90年はマクラーレン・セナが辛くもフェラーリ・プロストを破ってチャンピオンになったのであった。そのチャンピオンカーがMP4/5Bである。型番からも分かるように、前年MP4/5の焼き直し版である。しかし焼き直しと言っても、結構かっこよく私としてはお気に入りの車であった。その90年のMP4/5Bに搭載されたRA100ホンダV10エンジンが、そのままティレルにコンバートされたのだった。
ご存知の通り、ティレルは89年に018でコンパクトでアンダーパネルに空気を導く「ハイノーズ」を少しだけ取り入れ、翌90年にはそれを大胆な「アンヘドラルウイング」として昇華させ、開幕戦のフェニックスではアレジがセナを大胆に抜き返したのは記憶に新しいところである(えっ?ぜんぜん新しくない?私にとってはついこの前の出来事であるのだよ)。ちなみに開幕戦ではまだアンヘドラルウイングは搭載されていなかったけど・・・
その90年のティレル大躍進と中嶋悟というホンダドライバーが相成って、91年ティレルはホンダV10エンジンをゲットしたのである。前年までの「スポンサーありませんよ」的なシンプルカラーリングから一転、BRAUNがタイトルスポンサーになって、カラーリングもダークグレーメタリックに大幅変身した。マシンの特徴はモノコックがすごく「ダル」になったことであろう。エンジン排気はアンダーパネル下ではなく、ボディー最後端のカウル内から直接出すものである。さて前年までの軽量コンパクトなマシンに対して、ホンダV10エンジンはあまりにも重かった。マシンの性格も大きく変わってしまった。結局前年のようなすばらしい成績を残すところなく1年が終わってしまったのであった。
タミヤのお得意「ハイノーズモノコック唐竹割り」バージョンである。デカールはまだつやのないタイプだ。でもこっちのほうがクリアー塗装に強いんで好きなんだけどね。
塗装・デカールのポイントはノーズからカウルエンドに渡る「白ライン」をどうするかであろう。塗装で仕上げるか、素直にデカールで貼るか。実はこの白ラインの上下端にすごく細い赤ラインがあったりするのである。これを塗装では仕上げられない。やるとすればデカールから細赤だけ切り離す作戦があるのだが、やけに面倒である。今回は素直にデカールで仕上げた。が、このデカールノーズ部分の曲率が実際のマシンと合わないのだ。完全なる設計ミスであろう。なのでマークソフターの大量塗布になってしまった。
ちなみに、モノコックに開いてるフロントサス用孔であるが、これがまた横に長すぎる。半分くらいに埋めておくのがよろしいと思う。
塗装は専用スプレーカラーである「ライトグレーメタリック」が指示されているが、これはどうも明るすぎる感じだった(1作目で使用)。なので2作目である本作では一般色の「ガンメタル」で攻めてみた。こっちのほうが本物っぽいぞ。