91年にチャンピオンをとったマクラーレンMP4/6とセナ。ホンダV12のエンジンパワーでマクラーレンのやり方ももう末期的であり、ウイリアムズやベネトン、フェラーリなどがシャシー/空力で勝るのは誰が見ても明らかなのであった。加え、ウイリアムズはフェラーリが導入したセミオートマを搭載して絶好調、結果的に信頼性がちょっと足りなくて敗れたが、いつマクラーレンが没落してもおかしくない状況だった。
翌92年、マクラーレンは最初の数戦を前年マシンで戦うという、毎度の先方であたのだが、初戦から「リアクティブ・サスペンション」を搭載したニューマシンFW14Bが爆発的な速さを見せたのである。それこそ爆速である。エイドリアン・ニューウェーとマンセルのパッケージは最強であった。
そんな状況を焦ったマクラーレンは急遽ニュー*/マシンMP4/7を投入したのだった。セミオートマ、メス型モノコック、控えめなハイノーズ、細いノーズのマシンはどうだったか?と言えば、結果としては惨敗である。しかもホンダ第2期の撤退というおまけ付き。鈴鹿の日本GPではセナがあっという間のマシントラブルでリタイヤ。マクラーレンはウイリアムズに全くかなわなかった。
マシンの特徴としては、やっと「メス型モノコック」化したことだろう。カーボンモノコックでは誰よりも早く導入したマクラーレンであったが、メス型モノコックでは最後の導入なのであった。カラーリングでは前年までモノコック下半分がカーボンブラックままだったのが、MP4/7ではその部分もボディーカラーとして色が塗られたことだろう。あとは見た目ではいたって平々凡々のマシンであった。でもかっこよく見えるんだよねぇ〜
このマシンでタミヤのがチャレンジしたのは「モノコックとフロントウイングを一体化」したことである。金型製作もだいぶ進化したのだ。このモノコックとウイングが一体ってのは、まあマクラーレンだから許されるものだ。なぜかと言えば、この部分はホワイト一発塗装で済むからだ。ここでウイングはまた塗りわけなんてことだと、コアなモデラーはウイングだけ切り取ったりする作戦にでるからだ。
もう一点進化したのは「デカールの蛍光レッド色」であろう。タミヤのこの前MP4/5B、MP4/4のデカールはオレンジである。まあオレンジでもいいのだけどTVで見るとやっぱり赤に見える。今回のデカール色は一番合っているような気がするのだ。蛍光色は難しい。マクラーレンも実際に太陽光の下で見ると、「蛍光ピンク」に見えるであるしねぇ。
もうひとつデカールねた。マクラーレンの白赤、その白部分にスポンサー関係のデカールを貼っていくわけだが、デカールの糊が経時変化(あれ?この”経時変化”ってIMEだと変換できないぞ!)で黄ばんでしまってた。写真撮って泣いた!
このキットはご多分に漏れず「Marlboro」デカールが付いていない。これはMP4/5Bの日本旧仕様のデカールを別途購入して貼り込んだ。MP4/5Bの発売当初はまだ、日本国内ではタバコ広告に寛容であったのだ。いまでは日本でもタバコデカールは禁止状態である。またこのMP4/7はイタリア/モンツァ仕様のようで、リアウイングマクラーレンにしては異様に軽い(空力的に)のである。そのリアウイングに付くMarlboroは一文字ずつ切り出したのだが、やはりちょっと間が抜けている状態である。今ならイラストレータとアルプスプリンタでばっちり作っちゃうんだけどなぁ。