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■■■ ミニストラト ■■■

 とある年末の日、Paddock-Coubの読者M様よりメールが入った。「佐藤さん、ハードオフめじろ台店にミニストラト売ってますよ(写真付)。あれのベースになりますよね」と、背中を押されたというか、剣で突かれた。そして年末の大渋滞とハードオフの駐車場に入れるのに20分待って、送られてきた写真どおりのミニストラトを、1分で買って、即帰ってきた。

 ZO-3ばかり作っていたが、やっぱりストラトシェイプのミニが欲しかった。でも音響系や楽器としてのつくりは、ZO-3のそれに対して、著しくなんちゃってなのであった。

■■■ 構想検討 ■■■


【図1】

 「構想検討」などと書くといかにも仕事っぽくて、血圧が上がってしまうなぁ。早く定年にならないかなぁ?と言うのはおいておいて、今回のミニストラト、ミニなだけあっていろいろと考えなくてはならないところがある。

●シェイプが微妙に違う
●PUはフロントにシングル一発
●ブリッジの位置が違う
●ネック幅が違う
●VOLやスイッチの位置が上手くない

 まず、PUをオリジナル通りにリアにハムにするか?否、これはSP部分が干渉して無理である。ならがシングルを生かしてデフォルメしよう。ブリッジの位置もテールエンドピン側によっている。実はフランケンBWRのストライプのいいところはブリッジとテールピース間のところだと思っている。ブリッジがエンド側によっていると、この模様を隠してしますのだ。でもあっさりあきらめよう。ボリューム位置はオリジナルに忠実な位置に付け直そう。基板にじか付けしているVOLやLED、スイッチなどは取り外して、開けなおした孔に移動する。

 こういう「どうしようもなさげな素材」を何とか形にしちゃうところにちょっとしたやりがいを感じるのである。人生「やりがい」は必要だ。昨今はなかなか仕事でやりがいを感じられないので、趣味でそれを感じるしかないのである。

 さて、上記のようなパーツの配置は以下のように、リアルサイズBWRフランケンとミニストラトを透過させ、重ねて大体の方針を立てるのだ。これはマスキングテープを貼るときにも場所のイメージをつかむために必要である。





■■■ ネック ■■■

 ネックで手を入れるのは、ペグの交換とヘッドに入れるレターロゴだ。比較的楽じゃん、と思っていたら結構大変だった。もともとついていた「6連型のペグはウォームギアのガタが大きすぎるため、その辺のストラトについてたものと交換する。しかし、やってみたら孔が小さいので径を広げないとためだった。いい感じのドリルが無かったので、リーマでがんばったら異様に疲れた。


【図3】

【図4】




 で、レターロゴ入れ。ストラトっぽいヘッドだったらレターロゴなしでいけるのだけど、なんとなくペイサーヘッドっぽいので、「Kramerロゴ」を入れることにした。で、デカールをさくっと作って、さくっと貼って、3日乾かして、うす〜くうす〜く、クリアーを吹いていく。そして1週間後にどばぁ〜とクリアをいた。これで完璧。テーブルにネックを置いて乾かしながら、新しく買ったスマホの契約書をクリアファイルに入れていた。でも、買ったところや時間が違うクリアファイルは孔位置が微妙に違うので、それが嫌な几帳面な私は、入れ替えたりしていた。そしてなにか?が、脳に通信してきた。「やばいぞ」と。

 そして0.256秒で横を見たせつな、夜の2時なのにもかかわらず「ぐわがぁあぉ〜〜〜〜〜」と叫んでしまった。なぜか。横に置いたクリアファイルが最後にどばっと吹いてテロテロになる前のネックヘッドの上においてあった。やばい、やばすぎる。くっついているか?いないか? やばいと思ったときは、だいたいにしてやばいのだ。恐る恐るクリアファイルを持ち上げたら、Kramerのロゴが一緒にはがれてきた。泣いた・・・


【図5】

【図6】

【図7】

【図8】





■■■ ボディー加工方針 ■■■

 さてボディーの足付けをよくするため、軽くサンディングして、マスキングテープを貼っていく。ストラト風シェイプなので、オリジナルに近いストライプにしないとちょっとまずい。これが大変なのだ。そして白を吹いてマスキングテープをはがすと、きれいにBWフランケンの出来上がり。でも??? ここも一発では決まらない。なぜかと言えば・・・


【図9】

【図10】

【図11】

【図12】



 マスキングテープをはがしたら、ボディーのもともとのクリア塗装が一緒にはがれてきてしまった。これほど弱いクリア塗装はじめてだ。さすがいかにも安そうなミニストラト!しかもクリア塗装の上に白を吹いたので、白まで一緒にはがれてきてしまった。くぅ〜〜〜。泣いてもしょうがないので、黒をマスキングして白のレタッチだ。



【図13】

【図14】


 そして最後の赤塗装。う〜ん、いい感じ。


【図15】

【図16】

【図17】

【図18】





■■■ パーツ類 ■■■

 スピーカー内蔵ギターの場合、SPネット、バッテリーBox、出力ジャックエスカッション、裏ふたなど、結構いろいろと小物がおおく、この小物がまた面倒である。でも面倒を越えないと完成しないので、面倒でもやらなきゃいけないのだ。

 SPネットは黒を生かして、マスキング後白を吹く。そして赤を吹く前に黒を白をマスキングするのだが、金属に塗装なので塗料の食いつきが心配だ。なのでマスキングテープの粘着力を弱くして利用するのが良い。同様に4回くらい失敗したのが、出力ジャックの塗装である。金属にメッキしたパーツなのだが、まずグレーサーフェーサーを吹いて、その上に下地の白を吹いて、マスキングして赤を吹いたが、マスキングテープをはがすと、ベースのサーフェーサーからもっていかれてしまった。次は食いつきをよくするために、荒めのペーパーで下地を荒らしたが結果は一緒、そんなこんなを繰り返した。結局マイマスターサーフェーサーの「ソフト99」がダメで、HOLTSのサーフェーサーならOKだった。

 出力ジャックはサイドにあるのだが、やはりボディー表面にあったほうがよい。なので表面になんちゃってジャックを作っておいた。表面にはクロームのシールを貼っておいた。なんかそれらしくていいぞ。


【図19】

【図20】



【図21】

【図22】



【図23】

【図24】





■■■ 祝い完成 ■■■



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