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■■■ 第24話【スーパースターたち】 ■■■

 このパドッククラブのゲートオープンは8時だ。首にパドックパスをかけたVIP達がみんなで並んで受付開始を待っている。我らはM事業部長と藤沢さんの3人でパドックのゲートが開くのを待っていた。
しかし、ここから俺の狂喜乱舞の時間が始まった。

1台の車が到着した。何気ない車だ。ちょっと人が寄っていく。

おぉぉぉぉぉぉぉ、チャンピオン争いをしているアーバインではないか。

 もちろんミーハーな俺は近づいて行くわけだ。なんだかなぁ、俺ってアイドルの追っかけやってポックリ靴を履いている女子校生となんら変わらないぞ。アーバインは鈴鹿入りの前に六本木で女の娘を”ブイブイ言わせてきた”のが良かったのか、リラックスしているっぽいなぁ。結構近くまで寄れたのだが、群衆に埋もれてしまって、写真を撮るのが精一杯じゃ。でも30も折り返し点を過ぎて、こんな事に一生懸命になっている自分がかわいいなぁ。



 あれ?あの車に乗っているのはジャッキー・スチュワートおじさんではないか? 自分のチームも上向きになってきた折りに、フォードに買収されてジャガーチームになっちゃったオジさんよ。さすがにベイ・シティー・ローラーズが好きなだけあって(うそうそ)、ズボンはタータンチェックね。帽子がタータンチェックのひとだよ。



 次なるのは・・・おお、メルセデスが来た。メルセデスと言えばマクラーレンだね。と言えば・・・そう、ハッキネン。さすがに緊張している顔だ。でも何も目立つメルセデスじゃなくてもいいのに、一発で分かっちゃうぜ。
ところでハッキネンはフィンランド出身っていうのが名前で良く分かる。だって名前の後ろが”○○ネン”だ。カンクネン、バタネン、なんやねん・・・あれれ?関西人のルーツはフィンランドか?



うっひょぉ〜、ついに生シューマッハと超接近遭遇だ。



 シューマッハのすぐそばについているこの人は、シューマッハのフィジカル・インストラクター?って名称かどうかは知らないが、健康の面倒を見ているインドの人だ。何でこんな事まで知ってるの?俺。



もう俺はこのドライバーが通るゲートに釘づけだ。
しかし少年よ、君はどこでそのバイトを手に入れたのだ?





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