伊良部島に入るとあとは南側の海沿いを半時計周りに走るのみである。ストリートビューで学習済みであり見たままの道であった。違うのは、歩道は草が覆いかぶさってかつ凸凹がひどすぎてチャリで走れる状態ではないということくらいだ。
しかしこの南側海岸線の「白い建物」率はすごい。ホテルがバンバン建設されている。のちの語るが、宮古島は住宅バブルらしい。そして海岸線はほとんど買い占められてしまっているらしい。なんだか悲しい気もする。海外植民地化しまくった欧州国のようにも感じる。
伊良部島に入ってから30分ほどで、これから3泊する宿「カサ・デ・アマカ」に到着した。ここはハンモックで寝るというのが売りの宿である。私より全然年上であるがイケおじ的なオーナーであった。チェックインして「彩の国クーポン」の発行をしてもらうが、オーナーも私もいまいち発行の仕方と使い方が分からない。オーナーも私がクーポン利用第一号とのことだった。結局このあと出かけて帰ってきたときに、印刷したクーポン番号をいただき、それをスマホにチャージする仕組みでということを理解した。しかしチェックアウトした日までに使い切らなければならなく、ちょっと使いにくい感がある。
宿にはおじいちゃんが先客で泊まっていた。頻繁にこの宿にやってくるらしい。今回も1週間強滞在するとのこと。大手自動車部品メーカーの海外工場に長くいたらしい。とてもフレンドリーでいいおじいちゃんだ。でも毎日海に泳ぎに行く達人でもあった。
今回の宮古島ではここを含め、4か所のいわゆる「ゲストハウス」に泊ったのだが、大体どこも同じような感じである。シャワールームが宿に一つ、そこには洗濯機もあり100円で利用出来る。共用スペースには冷蔵庫があって、自分で買ってきたものを入れておける。とういう感じ。瀬底島のヒルトンみたいなスーパーラグジュアリーなホテルでもないが、ゆんたく的面白さがある。
チェックインして部屋に荷物を置いて、とりあえず汗だくな体をシャワーでさっぱりさせ、宿の周辺の調査を始めた。食事処は2軒しかない。街は本当にこじんまりで何もない。コンビニ的なものは何もなく、さてどうしようかな?と思案した。
宿に戻ると、オーナーが言った。「佐藤さん夕陽を見に佐和田の浜行ってください」と。宿にいてもやることもないし、あちこち見たいので、言われるままに佐和田の浜に向かった。伊良部島の観光スポットでもあるらしい。ちなみに宿には「今日の泊まり人、日の出・日の入り時間、満潮・干潮時間」が記されている。これは何気に便利だった。
自転車で景観をきょろきょろ見ながらゆっくり走って20分。佐和田の浜に着いたのは18時20分、日の入りまであと20分だ。正直って普通の浜であった。白い砂が広がっているわけではない。サンゴが砕け小貝殻的になった浜である。しかし沖には宮古島の有名スポットである下地島空港への誘導橋が良く見えるし、海には岩がゴロゴロしている。夕陽が沈むまでぼーっと海を眺めていた。とってもリッチな時間だった。
実は飲み物やちょっとした食料を調達したかった。ググると佐和田の浜のちょっと北にスーパーがあるようだ。太陽が沈むとあっという間に暗くなるのだが、チャリ用LEDライトを新調したのでとっても快適。しかし着いたスーパーはなんだかとても入りずらい感じ。空いているのかどうかも定かではない。時間はもう19時を回っている。ここは決断して、宿の向こう側にあるらしいスーパーに行ってみることにした。
20分ほど爆走し着いたところは、まさにスーパーだった。その名は「シモジスーパー」まんまじゃん。ビール6本パック、これぞ宮古島のソールフードと言われている「うず巻きパン」、そしてさんぴん茶を買った。これで宿で飲んだくれできるぜ。
宿に戻ると、新しい客人がチェックインするとことであった。石〇さん。テラスで話をしていたら一緒に飯に行きましょう、となった。これはラッキー。実はこの方もこの宿を頻繁に利用しているつわものであって、食事処にも詳しいのである。馴染みの人が何度も泊る宿なんだね。そしてこの後とても楽しい時間を過ごした。新しい出会いって面白い!
宿に戻って21時過ぎ。念願の「天の川」が良く見える。これはすげーぞ。いてもたってもいられずカメラを取り出し、テラスから撮影となった。月はそろそろ沈む時間、雲はなし。最高である。そして実は石〇さんもカメラ大好きで、ばっちりなニコンシステムで固めていた。二人であーだこーだ言いながら撮影するのは楽しかった。宿の前のちょっとした草地に行ったりもしたが、やはり宮古島も蚊がいた。刺されまくり。実はこれがあとあといろいろ厄介なことになってくるのであったが、この時はまだそれを知らない・・・