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■■■ 第41話【ウイリアムズ〜栄光よ再び】 ■■■

 続いてウイリアムズ。栄枯盛衰とはこのこと?91年くらいから飛ぶ鳥を落とす勢いで勝ちつづけてきたチームも、”空力の天才”エイドリアン・ニューエィー(デザイナー)がマクラーレンに逃げられてからというもの、凋落の一途をたどっているのね。それでもまだふんばっているのはすばらしいねぇ。ここの作業風景だ。



 他のチームと違ってフロント部全開だね。ウイリアムズも(リ)アクティブ・サスペンションでアドバンテージを得ていた92年頃は、その部分を布で隠しまくっていたっけ。今思えば、その頃から"隠し”が一般的になってきたっぽいなぁ。そうかウイリアムズが元凶なんだな。車載カメラはロールバートップに加えて、ロールバー左側面にも見えるぞ。フロントサスペンションのロアアームを貫通しているディフレクターはこんなに薄いのだ。プラモデルではこういう部品は一般的に強度を稼ぐために厚くなっているのだ。だから我々は”薄々攻撃”と称して、カッターの刃をエッジにあてて、”キーキー”という音とともに削り込むわけだ。いわばカンナを斜めに当てるみたいなもんだ。こうすることで出来上がりの模型は素組みのときとは比べ物にならないくらいシャープになるのだよ、はっはっは。



お決まりのブレーキアップライトまわり。ブレーキディスクの穴の開き方が<2-1-2>なのに注目。



 ディフレクターの薄さと裏が黒だっていうのがよくわかるワンショット。走行しているマシンからはなかなか判別つかない所がよく分かって精神的によろし。モデラーはこういうところがどうなっているのかが気になってしょうがないんだ。こんなことに1日を費やして、資料の海に溺れるのだ。



 こうやって物を作り上げるのって快感だよね。最近の我ら製造業はいい物を作りあげるっていうより、物を安く買うための仕事だ。惜しみない金を使って最高のものを作り上げるっていう仕事を一度はしてみたいものだ。だって今のF1ったら航空技術や軍事技術まで手を広げているのだからねぇ。限りなくエンジンを軽くしたいと思えば、レギュレーションで規定されていないシリンダーライナーやピストンにはベリリウムなんちゅう超高価&有害なレアメタルを使うし、エンジンの振動を押さえるためのカウンターバランスをピンポイント化するために比重が高く高価なタングステン(マシンのバラストにも使用)なんて使っているらしいぞ。なんだか怪しいところではウランなんて話も・・・



 フロントノーズだ。前にも書いたが、ウイリアムズのカラーリングは何を言いたいのかさっぱり分からん。じぇんじぇ〜んカッコ良くない。このフロントノーズだって統一感のないデザインでしょ。”適当にスポンサーマーク貼っちゃいました!”ってしか思えないんだけど。



お決まりのヘッドプロテクターとシート。



 ミハエル・シューマッハの弟、ラルフ・シューマッハ。やっぱ似てるでしょ。強気の性格も兄弟でそっくり。初代フォーミュラニッポンのチャンピオンだ。最近は評価もうなぎ上りみたい。





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