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■■■ Roland V-Drums TD-8 ■■■





背景

「懲りないヤツ」とは全くもって私のことである。

 ヤマハのサイレントドラムを勢い買ってしまい、バラ色の夢を見たのもつかの間、才能の無さを実感したというのに、楽器屋においてあるローランドのV-drumsをみて「やっぱりメッシュヘッドじゃないからうまく出来ないんだよ」と下手な自分を棚に上げ人(物)のせいにする自分がいるのであった。でもメッシュヘッドはやっぱり叩いた感触が全く違っているのであって、かすかな望みを抱かせるのも分からなくはない、というくらいいいものである。それでもローランドのV-drumsはなんとなく30万コースっていう感じであって、「やっぱり手が出ね〜ぜ」といわざるを得ない日々が続いた。ちなみにヤマハの知人に聞いたところによると、メッシュヘッドは特許でがんじがらめで、ヤマハは手を出せないようだ。

 そんな日々をぶち壊してくれたのが「ヤフーオークション」である。しこたまギターを買い込み、「もう打ち止めぇ〜」となったのはいいが、つらつらオークションサイトを眺めていると、V-drumsにぶち当たってしまった。なんと、10万!安い!でもフレームが無い・・・のだが、私はヤマハのDTXのフレームがあるので、これを使っちゃえ!(実際アタッチメント類がフレームの径に合うかどうかは賭けだった) フレームがない分、競争も少ないだろう。

 予想の通り、入札はそれほど多くなく10万で落札完了!しかしあまりに急に落札してしまったので、相場を見るゆとりが無かった。「勢い」とはそういうものである。そしてじっくり相場を調べてみると、ぬぬぬぬぬ・・・微妙に高いじゃん。これも後の祭りである。過ぎたことをグジグジ悩んでもしょうがない(とはいえ、私は過ぎたことをいつまでも悩むタイプなのである)、楽しきゃいいじゃん、と前向きに「振舞う」ことにした。

レビュー

 さてフレームがない分衣装ボックス1個というコンパクトさですべての機材が送られてきた。当然翌日は都合よく腹痛になり、会社を休む羽目になった。都合のいい「おなか」なのである。

 そして体調不良で休んだにもかかわらず、朝の8時過ぎからドラムの組立てにいそしんだ。各パッドをローランドやヤマハのアタッチメントを駆使して取り付けるのだが、いいポジションが得られたのはもう夕方だった。

 心配していた、フレームであるが、これまた全く同じ径であり、アタッチメント類が使いまわせるのは最高であった。こういうところで変に張り合わないメーカーはいいね。また音源/コントローラーを取り付けるネジ孔4つも全く同じ位置でかつ同じネジ径である。すばらしぃ。グッド、トレビア〜ン、マーバラス! だが2社で全く思想が違うのが、パッドとアタッチメントの取り付け方向である。ヤマハはパッド面に平行にシャフトを挿す、ローランドはパッド面と垂直にシャフトを挿す。ヤマハはすべてがゴムパッドなので、パッド裏に平行に穴を作ったのだな。ローランドは基本がメッシュパッドなので、パッド側面に出っ張りを付け、そこに垂直に穴を作ったのだな。

 が、すばらしくない面もある。ネットでも書かれていたが、初代のアタッチメントは樹脂のネジスリーブに強度的な問題があるらしく、いくつかのスリーブがかけていてネジが締まらなかった。またちょっと強く締めると壊れていないスリーブも、パキパキと音を立てて割れた。設計不良ですな。またスネアとバスドラはヘッドの張り調整用スクリューを樹脂ネジで受けるのだが、この樹脂ネジが半分くらい欠品していた。当然ネジ部に挿入されている金属パイプ(スペーサー)もなくなっていた(このパイプは買ってきた金属パイプから切り出した)。

 初期のV-drumsはシンパルは小さい丸パッドなのだ。今は安いのにもシンパルの形をして普通のシンパルスタンドに取り付くまさにシンパルっぽいものが付いている。ハイハットも同じくただの丸パッドだ。今のはちゃんと2枚ハイハットなのに・・・でもシンパルもハイハットもセンサが二つあり、真ん中を叩いた場合と、周辺を叩いた場合で違う音が出せるのだ(実はヤマハのもそうだけど)。そしてハイハットは踏んだ音や半開きの音やそれこそ本物そっくりの音が出せる。前のヤマハのはどうも不良品をつかまされたらしく、この辺が全く違いを出せなかった。

 またスネアも優れものだ。リムを叩くとちゃんとリムを叩いた音がする。すごいぞ。それにスネアのロールっていうのも出来ちゃう。叩いていてはね返りが全く持って心地よい。メッシュヘッド万歳!

 音源/コントローラーもまたすごい。限りなく搭載されている音源と、ここまでやるか?というくらいのカスタマイズ性、ああ、V-drumsにして良かったなあぁって心底思った。

 さてこれでドラムを叩いたら・・・おおお、ヤマハのときより叩けているじゃん俺!っていう具合であった。なんだか練習を積めばちょっといけちゃう感じである。でもこうやってちょっといけそうだと、「やっぱりシンバルはシンバルの形にしたのが・・・」とか「ハイハットはちゃんと2枚なきゃねぇ・・・」とか、身の破滅方向に物欲が刺激されてしまうのがちょっと怖いこの頃である。

 また、V-drumsが結構良すぎたので、ちょっと奮発することにした。それはドラムスローンである。ドラムスローンとはドラム用の椅子のことである。これも回転で高さ調整できるちょっといいのを買ってみた。関係ないけど、「エイリアス」という米テレビドラマにはまっているのだが、つい先日5シーズンに及ぶ放送が終わった。ここに出ている、悪役のようでいい者のようでもあるキーマンが「スローン」だった。ただそれだけである・・・



■■■ ショット ■■■




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