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■■■ YAMHA SF500 ■■■


背景

 記憶というものは人間の成長性カーブの微分値に比例して強くなるものだと思う。簡単に言えば、若い頃の記憶はよく残るということである。

 中学高校と教科書よりもギターのカタログを良く見ていた私は、当時のギターがいまだに頭から離れないのである。その離れないギターの中でも特に気になっているのが、ヤマハのSFシリーズとグレコのGOシリーズだ。両者に共通するのは、ダブルカッターウエー+24フレット仕様でハイポジションが弾き易いってことだ。さらにバインダーがないストラトのようなやさしいエッジを持っている。いうなればレスポールとストラトのいいとこ取りみないなギターだ。

 07年の某日、ヤフーオークションの第3回落札物がこのヤマハSF500なのであった(1回目はクイーンの楽譜、2回目はショパンの楽譜)。本当はSF700の方がほしかったのであるが、中古モノは「欲しいときに買わないと買い損ねる」ってハードオフに張り紙がしてあったので、それに従った。売主は東京の北のほうの人だったので、南北に短い東京なので、南端から北端まで、仕事が終わった夜、車で取りに行ったのだった。ちょっと怪しげな人だったなぁ。

レビュー

 コンディションはそれほど悪くない。金属パーツの錆もないし、あっても磨けば取れそうなくすみのみだ。フレットはそれなりに減っているがまあいいだろう。大きな傷もない。塗装も痛んでいない。だがギターという本来の趣旨からするとちょっとまずいところがあった。まずチューニングが安定しない。よくよくチェックすると、この機種は安いバージョンなのでデタッチャブルネックなのだが、締め付けが緩んでいた。締めたら直った。オクターブチューニングが狂っていた。これもブリッジで調整したら直った。しかし良く分からないのがヘッド側のナットだった。浮いていて下に紙がはさんである。当然そのへんてこな紙ははずしたが、なんか釈然としないなぁ。とりあえずバーツをはずして磨いてみた。きれいになってにっこりだ。

 さて弾いた瞬間だが、「ネックが太い」「指板がフラットだ」と感じた。弾き心地は悪くない(と、書いたが先日散々レスポールを引いた後に弾いてみたら、左手系がやけに引きにくいと感じた。弦高の問題かもしれない)。さらにSGもびっくりなダブルカッターなので、ハイポジションはすこぶる弾き易い。イーグルスのホテルカリフォルニアの最後のアルペジオ部もこれならOKだ。ただし他のギターと比べ、ハイポジションがあまりにも広大に空いているので、ポジショニングの感覚がちょっと狂ってしまう。ポジションマークが2フレット分くらいずれている感覚だ。ポジションマークはシンプルなドットタイプだが、SF700のほうはちょっとデザインチックな奴でそっちがいい。ネックジョイントは先に書いたようにコストダウン型のデタッチャブルタイプだ。SF700はセットネックなのだ。ちなみにヘッド部に書いてある横文字を読んでみると「Super Flighter」と書いてある。それでSFである。

 このギターはリビングの端に「ボロン」を転がしておいく練習用なのだ。なのでひたすら雑に扱って、渋さを出してあげることにしよう。

■■■ ショット ■■■




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