■TOP > ジャンクギター再生工房 > ラップ塗装 ジャズベース(レッド)

■■■ ラップ塗装 ジャズベース(レッド) ■■■

■■■ 事の発端 ■■■

 ラップ塗装第1弾が思いのほか上手くいったので、勢いがついちゃったりで、前から欲しかったジャズベースをターゲットにハードオフを徘徊した。安価なジャズベースなんて安価なストラト同様サクッとゲットできるのである。そして思い立ったその日にゲットしたのが、安物ギターの定番「Selder」である。

 実はエレクトリックギターを高1の時に買って、そのあとに買ったのがギターではなくベースなのであった。当時はジャズベの異形な形を良しとせず、ストラトライクに「凛」としているプレべを買ったのであった。しかしその後時は流れ、どうももっさりしたプレべよりもダイレクト感がある(ように思えた)ジャズベに興味が移り、今回のジャズベ選定となった。さらにジャズベの場合、ピックガードを外してもストラトと違いボディーが彫り込まれていない(だろう)はずで、そしてそのピックガードを外した何となくワイルドさに惹かれていた。ジャズベのそのピックガードを外した広大なボディーは、ラップ塗装の成果披露には最適である。ストラトだとピックガードで隠れてしまう部分が意外に多いのである。

 しかしお店でピックガードを外すわけにもいかず、ボディー形状がPU部分だけのくり抜きか、ストラトの弁当箱みたいな「なんでもござれ形状」なのかわからない。まあくり抜きだったらピックガードかぶせておいてもいいかな?と思っていた・・・

■■■ 分解 ■■■

 ギターを分解するときはいつもドキドキする。そして大体にして「あーやっぱり安物だな・・・」と思うのである。今回のSelderジャズベを分解してっていうか、ピックガードを外してみたら「うむむ・・・やっぱり」であった。ピックガード下の隠れているネック側PUがハムタイプの大型PUが搭載できるように大きな掘り込みなのであった。まあ想定したことでもあり、しょうがないなぁ、で済ませるしかなかった。しょうがないのでピックガード併用にしようっと。ということでまずはラップ塗装を始めよう。


■ピックガード下にあるネックPUは案の定、広いくり抜きであった。

■今回は色付き部を広くとりたかったのと、模様柄を大きくとりたかったので、ラップの押し付け方をちょっと変えてみた。「やってみ」とあれこれスキルがついてくるのだ。



■全体をラップするまでには意外に時間がかかるのだ。一つはサランラップに吹き付けたシルバー塗料がある程度乾くまで待たなきゃならない。もう一つはラップがそれほど多くできないので、何度も繰り返さなきゃならないとこが理由。

■シルバーラップ塗装がおわったら色付けである。ハンドピースで地道に行うのだが、これまた時間がかかるのである。





■基本的にサンバーストカラーとする。周囲は濃く中心は薄くほかの色で・・・となる。基本はクリアーカラーなのだが、クリアーだと色乗りに時間がかかるので、普通のレッドで吹いてみた。

■思った通り、黒の上に色が乗ってしまって黒が赤で結構隠蔽さてしまった。黒が沈んじゃラップカラーの本意じゃないので、数秒考えた末、リトライすることにした。





■しょうがないのでペーパーでゴリゴリ落とす。平面部分はそれなりに楽なんだけど、R部分はやっぱり面倒なのである。でも自分が悪いんでしょうがない。

■実はある作戦を考えていたので、中心部分は適当になっている。その作戦とは・・・




 実は上記の赤塗装状態でピックガードをつけてみたら、べっ甲調のピックガードは赤ラップと同化してしまいすこぶる間抜け感があった。

 ならば・・・一気にやってしまえとばかり、ピックガードをつけない仕様に変更である。つまりフランケンよろしく、でかいPU用掘り込みを埋めなくてはならない。以下その作業である。


■こういう時は寸法測って、さっとCAD描いて、手持ちの木材からちょうどよい厚みのものを探し出し、サクッとNCしてしまえばよろしい。

■削り出した木材スペーサーにPU入れたらピッタリ。この「ピッタリ」の瞬間が快感である。





■しかしボディーの掘り込みがいい加減で直線になっていない。こういういい加減なところは採寸不可能なので(やろうと思えばできるけど、そこまでやりたくないし)少し小さめに作ってあとは「パテ」にお世話になるしかない。

■パテにお世話になったが、肉やセするのは覚悟のこと。ついでにピックガード用のスクリュー穴を定番の楊枝攻撃で埋めておこう。ラップ塗装残りはこの後どうせペーパーをかけるからその時はがせばよいのである。





■微妙な隙間を再度パテで埋めるのは面倒なので、サンディングシーラーで埋めてしまえ。でも結構溶剤成分が強烈みたいで、下のパテが結構溶けるので厚塗りは要注意である。

■何度か吹いて磨いてを繰り返してまあまあ平滑が出た状態だ。





■ネックヘッドもラップ塗装対象だ。ベースに黒を吹かなければならないので、クリアー吹くのとは違ってマスキングは念入りに。

■きれいに黒を吹く。





■そして再びラップ塗装。

■そして今度はきちんと時間をかけてクリアーイエローとクリアーレッドで色付けする。仕上げは前回のフロイドラップと同じでマット仕上げとした。結構ラップ塗装とあってるように思える。後は電装系を組込みボディー完成。





■ヘッドにもペグをつけて完成。

■最後にブレットを磨いて指板にオイルを塗って完成である。


 実はハードオフを巡ったときにピックガードタイプのジャズベしか見つけられなくて、ピックガードなしでラップ塗装を考えていた私としては、翌週もほかのハードオフをめぐっていた。そして黒のピックガードなしバッカスのジャズベを入手していた。しかしこのバッカス、あまりにも塗装がきれいかつ打痕もない、しかるにちょっと違った料理法を考えていたのであった。それはまた次の機会に・・・






■■■ 完成 ■■■



↑ 目次へ