、このポジションマークの間隔が結構狭いよね、というものだ。確かに狭い。でもそれがレッドスペシャルの意匠なのである。そしてもうひとつ言われるのは、BurnsやBMGのレプリカはなぜにこの特徴的なポジションマーク間隔になっていないのか?ってことだ。良くあるのは完全コピーをしないためにわざわざ変えている、っていうやつだが、既に他のところが違いすぎるのでそれはなさそう。Burnsは結構いい加減っていう説もあるので、それが真相かもしれない。




 ● ペグ

 オールドレディーは当初相当しょぼいペグがついていた。79年の日本ライブバックステージの写真を見てみると、ちょっと唖然とする。でもこのヘッド部の「広々とした感じ」がレッドスペシャルの意匠なのであった。

 なので久しぶりにレッドスペシャルに興味を持ち、調べ始めて違和感を持ったのがこのヘッド部のいかにも一般的な「感じ」なのであった。クイーンの中後期はペグもリプレースされていて、ヘッド表側にごく普通のペグよろしくスペーサーと6角ナットがある。しかしそれが違和感の元凶であった。初期のレッドスペシャルはヘッド表にペグのスペーサーやナットが存在していないことがその要因なのである。




■■■ その他 ■■■

 実はコンプリートのつもりで書いたのだが、まだまだ分からないところがある。大所を以下に記しておくが、解明された方がいたらぜひ教えて欲しいと思う。ブライアンからメールが・・・来るわけ無いか。

●不明点1
 X線透過写真を見るとナイフエッジプレートの下に何やらPU形状と同じような影が見えるがなんだかさっぱり分からない。影からみて金属であることは推測できるが・・・。もしかしたらボルトを受ける「ボルトリテーナー」がそういう形なのかもしれない。う〜ん・・・

●不明点2
 X線透過写真で形状を推定できたボディー骨組みであるが、実はその形状だとミドルPUのねじ留めが「空中」になってしまう。まさかミドルPUを固定していないってことは無いと思うのだが・・・



■■■ フライヤーさんのレッドスペシャル改修の写真と同アングルのCAD図 ■■■

 多分このページをご覧いただいている方々はフライヤーさんの改修写真などを見られていると思う。今回はちょっと茶目っ気を出して、それと同じアングルのCAD図を載せてみよう。