■TOP > ジャンクギター再生工房 > VOXアンプのグリルをメッシュネットに変更

■■■ 経緯 ■■■


■自分の悪い癖とは分かっている。お金の問題じゃなくて場所の問題・・・

 ブライアンといえばVOXってのは少しでもクイーンに熱をあげた人であれば周知の事実である。かくいう私もこの年になってVOXを買ってみた。というかハードオフで刺激されて買ってしまった。

 実はVOXが欲しいというよりも、12インチSPで密閉型アンプが欲しかった。なんとなく、大型スピーカーで密閉型だと、ピックを弦に触れた時に「ガツン」という心を刺激する音がなりそう・・・という憧れからである。

 ハードオフだと1万円強だったりだが、さすがにいくらなんでもクロスバイクで来ている身としては持ち帰れない。と買う気満々で家に戻りちょっとネットで調べたら、メルカリで8000円弱だった。いいやこれで・・・と「ポチ」。しかしあまりにもいいアンプだったので、その後別のハードオフでも追加1台。それでブライアン一人2重奏ができるぞ。しかしこんな大きなアンプ2台をどう収めるか。その前に「一生もん、これでアンプは打ち止め」と言って買ったBLACKSTARもあるし。でもBLACKSTARなら前面に操作ツマミがあるから上下スタックができるが、VOXは操作ツマミが上面にあるからねぇ・・・。

 このVOX AD50、お気に入り度満点に近いのだが、その「近い」と言わざるを得ない減点なのが「ピカピカなスピーカー保護のグリル」である。VOXの安いタイプは大体それで、いかにも「これは安いモデルです」と宣言しているようにしか見えない。スピーカー2発な同モデルは同じグリルでも艶消し黒なのでまだよいのである。

 さてクロームメッキが何よりも嫌いな私であるからにして、このグリルは何とかしなくてはならない。というのが今回の話である。



■■■ 材料調達 ■■■

 なにかを作ろうと思ったとき、さあどう料理してやろうかなぁ?と考えるのは至高の時間である。今回は木枠を作ってそこに布メッシュグリルを貼って、リプレースという作戦にした。

 さてこの構想がすぐに実施できなかったのには少し理由がある。それは「安価なメッシュネット」が無かったことである。アマゾンで見ると1500円くらいする。自分的には300円で買いたいところ。ここがしっくりこないので計画が半年遅延した。しかし探せば見つかるもので、これまた見つけたのはネットである。いまや中国のネット通販は外せないのがよくわかった。Banggoodというところで600円、初回利用のクーポンみたいなのを使ったら200円くらいだった。グー! まあ忘れたころにやってくるのはこの手の定番であるが・・・


■中華部品をアマゾンする人にはお馴染みな配送スタイルである。やわらかいものなので壊れる心配なし。これはシンガポールから発送されていた。

■うむ、プレーンが柄でちょっと色気が足りないが、許容範囲内である。伸びるの方向と伸びない方向がある織り方のようだ。





■■■ つくる ■■■

 改造の始まりはばらすことである。ばらすのは面白い。ああ、こうやっているのね、こんな構造なのね・・・とワクワクするのは小さいころから変わらない。ギターアンプなんてばらしても面白くないと思われるが、意外なところが面白かったりする。AD50VTの金属メッシュは単なる平板打ち抜きではなく、一辺のみエッジをコの字型に折っていた。コストかかりそう。反り防止かな、それともマスを持つメッシュなのでバッフル板に直付けだとビビるのを嫌がったのか? そんなことなので、金属グリルはバッフル版より浮いている。浮いているままじゃダメだと、樹脂のスペーサー10個を介してバッフル板にネジ留めされている。


■きちんと加工してある高そうなメッシュ。

■木ネジしてあるヵ所が良く分かる絵。バッフルやエンクロジャーが分厚いのだ。





■オリジナルのメッシュグリルをベースに直角などを決める。この木製フレームを作るときにはこの直角が一番肝になるのだ。。

 外したメッシュと同サイズに木枠を作る。但し、メッシュは固定のため裏まで回り込むため、全辺1mmだけ小さく作るのがコツである。木枠はジオラマ作ったときに買った大量の厚みある木片を使いたかったが、アンプバッフル板からの出寸があまりないため、カインズで新たに買ってきた。幅はあまり細身にすると板がしなりそうなので、20mm幅とした。模型用の木枠なら、多少直角が出なくてもスチロール板の切り出しを調整すれば何とかなるが、相手がありものだときっちりつくらなければならない。接着の時に神経を使う作業となる。

 ちなみに白い紙はカレンダーの裏である。作業用の大型紙として期日が過ぎたカレンダーをストックしている。こういうのが「断捨離」できない、「もったいない番長」の性格なのである。





 接着完了後、四隅にRを付けてバッフル板にはめてみる。おお、この少し緩いくらいの感触、よしよし。しかしこのままメッシュネットを張ってしまうと、黒一色ののっぺりとした「お面」になりそうだったので、アルミLアングルをかましてみた。なかなかいい塩梅となった。木枠はこのままだと透けて目立ち過ぎなのは明らかなので、黒く塗装しておく。こういう塗装はゴミやら垂れやら気を使う必要がなので気楽である。


■ぴったりはまると気持ちいい!

■アルミLアングルでアクセントをつける。





■下地処理とか全く考えることなく、さくっと吹いてさくっと乾きあっという間に出来上がり。

■メッシュ越しでも黒なら目立たなくてOK!




 さて初めての経験である「メッシュ張り」だ。計画としてはホチキス針でメッシュを留めるかんじ。一方をホチキスでガシガシ留める。そしてもう片側を程よいテンションを維持した状態でまたホチキスでガシガシ留める。交差する方向は伸びない方向なので、基本楽に行く。最後に余分なところをハサミで切落とせば完成。

 しかしここで事件が。ホチキス留めはホチキスを開いた状態で置き、上から思いっきり叩いて針を出す。しかし思いっきり叩くときに叩きどころが悪く、小指の付け根を変な具体に強打した。たぶんこれで骨が砕けた。作成して3か月経つか、まだここが何かにあたると激痛が走るのである・・・


■短辺側が伸びる方向である。余裕をもって取り付けたら、こんなに余ってしまった。まあ余させても使い道ないからこれでいいんだけど、貧乏性な私はちょっと心が痛んだ。

■こんな感じで針を打ち付ける。




 仕事がうまくはかどると気持ちがいい。この気持ち良さを味わいたくて工作するってのもある。このネットは非常にうまくいったのだ。 そしてぴったりはまり、特にネジ留めする必要もなく、かといって簡単に取れる感じでもなく、このしっくり感がすごくいい!


■この「ピンッ」と張りのいいネットがなんともいえず満足感を刺激する。

■出来上がり。アルミLアングルのアクセントがグー。クロームじゃない金属感がいいのだ。




 ということで、VOXっぽいネットではないが、それでもこのシックな感じがお気に入りである。もう1台は現状維持とするか、もう一度トライするか、さあどうしようっかなぁ?



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