■TOP > 俺の沖縄 > その8~バスに揺られて沖縄タイム

■■■ バスに揺られて沖縄タイム ■■■

 「それでは出るよーーー」

 と運ちゃんが言ってバスが出発した。いよいよ俺の沖縄がスタートした。でも運ちゃんの「出るよー」ってのがイントネーションやそののんびりした感じも、とても沖縄らしくていい。やっぱり旅行に行ったらその地方を感じるようにしたい。その中でも言葉・なまりはポイント高いね。はじめて大阪に出張行ったときに、新大阪で降りて、エスカレータの女子高生が関西弁を話しているのに感動した。九州行った時は博多弁(微妙に違うかもしれないけど微妙さは分からない)、山口の馴染みのメーカーに出張するとまた言葉が違う。当然我が家系やかみさんはもろ東北であって、超なじむ。

 さてこのやんばる急行バスは、高速道路に乗るまでの街中は普通のバスよろしく、あちこちのバス停に止まる。そして高速をすっ飛ばして名護エリアまでワープする。名護以北は主要な町のみ停車となる。行先は今帰仁の運天であるが、名護エリア以降は観光地と呼ばれるエリアを回るので、結構遠回りでもある。

 そしてここからが自分の「メモ帳」に書いた沖縄感想1行目になる。そこにはこう書いてある。

「沖縄の街並みをざっと見ると、日本じゃなくて南アジアに見える」

 そうなのだ。この「初めて見た瞬間のイメージ」ってのはとても大事である。すぐ慣れてしまって新鮮か目が無くなってしまうから。那覇の都心部はあまりそんな感じはしないが、少し離れて住宅地になってくると、いきなり南国風なのだ。どこがそう思わせる要因なのだろう? すぐに分かったのは、「屋根」が傾斜していない、いわゆる木造住宅が少ないのである。箱型で屋上があるような形の家がとても多い。これはなぜなんだろう?

 いわゆる傾斜な屋根を持つ家もあるが、これはオレンジな沖縄瓦(ってあるの?)だったり、白い瓦だったり、自分の家の周囲では見ないような色とかデザインである。こういう「違い」ってのは旅行の醍醐味であるね。道路も立体交差が多い。なんとなく首都高のジャンクションのようだ。

 そしてだいぶ西にあって夕暮れが遅い沖縄だけど、雨で空は暗く、街の景色がどんどん見えなくなってきた。嘉手納とか宜野湾とか大きな基地があるが、これらは高速道路からは全く見えなかった。基地に関しては帰りの車からのインプレッションを見てほしい。

 しかし暗くなるとちょっと驚くことがあった。それは「真っ暗」である。道路の街灯もないところが結構あって、もう遠くの街明かりしか見えないところが結構ある。でも私はそれでいいと思う。夜は暗いもの。暗いからこそ見えるものがたくさんある。だけど、明るいのが好きな日本人は、どこもかしこもとことん明るいのだよね。

 結局「出るよー」と10分遅れでバスが出発し、那覇市内は帰宅ラッシュ。街中バス停でも結構停まるし、途中から学生もたくさん乗ってくる。高速道路の途中でトイレタイムがあり、「定刻を30分以上オーバーしてますーーー」と、運ちゃんからアナウンスがあった。

 高速道路を終えると、あとは観光客らしき人が残って、バスの中は一気に寂しさ感が出てくる。そのあと最初に止まった街は「名護」であった。最初は名護に泊まろうかとも思っていたし、沖縄で聞いたことのある名前で「名護」は上位に位置する。当然ながら沖縄第2の都市くらいの都市感を想像していたが、見事に裏切られた。なんか簡素(これは後日修正する)。

 さらにバスは進む。次なる大きな町は後半に泊るホテル(瀬底島)に渡る橋のある「本部町」である。ここは2日後に来ることになるので、目を皿のようにして街並みを焼き付けた。印象的には名護より栄えているんじゃないの?

 さらにバスは進む。このまま国道を行くと今帰仁に早く着くのであるが、やはり観光名所を外すわけにはいかないぜ的ルートは、ちょっと遠回りであった。でも美ら水族館周辺のリゾートエリアを通るのは悪くはない。この辺りになると、もう残り数名である。そしてバスは国道に戻り、降りる人がいないバス停をどんどん通過し、目的地である「今帰仁役場前」に着いた。雨も強くなさそうなので、リュックに雨カバーはつけず、レインコートも身に着けずに下車した。ちなみに下車は私と女性の2名であった。

 どのあたりの位置で下車するのかは、事前調査ではよくわからなかったが、今帰仁役場は道路反対側で、実際は「今帰仁商工会前」というのが正解である。で、ここで助かったのは、商工会の入り口が屋根になっていて、少し広くて、雨に悩まされずに自転車を組み立てる場所が確保できたことだ。これは凄く助かった。一緒に下りた女性は、今帰仁の知り合いの家に泊まるそうだ。迎えに来てくれるらしい。一瞬「一緒に送りましょうか?」と言われるのを期待したが、人生そう甘くない。

 事前にタイヤの空気入れを練習しておいたかいがあり、前輪米式、後輪仏式のチューブにばっちり空気が充填された。村役場は明かりはついているが、もう人はいないっぽい。そうだよなぁ、沖縄の商工会議所なんて残業なんてしなそうだし。写真のタイムスタンプは19時42分である。


■実際はこんなに明るくない。画像処理で思いっきりトーンカーブ変えたのだ。

■さて出陣前の記念撮影だ


 そしてレインコートを着た。100均だけど。さらに自転車ライトを取り付けた。100均だけど。そして10キロのリュックを背負った。さあ、未開の地に出陣だ!


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