■TOP > パドックで楽しむ

■■■ 第30話【ウォームアップ】 ■■■

「ブロロ、ブロロ」とピットレーンの速度規制のために、エンジンの点火系で気筒数をコントロールして、変な音を出しているマシンが目の前を横切って行く。気がついたのは、給油用のハッチはピットレーンの速度リミッタースイッチと連動して開くということ。ハッチを開けたままのマシンはちょっと間抜けだ。けど、こんなところも模型心をくすぐるのだなぁ。



 ここでちょっとしたポイント。今のF1はすべてのマシンに車載カメラ(トランスミッター内蔵)がつけられているのだが、実際につけなくてもよいマシンにはイコールコンデションのためにダミーのカメラが付いている。いろいろな場所にいろいろな形状のものが試されてきたが、今では写真のような通称”タケコプター”タイプに落ちついている。ちなみに上の写真はダミーのカメラ(シルバー)で、下のマシンは本物のカメラ(黒)だ。両方ともシューマッハが乗っているのだが、彼はレースカーとTカーの乗り比べをしているんだな。カメラで分かるのだ、ハッハッハ。シューマッハッハッハ・・・・



 車の燃料(ガソリン)のことを”ガス”と呼ぶ事があるが、パドックで嗅覚を刺激するのはまさに"ガス"の臭い。ほんとにガスくさい。なんだかガス爆発がありそうで恐かったりしたぞ。F1の場合、ちょっと前までは燃料でパワーを稼ぐのが常套手段で、一時期フェラーリのオイルサプライヤー"アジップ”が、えらい刺激臭のある燃料を持ちこんでいたのは有名な話しだ。しかし今では”市販されている燃料と同じ事”、と義務つけられているので以前のような臭いはしないらしい。

 観戦はジョーダン・ピットの真上であるので、マシンが戻ってくると楽しいのである。ジョーダンの99年はフィレンツェンとヒルの体制だ。99年のフィレンツェンは大化けして、いっときは「チャンピオンが取れるのでは?」とうわさされていた。対するヒルはかのグラハム・ヒルの2世ドライバーで、96年のワールドチャンピオンであるが、99年はどうも不調で、この鈴鹿での引退が決まっているのである。



 こういうのがたまんないのだ。人の体の形が参考になるなぁ。ああ、作りたくなる、ジオラマ。



 ポツンと置いてあるカウル。最近のマシンは複雑形状なのでカウルの分割数は以前の何倍にもなっている。以前のように大きなエンジンカウル一発って感じではないぞ。



 後ろから。タイヤの溝が良く分かる。モンスターマシンであるF1のタイヤに溝がついたんじゃ興ざめじゃ。F1はやっぱりスリックタイヤじゃなきゃ。でも走りこんだマシンのタイヤを見ると、溝がなくなっているんだよね。スリックタイヤ状態なのだ。



 ピットレーンに陣取っているジョーダンチームのデザイナー”マイク・ガスコイン”だ。ティレル時代に変なパーツばっかりつけてくるなぁと思ってたが、ジョーダンに移籍して”いい仕事してますねぇ”状態だ。ベネトンを買収したルノーチームにヘッドハンティングされちったよ。





←前の話 ↑ 目次へ 次の話→