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■■■ Greco GO900 ■■■



背景

 ギターを言えばレスポールとストラトが2大スタイルであり、それ以外を買う人はよっぽどの変わり者!と思われていたわが青春時代、メーカーとしても最も売れるこの2タイプに注力していたのはもっともなことである。

 しかし、しかしである、自社のオリジナル形状っていうのはメーカーにとってやっぱり欲しいのであろう。グレコは77年のGOシリーズを発表したらしい。77年といえば中学真っ只中であり、カタログを枕に寝ていた時期でもある。なのでGOの前身?でもあるMRシリーズからGOに流れが変わった感じをいまだに覚えている。MRはめちゃかっこ悪かった。あとバイオリンフィニッシュのレスポールモデルもあり、コレはコレで「渋い!」を子供ながらに思っていたのだった。

 そのGOであるが、実は当時それほど欲しかったわけではない。しかし気にはなっていた。PUのセンタータップと位相反転スイッチ、24フレット、潔いスルーネックなどが光っていた。さらに日曜の11時30分から東京12chで放送していた「近田春夫の○○(名前失念)」っていうバンド番組のCMがギター編では「GOシリーズを弾く和田アキラ」なのであった。ちなみにベースシリーズはスティーブ・フォクスのチョッパーであった(ちなみにドラムはトミー・スナイダー)。

 そんなこんなで20年くらい経つと、レスポールとストラトっていうあまりにもトラディショナルなギターにちょっと飽きが来たのだった。そんな頃なんとなくダブルカッターのGOが記憶の片隅から呼び起こされ、欲しい欲しい病がむくむくと沸き起こってきた。そんな時友人のお父さんのお葬式があった。同僚を電車に乗り向かうさなかこんな会話が交わされたのだった。

「俺さぁ、なんか今ギター欲しくなっちゃってさぁ〜」
「えっ?俺昨日ギター捨てましたよ。もう整理つかなくって・・・」
「へぇ〜そうなんだ。でも俺の欲しいのって古いやつなんだよね。」
「私の捨てたのも古いやつですよ。中学の時に買ったんだったかなぁ?」
「俺がほしいのってさぁ、”GO"って結構マイナーっぽいやつなんだよね」
「あれ?俺の捨てたもの多分GOってやつですよ?」
「なにぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
「今頃夢の島ですよ、拾いに行きます?」
「・・・・・」

ってな具合で、人生うまくいかないのである。

そして時代は流れインターネットの時代に。オークションっていう便利なシステムが子供の頃に欲しかったものをどんどん買い捲ることを可能にしてくれる。そしていよいよGOが私の手にやってくることになった。いまやGOはジャパン・ビンテージと呼ばれ、結構な価値があるらしい・・・

 さらにGO900には前期型と後期型があり、前期型はフラットトップと24フレットの組み合わせ、後期型はアーチドトップに22フレットの組み合わせ。私がゲットできたのは前期型であった。


レビュー

 いろいろなサイトに書かれているように、ネック・ヘッドがやけに重く、そのままではずるずると下がってきてしまう。コレはつらい。ネックは極細に感じられた。またSGのように21フレットあたりでボディーと接合するつくりなため、ハイフレットは弾きやすいのだが、「今何フレットあたりを弾いている?」という感覚が他のギターと合わない。

 ハードウエアとしてはグレコの力作って感じがするつくりでもある(まあアレンビックのコピーと言われているが)。ブラスナットやスルーネック、タッピングPUなどてんこ盛りである。シェイプは最高にかっこよく見えるのである。ヘッド側がもう少し軽くて持った感じがしっくりくれば、このギターだけですべて済まそうと思うくらいである。



■■■ ショット ■■■




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