■TOP > パドックで楽しむ

■■■ 第12話【ベネトン娘登場】 ■■■

さて買うもの買ってブラブラ歩いている俺の目にとまったのは、朝撮ったベネトンのディスプレイマシンの周りに群がる殺気立った人の山だった。「なんだい、なんだい。何か面白い事があるのかい?」と、”群集を見つけると覗きたくなる”という、人間の本質のままに行動をとった俺だった。いましたいました、群集の視線を一視に集めている、皆さんお待ちかねのベネトンギャル。俺としてはブルーにカラーリングされたマシンを撮りたいのであるが、ベネトンギャルをマイアルバムの色と添えたい、帽子をかぶって長いレンズを持ったカメラオタク小僧ども(俺のことじゃないぞ!)に邪魔をされて、こんな写真しか撮れなかったぞ。ホントにおれはマシンが好きなのじゃぁ。


グランプリ後に買ったF1速報誌(日本GP号)にはこのお姉さま方、しっかり名前入りで出ていたのだ。上江州愛さんと立花安希さんと言う名前らしい。

*注:雑誌からのスキャンのため掲載見合わせ

しかしベネトンはアパレルの雄だけあって、本当にメディアへの露出が好きなようだ。実はお姉さまのところとは別に、もう1ヶ所で98年の本物マシンを目の前で見ることが出きるコーナーがあったのだ。マシンのすぐそばを一回りできる。当然吸いこまれるように列に加わった。

係りのお兄さんが叫んでいる。

「立ち止まらないでください!立ち止まらないでくださいっ!
立ち止まらないで・く・だ・さ・いぃぃぃっ!!」

係りのお兄さんの指示に従い、立ち止まらずにマシンを一回りするわけだが、歩きながらのマシン細部の撮影はつらいぞ。だからもう一度列に並んだ俺であった。



しかし俺としたこと、初めて気が付いた。ブリヂストンのタイヤは内側には白で”BRIDESTONE POTENZA”って印刷してないぞ。真っ黒のっぺりでちょっと異様な感じだ。



入り口におもむろに置いてあった“フロント・ノーズ”。そのまま抱えて逃げ出したい気持ちを抑えるのは大変だった。

「1/1の模型感覚で造っちゃえばいいのかなぁ? 何となく造れるような気がするのは気のせいかなぁ? あの大きさだとプラ板サクサクのパテ盛り、削り出しじゃ到底無理そうだなぁ・・・」

なんて考える時間が、俺の至高のひとときだ。会議の時間にはこんな事を考えている俺。だめっすか? 次長殿?



←前の話 ↑ 目次へ 次の話→