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■■■ YAMAHA DX-7s ■■■



背景

 私は本来キーボードを弾く環境にないのであった。しかしきっかけはクイーンである。

 クイーンはロックバンドでありながらピアノがフィーチャーされている。それはリーダーであるフレディーの音楽観から来ているのだろう。そしてクイーンのピアノは嫌って言うほど曲にマッチしているのである。ロックとピアノがこれほど合うなんて・・・。そういうこともあって、クイーンを知った中学以来、私のピアノ熱は非常に高まった。

 高校に入って音楽関係の同好会に入った私は、音楽室にあるピアノを触れるという千載一遇のチャンスを得たのだ。先輩もバンバンピアノを弾いていたりして、なんとなく私もピアノを弾くようになった。素材は当然「Bohemian Rhapsody」である。この曲のピアノは結構簡単であり、練習にはもってこいであった。以降高校の仲間は私を見るとBohemian〜であり、Bohemian〜を聞くと私を思い出すことになる。さらに高校で洗脳を受けたオフコースもピアノバンドなのであった。

 そして高校を卒業してピアノを弾く機会が失われると、なんだか無性にピアノが弾きたくなった。そういう強い想いはチャンスを引き寄せるもので、近くの家で長女さんが引っ越しするのでピアノが要らなくなる、という情報が我が家に舞い込んできた。ちょっと古いが破格の5万円でピアノを頂いた。ああ至福のピアノである。

 しかし老朽化した我が家はその建て替えの時期に達していた。そして社会人になって早々、我が家はオニューに生まれ変わった。しかし建て替え時にピアノを維持している余裕は無く、泣く泣く近所の幼稚園に「寄付」されていった。

 しかし新居の間取りは長男である私の双肩にかかっていた。ということは私の部屋だけがスペシャルになったということである。そのスペシャルなマイルームには、欲しくて欲しくてたまらなかった「ヤマハCP-80」(オフコースや八神純子のピアノで有名)が置けるようにデザインしておいた。そして中古物件の物色が始まった。当時はインターネットなんて便利な道具があるわけでなく、もっぱら「プレイヤー誌」の売ります/買いますコーナーを利用していたのであった。何件か物件を見に行ったが、程度を価格のバランスが悪く、買うまでにはいたらなかった。

 そんな頃、一斉を風靡していたヤマハのDX-7の後継機「DX-7s」(どこかのカメラの命名法則みたい)が発売になった。安くなって、メンブレンだったスイッチがタクトスイッチでめちゃ感触がよくなった、そしなんとなくデザインが洗練された感じだった。そして何気に寄った楽器屋で衝動的に買ってしまった(この癖はいまだに直っていない)。

 喜び勇んで持ち帰ったのだが、音色のプログラムに時間を費やす元気がない、というかスキルが追いつかない。なのでプリセットで楽しんでいた。DXは一斉を風靡したFM音源である。しかし私はこのFM音源が得意とするところの「キンキン・カンカン」した音色がなじめなかったのだ。初めて聞いたFM音源は、カシオペアが使ったGS1であるが、CP80で攻めていた頃に比べ、新しい感は強いが、音楽を奏でる楽器としては全く同意できるものではなかった。ということで、今ではオーバーハイムの音源(Matrix1000)のMIDIキーボードとして活躍している。Matrixは強烈なアナログ音源であり、その温かみのある音にはおもわず「にんまり」してしまうのだった。

 そしてピアノ以外のキーボードを弾かなくなってはや数年、久しぶりにDXのスイッチを入れたら動かなかった。ネットで調べたら、DX7はコイン電池の消耗が激しく、軒並みメモリアクセスができなくなっているらしい。ということで、ばらして電池交換&電池端子をケース外側に取り出しておいた。



■■■ ショット ■■■






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